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Ultimate Drum Technique #28 コンテンポラリー・フット・コーディネーション Vol.2
- Text & Score & Video:Hiroshi Matsuo
CHAPTER28:コンテンポラリー・フット・コーディネーション Vol.2
みなさんこんにちは、松尾啓史です。第28回では、前回習得したコンテンポラリー・フット・コーディネーションのAdvanced編をお届けします。
コンテンポラリー・フット・コーディネーション
〜Advanced編〜
Ex-4〜5は“ダブル・ノート・シングルス”というアプローチで、通称“ヘルタ(Herta)”という名前で親しまれています。このリズム型をフット・ワークへと応用したリズム・パターンで、ダブル・アクションによるディドル・コントロールとは違い、こちらは瞬発的に速いシングル・ストロークを混ぜ込むことによって、キックのパターンに緩急をつけるテクニックです。均一な連打とは一味違った、ポリリズミックな感覚を楽しみながら演奏してみましょう。
Ex-6は6連符のグリッドに対してダブル・ノート・シングルスを用いたグルーヴです。このように、偶数連符/奇数連符問わず、フット・ワーク・パターンに織り交ぜることができますが、注意点として、拍アタマや小節アタマで必ずしも一定の足順(常に右足から、など)でスタートできるとは限らないので、演奏の際に混乱しないよう、あらかじめパターンの構築はしておいた方が良いかもしれません。
Ex-7〜8は、足のダブル・ストローク・ロールを応用したルーディメンタル・アプローチです。シングルとダブルのフット・ワークの切り替えが必要になる、やや難易度が高めのパターンですが、習得することができた暁には、キックによる表現力が広がり、ツーバス・アプローチの可能性をさらに1つ上の段階へ引き上げることができるでしょう。
Ex-9は、“Basic編(Ex-1)”で行ったナチュラル・フット・ワーク思考とは正反対の“オルタネイト・フット・ワーク”思考を用いたアプローチです。左右の足順をあえて交互の順序に限定することで、場合によってはスピーディーなフット・ワークが可能になる場合もあります。今回は一例ですが、さまざまなリズム型で試してみて、実際の曲中では臨機応変に使い分けられるように練習しておきましょう。
Ultimate Drum Technique – BACK NUMBER
■CHAPTER 1:モダン・フット・ワーク
■CHAPTER 2:左足のハイハット・コントロール
▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン20年7月号をチェック!
■CHAPTER3:ゴースト・ノート
■CHAPTER4:ワン・ポイント・モジュレーション
▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン20年10月号をチェック!
■CHAPTER5:トラップ・ビート
■CHAPTER6:トラップ・ビート Vol.2
▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン21年1月号をチェック!
■CHAPTER7:オッド・グルーヴ
■CHAPTER8:オッド・フィル
■CHAPTER9:メトリック・モジュレーション
■CHAPTER10:メトリック・モジュレーション<奇数分割 ver.>
■CHAPTER11:スティック・トリック Vol.1
■CHAPTER12:スティック・トリック Vol.2
■CHAPTER13:ミスター・ハイハットに挑戦 Vol.01
■CHAPTER14:ミスター・ハイハットに挑戦 Vol.02
■CHAPTER15:チェンジ・アップ/ダウンで緩急自在 Vol.01
■CHAPTER16:チェンジ・アップ/ダウンで緩急自在 Vol.02
■CHAPTER17:レフトボディ・オスティナート Vol.01
■CHAPTER18:レフトボディ・オスティナート Vol.02
■CHAPTER19:リニア・ゴースト Vol.01
■CHAPTER20:リニア・ゴースト Vol.02
■CHAPTER21:メトロノーム・ハック Vol.01
■CHAPTER22:メトロノーム・ハックVol.02
■CHAPTER23:ワン・ハンド・ロールVol.01
■CHAPTER24:ワン・ハンド・ロールVol.02
■CHAPTER25:コントロールド・バウンス・フィール Vol.01
■CHAPTER26:コントロールド・バウンス・フィール Vol.02
■CHAPTER27:コンテンポラリー・フット・コーディネーション Vol.01
◎Profile
まつおひろし:豊富なドラム知識を生かし、リットーミュージックより自身の執筆する教則本『究極のドラム・トレーニング・バイブル』をリリース。現在はリズム&ドラム・マガジンでプレイ分析や執筆を担当している他、ドラム・セット・プレイヤーとしてのみならず、ドラム・スティックを投げたり回したりと視覚的に楽しませるパフォーマーとして、東京ディズニーシーや打楽器アンサンブル・チームでの公演の経歴もある。さらにゲーム音楽を中心としたレコーディングも多岐に渡る。20歳の頃より音楽教室でのレッスンなど、クリニシャンとして後世のドラマーの育成にも積極的に取り組み、吹奏楽からプログレまでジャンルを問わずさまざまなバンドでのライヴ・セッション活動を行っている。
◎Information
松尾啓史 HP Twitter YouTube