21. 「ブラッディ・サンデー」 Drums:ラリー・マレンJr.

バス・ドラムで4分をキープしながらハイハットを16分で刻み、スネアへの移動でフレージングする手法が特徴的。イギリスのニューウェイヴなロック感覚が感じられるイントロ・パターン。これはいわゆる“16ビート”の感覚よりも、かなり重厚なイメージだ。

22. 「ベル・ボーイ」 Drums:キース・ムーン

バス・ドラムを踏み鳴らしながら、タムとスネアを自由に駆け回るキース・ムーンの特徴がよく表れた、イントロでのピックアップ・プレイ。曲の中でも、この種のプレイを随所に披露しており、ここでは3拍フレーズによるアクセントの移動が特徴的。

23. 「ペイン・キラー」 Drums:スコット・トラヴィス

“ツーバス型”のドラム・イントロにおいて、その進化の過程を如実に示すようなプレイで、曲を特徴づける仕掛けが仕組まれている。ツーバス連打のスピード感を存分にアピールしつつ、曲の始まりのテンポに近づけていくアプローチがポイント。6連を7つ割りにして、4分のテンポを落とすといった頭脳的な手法を試みている。この曲が重層的な構造を持っていることを、聴く者に予感させるのに十分なインパクトと言えるだろう。

24. 「6:00」 Drums:マイク・ポートノイ

冒頭のハイ・タムのフレージングだけでファンはすぐに“あの曲”とわかる特徴的なドラム・イントロ。そのあとのパターン部分も曲の中で表情を変えながら何度も登場する曲のベースとなるアプローチで、その変則的な感じも曲を特徴づけるには十分なインパクトがある。イントロで提示したこの基本パターンを曲の中でどう展開させているかがポイントで、“このためのドラム・イントロだったのか!”とわかると曲の厚みも増すだろう。

25. 「テイク・カヴァー」 Drums:パット・トーピー

「このパターンを思いついたところから曲が作られた」と、パット・トーピーも語る“パターン先行型”の楽曲。したがってこのドラム・イントロはある意味必然で、リニア・フレーズを用いた個性的なパターンながら、曲との相性もバッチリだ。