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    Ultimate Drum Technique #27 コンテンポラリー・フット・コーディネーション Vol.1

    • Text & Score & Video:Hiroshi Matsuo

    CHAPTER27:コンテンポラリー・フット・コーディネーション Vol.1

    みなさんこんにちは、松尾啓史です。今回は、ツイン・ペダル(ツーバス)を用いたテクニックにフォーカスしてレクチャーしてみたいと思います。

    ■ツイン・ペダルとツーバスどっちが良いの?

    ツイン・ペダルおよびツーバスは、両足を用いてバス・ドラム(キック・ドラム)を演奏するための手段であり、セッティング方法です。

    ツイン・ペダルのメリットは、何と言ってもスペースの節約でしょう。ツーバスと同様のアプローチをバス・ドラム1台で実現できてしまうという画期的なアイテムなわけですが、デメリットとしては、やはりジョイントを介してペダル同士が接続されているぶん、左右のペダルのレスポンスに若干の違いが生じてしまうという点です。最近のツイン・ペダルは非常に精度も高く、左右のレスポンスの違いもほぼ感じられないくらいにはなってきているのですが、それでも完全に左右均等にすることは難しく、調整が必要な場合も多いです。

    一方、ツーバスですが、こちらはやはりセッティング・スペースの圧迫がデメリットになります。バス・ドラムが2台となると、現場によってはドラムをセットするスペースが十分に確保できない場合もあり、持ち込み自体が困難なシチュエーションも多いです。メリットとしては、左右のキックのサウンドが完全に分離できる点と、右足/左足のペダルがそれぞれ独立しているので、同じペダルを2台用意すれば両足に対して均等なキック・レスポンスの環境を構築することができます。また、バス・ドラム2台ならではの、ステレオ感のあるダイナミックなキック・サウンドも魅力的ですね。

    どちらも一長一短ですが、よほどのこだわりがない限りは、まずはツイン・ペダルから始めてみると良いかもしれません。

    コンテンポラリー・フット・コーディネーション
    〜Basic編〜

    ツーバス・アプローチは、シンプルな連打だけに着目されがちですが、手と同様にキックも足順を意識することで、さまざまなリズムを演奏することが可能です。Ex-1a〜dは、“ナチュラル・フット・ワーク”という考え方のもと、構築されたエクササイズです。このように、足順を一定の法則で整理整頓する癖をつけておくことで、より一層音楽的な発想でフット・ワークのコントロールができるようになります。

    Ex-2はフット・ワークにおけるディドル・コントロール・エクササイズです。シンプルな16分音符連打の中に、時折キックのダブル・アクションを挟み込むことによって、一定の連打アプローチの中にスパイス的なアクセントを設けることができます。ダブル・アクションを挟んでも体幹が崩れないように、注意しながら演奏しましょう。

    Ex-3は、足でダブル・ストローク・ロールを行うアプローチです。“打数はシングルと変わらないのに、なぜわざわざ足でダブルを行う必要があるのか”と疑問を抱く方も多いかと思いますが、その理由は、数多のドラマーが手のダブル・ストローク・ロールを習得するのと同じく、ルーディメンタルなアプローチへとつなげるためです。ゆっくりなテンポから着実に練習しましょう。

    Ultimate Drum Technique – BACK NUMBER

    ■CHAPTER 1:モダン・フット・ワーク
    ■CHAPTER 2:左足のハイハット・コントロール
     ▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン20年7月号をチェック!


    ■CHAPTER3:ゴースト・ノート
    ■CHAPTER4:ワン・ポイント・モジュレーション
     ▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン20年10月号をチェック!

    ■CHAPTER5:トラップ・ビート
    ■CHAPTER6:トラップ・ビート Vol.2
     ▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン21年1月号をチェック!

    ■CHAPTER7:オッド・グルーヴ
    ■CHAPTER8:オッド・フィル

    ■CHAPTER9:メトリック・モジュレーション
    ■CHAPTER10:メトリック・モジュレーション<奇数分割 ver.>

    ■CHAPTER11:スティック・トリック Vol.1
    ■CHAPTER12:スティック・トリック Vol.2

    ■CHAPTER13:ミスター・ハイハットに挑戦 Vol.01
    ■CHAPTER14:ミスター・ハイハットに挑戦 Vol.02

    ■CHAPTER15:チェンジ・アップ/ダウンで緩急自在 Vol.01

    ■CHAPTER16:チェンジ・アップ/ダウンで緩急自在 Vol.02

    ■CHAPTER17:レフトボディ・オスティナート Vol.01
    ■CHAPTER18:レフトボディ・オスティナート Vol.02

    ■CHAPTER19:リニア・ゴースト Vol.01
    ■CHAPTER20:リニア・ゴースト Vol.02

    ■CHAPTER21:メトロノーム・ハック Vol.01
    ■CHAPTER22:メトロノーム・ハック Vol.02

    ■CHAPTER23:ワン・ハンド・ロール Vol.01
    ■CHAPTER24:ワン・ハンド・ロール Vol.02

    ■CHAPTER25:コントロールド・バウンス・フィール Vol.01
    ■CHAPTER26コントロールド・バウンス・フィール Vol.02

    ◎Profile
    まつおひろし:豊富なドラム知識を生かし、リットーミュージックより自身の執筆する教則本『究極のドラム・トレーニング・バイブル』をリリース。現在はリズム&ドラム・マガジンでプレイ分析や執筆を担当している他、ドラム・セット・プレイヤーとしてのみならず、ドラム・スティックを投げたり回したりと視覚的に楽しませるパフォーマーとして、東京ディズニーシーや打楽器アンサンブル・チームでの公演の経歴もある。さらにゲーム音楽を中心としたレコーディングも多岐に渡る。20歳の頃より音楽教室でのレッスンなど、クリニシャンとして後世のドラマーの育成にも積極的に取り組み、吹奏楽からプログレまでジャンルを問わずさまざまなバンドでのライヴ・セッション活動を行っている。

    ◎Information
    松尾啓史 HP Twitter YouTube