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    『EIGHT-JAM』で久々のドラム特集|ピエール中野、あらきゆうこ、荒田 洸がドラムの魅力を深掘り

    • Text:Atsuki Sano

    テレビ朝日系の音楽番組『EIGHT-JAM』が、久々となる“ドラム特集”を5月24日に放送。これまでもギター、ベース、DTM、ボーカルなど、音楽を構成するさまざまな要素を独自の視点で深掘りしてきた同番組。今回はピエール中野、あらきゆうこ、荒田 洸という、スタイルもキャリアも異なる3人のドラマーたちを迎え、単なるテクニック紹介ではなく、“歌心”、“グルーヴ”、“音色”、“人格”にまで踏み込んだ濃密な内容となっていた。

    3人の”こだわり”を掘り下げる濃密なトーク

    今回の番組は、大きく分けると4つのパートで構成されていた。まずは、3人によるデモンストレーション演奏で、三者三様のパフォーマンスを披露。続いて、それぞれが「すごいと思うドラマー」を紹介しながら、そのドラマーのどこに惹かれるのかを語るパートへ。さらに中盤では、スネア、ミュート、電子ドラム、スティック、ニュアンス・コントロールなど、3人それぞれの“こだわり”を掘り下げる機材・音作りトークが展開された。そして後半では、故・真矢のドラミングについて、出演者たちが熱量高く語る流れとなっていた。

    番組内で紹介されたドラマーたちも実に幅広い。荒田 洸は勢喜 遊とクエストラヴをピックアップ。あらきゆうこは高橋幸宏、神谷洵平を紹介し、さらに荒田と共通して石若 駿の名前を挙げた。一方ピエール中野は、YOSHIKI、淳士、神保 彰を紹介。それぞれのドラマーに対する“好き”がかなり具体的に語られていたのが印象的だった。

    中でも番組が特に詳しく掘り下げていたのはYOSHIKIと神保 彰のパートだ。YOSHIKIについては、ピエールによる“倍テン”と“ハーフタイム”の実演解説へ繋がっていったのが面白い。ドラムのアプローチ次第で、同じテンポなのにまったく異なる速度感や高揚感を生み出せることを、実際の演奏を交えながら紹介していた。単に派手なドラマーというだけではなく、“観客の体感時間を操る存在”としてYOSHIKIのドラミングを分析していたのは、『EIGHT-JAM』らしい切り口だったと言えるだろう。

    一方、神保 彰の流れからは、電子ドラムの話題へ。“生ドラムの代用品”としてではなく、“生では出せない音色を加えるための楽器”として使う発想や、現代の現場における実践的な使い方について荒田、あらき両名の演奏を交えつつ語られていた。また、その後披露された、童謡「どんぐりころころ」の即興アレンジ企画も印象深い。番組からの“無茶振り”として、3人がそれぞれ独自アレンジで演奏したのだが、同じメロディにもかかわらず、グルーヴ、間、アクセント、音色がまったく違う。“ドラマーによって曲の景色が変わる”ということを、これ以上ないほど分かりやすく示していた名シーンだった。

    そして、番組後半の大きなハイライトとなったのが、今年2月に逝去した真矢についての特集パートだ。過去のLUNA SEA特集でメンバーが一様に語っていたのは「真矢のドラムは歌っている」ということ。タム回しにメロディがあり、アクセントに感情があり、シンプルなビートの中に圧倒的な説得力がある。特に“実際にコピーすると全然同じにならない”という分析は非常に興味深かった。また、真矢のドラムには“一打一打に全力を込めるようなダイナミクス”があることや、バス・ドラムのアクセントによって独特の“うねり”が生まれていることも、ピエールの実演で解説されていた。速いフレーズや複雑なテクニックだけではなく、“シンプルだからこそ個性が出る”ということが、真矢というドラマーを通じて強く提示されていたように思う。

    なお、この放送回は現在、TVer などで見逃し配信中(こちら/Tverは6月1日0時10分で終了)。ドラマーはもちろん、“なぜ同じ曲でも人によってこんなに違って聴こえるのか?”という音楽の面白さに触れてみたい人にも、ぜひチェックしてほしい内容だ。

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