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Ultimate Drum Technique #25 コントロールド・バウンス・フィール Vol.1
- Text & Score & Video:Hiroshi Matsuo
CHAPTER25:コントロールド・バウンス・フィール Vol.1
みなさんこんにちは、松尾啓史です。今回はバウンス・フィールにフォーカスしてレクチャーしてみたいと思います。
はじめに
ドラムのグルーヴはザックリと大きく分けて2種類に分類されます。まず1つ目は“ハネない”ビートです。8ビートや16ビートなどが代表的ですね。イーヴン・ビートやスクエア・ビートとも呼ばれています。2つ目は“ハネる”ビートです。ハネるビートの中にもいくつか種類があり、シャッフル・ビートやスウィング・ビートなどがあります。以下、それぞれの特徴です。
■シャッフル・ビート
日本人に最も馴染みが深く、童謡などにも用いられているのがこのシャッフル・ビートです。イメージとしては“スキップしているような”という表現だとわかりやすいかもしれません。基本グルーヴとして、8分3連の真ん中の音符を休符にし、中抜きされたリズムを感じながら演奏します。
■ハーフタイム・シャッフル
ヒップホップやR&Bなどの音楽ジャンルで使われることが多く、通常のシャッフル・ビートが8分3連を基調としたものだったのに対して、16分3連を中抜きしてハネさせたもの(1拍単位で表現するのであれば、6連符の2つ目と5つ目を抜いたもの)のことを表します。いわゆる“バウンス・ビート”と呼ばれるリズムは、このハーフタイム・シャッフルのことを示す場合が多いです。あるいは“16シャッフル”という呼び方をする人もいます。
■スウィング・ビート
主にジャズで用いられるグルーヴです。シャッフルが“タッタタッタ”というビートであるのに対して、スウィングは“タータタータ”といった具合いに、やや粘り気のあるビートをイメージしてもらえればわかりやすいと思います。また、シャッフルがオン・ビートを強く感じながら演奏するのに対して、スウィングはオフ・ビートをより意識しながら演奏するグルーヴでもあります。書物によってはシャッフル・ビートとスウィング・ビートは同じものだという考え方もあったり、他にもスウィングとシャッフルを掛け合わせたジャズ・シャッフルのようなものがあったりします。深掘りすればするほどスウィングの世界は奥深いので、興味のある方はぜひ一度、スウィングの歴史について調べてみても面白いかもしれません。
コントロールド・バウンス・フィール
〜Basic編〜
Basic編では、シンプルなイーヴン・ビートをさまざまな割合でバウンス・ビートへと変化させるエクササイズをご用意しました(Ex-1、Ex-2)。基本形のパターンは崩さずに、キックやハイハットのタイミングを適宜変化させ、シャッフル・ビートおよび、ハーフタイム・シャッフル(Ex-2)のバウンス化に挑戦してみましょう。
Ultimate Drum Technique – BACK NUMBER
■CHAPTER 1:モダン・フット・ワーク
■CHAPTER 2:左足のハイハット・コントロール
▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン20年7月号をチェック!
■CHAPTER3:ゴースト・ノート
■CHAPTER4:ワン・ポイント・モジュレーション
▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン20年10月号をチェック!
■CHAPTER5:トラップ・ビート
■CHAPTER6:トラップ・ビート Vol.2
▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン21年1月号をチェック!
■CHAPTER7:オッド・グルーヴ
■CHAPTER8:オッド・フィル
■CHAPTER9:メトリック・モジュレーション
■CHAPTER10:メトリック・モジュレーション<奇数分割 ver.>
■CHAPTER11:スティック・トリック Vol.1
■CHAPTER12:スティック・トリック Vol.2
■CHAPTER13:ミスター・ハイハットに挑戦 Vol.01
■CHAPTER14:ミスター・ハイハットに挑戦 Vol.02
■CHAPTER15:チェンジ・アップ/ダウンで緩急自在 Vol.01
■CHAPTER16:チェンジ・アップ/ダウンで緩急自在 Vol.02
■CHAPTER17:レフトボディ・オスティナート Vol.01
■CHAPTER18:レフトボディ・オスティナート Vol.02
■CHAPTER19:リニア・ゴースト Vol.01
■CHAPTER20:リニア・ゴースト Vol.02
■CHAPTER21:メトロノーム・ハック Vol.01
■CHAPTER22:メトロノーム・ハック Vol.02
■CHAPTER23:ワン・ハンド・ロール Vol.01
■CHAPTER24:ワン・ハンド・ロール Vol.02
◎Profile
まつおひろし:豊富なドラム知識を生かし、リットーミュージックより自身の執筆する教則本『究極のドラム・トレーニング・バイブル』をリリース。現在はリズム&ドラム・マガジンでプレイ分析や執筆を担当している他、ドラム・セット・プレイヤーとしてのみならず、ドラム・スティックを投げたり回したりと視覚的に楽しませるパフォーマーとして、東京ディズニーシーや打楽器アンサンブル・チームでの公演の経歴もある。さらにゲーム音楽を中心としたレコーディングも多岐に渡る。20歳の頃より音楽教室でのレッスンなど、クリニシャンとして後世のドラマーの育成にも積極的に取り組み、吹奏楽からプログレまでジャンルを問わずさまざまなバンドでのライヴ・セッション活動を行っている。
◎Information
松尾啓史 HP Twitter YouTube