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Ultimate Drum Technique #22 Metronome Hack Part 2

  • Text & Score & Video:Hiroshi Matsuo

CHAPTER22:メトロノーム・ハック Vol.2

みなさんこんにちは、松尾啓史です。第22回は、前回からお届けしているメトロノーム(クリック)を活用する一風変わったタイムキープ・トレーニング術のAdvanced編。メトロノームの捉え方をさらに複雑化させ、より一層強固なタイム・キープ力を目指します。

メトロノーム活用術
〜Advanced編〜

Advanced編ではメトロノームの捉え方をさらに複雑化させ、より一層強固なタイム・キープ力を目指します。自ら奏でるドラム・パターンと並行し、ガイドとなるクリックをいかに相対的かつ俯瞰して捉えられるかがポイントです。

Ex-8は、16分音符ウラでクリックを捉えるエクササイズです。8分音符ウラのクリックよりもテンポ情報を細やかに捉えることができますが、その分ズレも目立つので、1打1打のショットをより正確なタイミングで演奏する必要があります。

Ex-9は、半拍半でクリックを捉える、やや浮遊感のあるエクササイズです。小節を跨いで展開されるため、常に別軸でのパルスを感じながら演奏しましょう。譜例には2小節までしか記載しておりませんが、この先がどうなるのか、ぜひみなさんで考えてみてください。

Ex-10は、1拍半でクリックが展開されるエクササイズです。先ほどのEx-9の半分の間隔でしかテンポ情報を認識する術がなく、自らのテンポ・キープ力が試されます。

Ex-11は、2拍3連符という奇数グルーヴのクリックに、8分音符や16分音符の偶数リズムで構成されたビートを重ね合わせるエクササイズです。2拍3連符の中から土台となる4分音符のパルスを導き出しましょう。

Ex-12は、クリックを6連符の6つ目で感じ取る、上級者向けのエクササイズで、バウンス・フィールのドラミングを練習するには打ってつけです。

Ex-13は16分音符の5つ割りのタイミングでクリックを捉えるエクササイズです。通常ここまで複雑化されたパルスに合わせて演奏することは稀ですが、相対的テンポ・キープ力に自信のある方は、ぜひチャレンジしてみてください。こちらもEx-9Ex-10同様に譜面のすべては記載しておりませんが、あくまで視覚情報に頼らず感覚的に捉えられることができるように練習しましょう。

Ex-14は、1小節に一度しかクリックが鳴らないエクササイズです。ここまでの練習でテンポ・キープ力が向上したのかをチェックしてみましょう。

Ultimate Drum Technique – BACK NUMBER

■CHAPTER 1:モダン・フット・ワーク
■CHAPTER 2:左足のハイハット・コントロール
 ▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン20年7月号をチェック!


■CHAPTER3:ゴースト・ノート
■CHAPTER4:ワン・ポイント・モジュレーション
 ▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン20年10月号をチェック!

■CHAPTER5:トラップ・ビート
■CHAPTER6:トラップ・ビート Vol.2
 ▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン21年1月号をチェック!

■CHAPTER7:オッド・グルーヴ
■CHAPTER8:オッド・フィル

■CHAPTER9:メトリック・モジュレーション
■CHAPTER10:メトリック・モジュレーション<奇数分割 ver.>

■CHAPTER11:スティック・トリック Vol.1
■CHAPTER12:スティック・トリック Vol.2

■CHAPTER13:ミスター・ハイハットに挑戦 Vol.01
■CHAPTER14:ミスター・ハイハットに挑戦 Vol.02

■CHAPTER15:チェンジ・アップ/ダウンで緩急自在 Vol.01

■CHAPTER16:チェンジ・アップ/ダウンで緩急自在 Vol.02

■CHAPTER17:レフトボディ・オスティナート Vol.01
■CHAPTER18:レフトボディ・オスティナート Vol.02

■CHAPTER19:リニア・ゴースト Vol.01
■CHAPTER20:リニア・ゴースト Vol.02

■CHAPTER21:メトロノーム・ハック Vol.01

◎Profile
まつおひろし:豊富なドラム知識を生かし、リットーミュージックより自身の執筆する教則本『究極のドラム・トレーニング・バイブル』をリリース。現在はリズム&ドラム・マガジンでプレイ分析や執筆を担当している他、ドラム・セット・プレイヤーとしてのみならず、ドラム・スティックを投げたり回したりと視覚的に楽しませるパフォーマーとして、東京ディズニーシーや打楽器アンサンブル・チームでの公演の経歴もある。さらにゲーム音楽を中心としたレコーディングも多岐に渡る。20歳の頃より音楽教室でのレッスンなど、クリニシャンとして後世のドラマーの育成にも積極的に取り組み、吹奏楽からプログレまでジャンルを問わずさまざまなバンドでのライヴ・セッション活動を行っている。

◎Information
松尾啓史 HP Twitter YouTube