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時代が求めるスネア・サウンドの“新スタンダード”を叩き比べ! “Heavy” Metal Snare Drums feat. 比田井 修&山本拓矢

  • Performance:Osamu Hidai Review:Takuya Yamamoto[bohemianvoodoo]
  • Photo:Hiroki Obara

編集部が独自に“規格”を設定!
“シェル厚2mm以上” or ”深さ7″以上”
メーカーお勧めの14台を叩き比べ!

近年トレンドとなっている厚い/深い=ヘヴィ仕様のメタル・スネア。大編成バンドで同期も鳴らす現代のライヴ・サウンドにおいて、音ヌケが良く、パワフルに響くヘヴィ仕様のサウンドは必要不可欠で、新たなスタンダードと言っても過言ではないだろう。今回はシェル厚2mm以上深さ7″以上のメタル・スネアを「“Heavy” Metal Snare Drums」と編集部が勝手に認定し、各メーカーがオススメする計14台を一挙叩き比べ! 緑黄色社会をはじめとしたサポートに引っ張りダコの比田井 修によるデモ演奏と、ドラム博士=山本拓矢によるレポートをお送りする。

ドラマガ編集部が勝手に認定!
“Heavy” Metal Snareとは?


Thick:シェル厚2mm以上 または Deep:深さ7″以上

※スネアの重量はすべて編集部による実測値です。

MASUOに聞く!
“Heavy” Metal Snare Drumsが求められる理由

そもそもの点がデカいから
中域がしっかりと出てくれる

そもそも海外ではずっとヘヴィなスネアが主流なんですよね。ラウドなバンドのドラマーが使っている機材を見ると、ソリッド・ブラスとかベルブロンズとか分厚いスネアが多くて、それで自分でも使うようになったんですけど、まず点がデカいです。ドラムは基本アナログな楽器なので、ギターやベースに比べると音量という点で対抗するのはやっぱり難しい。特にここ数年は他の楽器のパワーが増しているし、シーケンスなんかの音数も多いから、大音量の中でスネアの点を見せようと思うと、どうしてもハイ・ピッチになってしまうんですね。でもハイ・ピッチにしていくと、点は見えるけど音が細くなってしまう。分厚いメタル・スネアはそもそもの点がデカいから、ハイ・ピッチにしても太いところ、中域がしっかりと出てくれる。だから重宝されているんだと思います。今はロックの現場だけじゃなくて、ヒップホップやR&B、チョップス系のドラマーもみんな使ってますからね。1台あれば他のスネアが必要ないくらいにレンジも広いですし、とにかく使いやすいです。

深胴のメタル・スネアが主流になっているのも同じような理由なんですけど、厚いシェルは鳴らすのにパワーが必要なんですよ。その点、深胴のスネアだと(シェル厚が)1~1.5mmくらいなので、太い音を出すのが厚いシェルに比べると少し楽なんです。最近はロー・ピッチ気味のどっしりした感じのスネア・サウンドが流行ってるんですけど、それを標準サイズのスネアで出そうとすると、ピッチ感が合わない。それでピッチを上げていくと結局、音が細くなってしまう。深胴のスネアが求められているのは、そういう理由もあると思いますね。あとは深い分、余裕があるからぶっ叩いても音が潰れない(笑)。自分も最近は8″だし、Katsuma もタツ(Tatsuya Amano)も8″でしたね。

(ヘヴィ・メタル・スネアを使う上でのポイントは?)……まず押さえつけないこと。押さえつけると音が止まっちゃうんで、俺なんかはアップ・ストロークしてるような感じ。ダウン・ストロークというより、アップ・ストロークで鳴らすときの小気味良さの方が綺麗な気はしますね。あとはスナッピーを張り過ぎないことかな。

Snare List

<Thick Shell>
1. BRITISH DRUM CO. Talisman
2. DIXON Artisan Series Seamless Aluminum
3. DW Collector’s Series Polished Steel
4. GRETSCH USA Bell Brass
5. KEPLINGER DRUMS Black Iron
6. PEARL Reference One Brass
7. riddim Cast Bronze
8. SAKAE OSAKA HERITAGE Japan Custom Snare Phosphor Bronze
9. TAMA Mastercraft “THE BELL BRASS”
10. TYPE-R MAGNUM

<Deep Shell>
11. LUDWIG Black Beauty
12. NATAL Hand Hammered Steel
13. SONOR Kompressor Aluminum
14. Yamaha Recording Custom Stainless Steel

試奏は次ページから!