06. 「シング・シング・シング」 Drums:ジーン・クルーパ

スウィング時代随一の人気ドラマー、ジーン・クルーパの代表的なドラム・イントロ。フロア・タムによるアクセント移動を用いたアプローチで、これは後続のブラスによるソリとも符割りが一致している。こうした“土着的”とも言えるプレイは、スウィング時代のビッグ・バンドで特にもてはやされ、ドラム・イントロの定番となっていた。ジャズ・ドラマーらしいスウィング感満点のスティック・ワークもポイントだ。

07. 「ロック・ウィズ・ユー」 Drums:ジョン“JR”ロビンソン

今や“ダンス・クラシック”となったマイケル・ジャクソンのヒット曲で、ドラムのジョン“JR”ロビンソンからは、プロデューサーのクインシー・ジョーンズの影が見え隠れする。この2人は、当時のポップス界におけるベスト・タッグの1組で、短くも非常にキャッチーなイントロ・フィルを作り上げるセンスはさすがの一言。テンポも含めて、この曲の雰囲気とベスト・マッチングなフレージングで、とても吟味されたアプローチを感じる。

ジョン・ロビンソン本人によるPlay Through動画

☆ドラマガTikTokで叩いてみた!☆

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ドラムイントロ叩いてみた!今日はマイケル・ジャクソンの「ロック・ウィズ・ユー」風なフレーズです!お手軽ドラム教室##StickTok ##tiktok教室 ##ためになるtiktok ##ドラム ##基礎練

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08. 「ウィ・ウィル・ロック・ユー」 Drums:ロジャー・テイラー

“ドンドン・パン~”のイントロで、瞬時にこの曲とわかるほどのインパクトを放つ名曲。アルバムでは人間の手拍子と足踏みを録音して構築しているが、ライヴではバス・ドラムとフロア・タムでプレイし躍動感を演出。“リズム・イントロ”という点で屈指の名フレーズと言えるだろう。

09. 「恋人と別れる50の方法」 Drums:スティーヴ・ガッド

スティーヴ・ガッドらしい、ドラム・コー的な感覚を含んだアプローチで、テクニックと音楽性が見事に融合したドラム・イントロの名演と言えるだろう。この驚くほどに、歌と溶け合うプレイからは、曲のメロディが彼のアイディア源になっていることがわかる。

10. 「テイク・ファイヴ」 Drums:ジョー・モレロ

“変拍子ジャズの先駆者”と呼ぶべきデイヴ・ブルーベックの代表曲。そのタイトル通り5拍子の曲で、スタンダードの中ではドラムで始まる定番曲とも言える。5拍子を3と2に分割したジョー・モレロのスウィング・プレイは、クールで知的な魅力に満ちている。