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Ultimate Drum Technique #19 Linear Ghost – Part 1

  • Text & Score & Video:Hiroshi Matsuo

CHAPTER19:リニア・ゴースト Vol.1

みなさんこんにちは、松尾啓史です。今回はドラミングテクニックの中でも習得不可欠な、ゴースト・ノートにフォーカスしたテクニックをご紹介したいと思います。今回はリニア目線からのアプローチ法になります。

ゴースト・ノートとグレース・ノートの違い

“ゴースト・ノート”とは、実は日本のみで使用されている和製英語で、海外では“グレース・ノート(Grace Note)”と呼ばれています。どちらも同じものを表しますが、日本ではゴースト・ノートとして表記されたり、言われることが多いです。また余談ですが、人によっては、意図的に出す音価のことをグレース・ノート、意図せずに手癖などで出てしまった音価をゴースト・ノートと区別している人もいるとかいないとか。

リニア・ゴースト
〜Basic編〜

ゴースト・ノートと一言で言えども、さまざまなアプローチ方法が存在しますが、今回は、土台となるビートに対しての補佐的な役割ではなく、ゴースト・ノートそのものをドラミングの主線として扱うスタイルでのエクササイズを構築してみました(Ex-1Ex-7)。

リニア・ドラミングをベースとしているので、スピード・アップも図りやすく、速いテンポの楽曲などでも対応可能なテクニックとなっています。実践的なフレーズへと進む前の予備練習として、まずは1拍間のミニマムなリズムのパーツを、何度も繰り返しスムーズに演奏できるように練習してみましょう。

また、ゴースト・ノート奏法はスネアで行うイメージが強いですが、フット・ハイハットでのチック音(ハイハット・ゴースト)も、今回のグルーヴを構成する上での重要な役割を果たしています。テンポが上がるほど、ペダルを踏み込むタイミングもシビアになりますので、余計なハイハット・オープン・サウンドなどがフレーズに混じらないように、スネア・ドラムのゴースト同様、センシティヴなペダル・コントロールを心がけて練習しましょう。

Ex-1Ex-7までをスムーズにプレイできるようになった暁には、次のステップとして、それらのリズム・パーツを自由に組み合わせて自分なりのパターンを構築し、練習してみましょう。

例えばEx-2Ex-3Ex-4それぞれのリズム・パーツを組み合わせると、Ex-8のようなビートを作り出すことができます。

今回は左半身のオスティナートのみに着目してみましたが、これに限らず、右半身を用いたオスティナートや、右手のみ、左足のみなど自分でもさまざまなオスティナート・パターンを研究し、普段の演奏にどう取り入れることができるかを考えて、自分なりに模索してみてください。

Ultimate Drum Technique – BACK NUMBER

■CHAPTER 1:モダン・フット・ワーク
■CHAPTER 2:左足のハイハット・コントロール
 ▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン20年7月号をチェック!


■CHAPTER3:ゴースト・ノート
■CHAPTER4:ワン・ポイント・モジュレーション
 ▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン20年10月号をチェック!

■CHAPTER5:トラップ・ビート
■CHAPTER6:トラップ・ビート Vol.2
 ▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン21年1月号をチェック!

■CHAPTER7:オッド・グルーヴ
■CHAPTER8:オッド・フィル

■CHAPTER9:メトリック・モジュレーション
■CHAPTER10:メトリック・モジュレーション<奇数分割 ver.>

■CHAPTER11:スティック・トリック Vol.1
■CHAPTER12:スティック・トリック Vol.2

■CHAPTER13:ミスター・ハイハットに挑戦 Vol.01
■CHAPTER14:ミスター・ハイハットに挑戦 Vol.02

■CHAPTER15:チェンジ・アップ/ダウンで緩急自在 Vol.01

■CHAPTER16:チェンジ・アップ/ダウンで緩急自在 Vol.02

■CHAPTER17:レフトボディ・オスティナート Vol.01
■CHAPTER18:レフトボディ・オスティナート Vol.02

◎Profile
まつおひろし:豊富なドラム知識を生かし、リットーミュージックより自身の執筆する教則本『究極のドラム・トレーニング・バイブル』をリリース。現在はリズム&ドラム・マガジンでプレイ分析や執筆を担当している他、ドラム・セット・プレイヤーとしてのみならず、ドラム・スティックを投げたり回したりと視覚的に楽しませるパフォーマーとして、東京ディズニーシーや打楽器アンサンブル・チームでの公演の経歴もある。さらにゲーム音楽を中心としたレコーディングも多岐に渡る。20歳の頃より音楽教室でのレッスンなど、クリニシャンとして後世のドラマーの育成にも積極的に取り組み、吹奏楽からプログレまでジャンルを問わずさまざまなバンドでのライヴ・セッション活動を行っている。

◎Information
松尾啓史 HP Twitter YouTube