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Interview -馬場豊心[Northern19]

  • Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine

同じ2ビートなんだけど
どうやったら緩急をつけられるのか
ちょっと変えるだけでも印象は変わる

●長年高速2ビートを叩き続けてきた馬場さんですが、だからこその悩みってありますか?

馬場 最近は“くどいんじゃないか、そんなにいらないんじゃないか”とも思ってきましたね。ちょっと抜いてみたり、パターンを変えてみたり、同じ2ビートなんだけど、どうやったら緩急をつけられるのかを考えるようになりました。ちょっと変えるだけでも印象は変わるんですけど、これだけ2ビートをやってきたら、やることがなくなってきちゃうんですよね(笑)。

●ところどころハイハットを抜いたりするのは、やはり速すぎるからですか?

馬場 それはもう手癖ですね。1拍を抜くパターンと、3拍を抜くときがあるんですけど、そのときのリズムの取りやすさで変わっているんだと思います。でも本当はYOSHIKIイズムだと、全部抜かずにいきたいんですよ(笑)。気持ちはあるんですよね。ただ物理的に無理なので。

●とは言っても、同じ速さでスネアやタムの16分連打や、ブラストっぽいフレーズは抜いてませんし、ヨレないし、すごく発音もしっかりしています。

馬場 そこは本当に意識しましたね。速いし動くから、絶対音量が下がりがちじゃないですか。そうなっちゃうとカッコ悪いし、むしろストレートな2ビートの中で、動きのあるフィルを聴かせたいわけじゃないですか。初めは意識してフィルは大袈裟に、フィルこそ音デカくするというイメージでやっていたんですけど、今はそれがもう普通になっていますね。長年やっている間に、そういうふうに聴かせられる動きを見つけたんだと思います。

●あれだけ速いビートをブレずに叩いていますが、クリックを聴いての練習はするんですか?

馬場 レコーディングの直前とかはしますけど、日々の練習というわけではないですね。あと、ライブがすごく続くときは、1回リセットするために聴いたりはしますね。そうしないと、どんどん速くなっていっちゃうんです。ライブ中のクリックは、曲の最初だけタブレットの画面で視覚的に確認して、それでも取りにくいときは手動で音量調整して最初だけ音で確認しています。テンポに関しては“俺だから!合わして!”って感じで(笑)。

●少し話は戻りますが、メンバーチェンジという大きな出来事を乗り越えて、これからについて、考えていることなどあれば教えてください。

馬場 やっぱり自分達にとってもちろん初めてのことだったし、慎重になってしまって全然決まらなかったんです。やれるかどうかもわからなくて、でもまたNorthern19ができると決まってからは、当たり前のようにやっていたことって、奇跡的なものなんだなと思いましたね。それはコロナに関してもそうで、今まではやっていることが当たり前でしたけど、やれること1つ1つがありがたいことなんだなというのを、より感じるようになりました。新体制になったので、もちろん今までと同じふうにはいかないし、変わったからどうこうと言う人も絶対いると思うんですけど、今は今で絶対的にいいんだよ、というのを出していきたいですね。今もカッコいいんで。

●ドラムにも変化はありそうですか?

馬場 壮大は曲も作れる奴で、しかもメロコアじゃないところにいたんですよね。今までは健太郎1人で曲を作っていたので、そこに別の要素が入ってくると、ドラムの感じも変わってくると思います。そういうところは楽しみですね。そういうふうにやれたらすごく面白いんじゃないかな。

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