NOTES
フレーズがワン・パターンになってしまう、プロ・ドラマーが叩くようなカッコいいテクニックを身につけたい、とにかくもっとうまくなりたい……そういったドラマーにオススメしたいのが、凄腕ドラマー25人のマル秘テクニックが学べる教則本=『最強のドラム練習帳〜名手25人の究極技〜』。ドラマガWebではそのコンテンツの一部を公開! 今回はフランク・ザッパのグループで名を馳せ、現在もテクニカル・ドラマーの最高峰に君臨するヴィニー・カリウタの数学的アプローチについて解説していこう!
フレーズ&テクニック解説
ヴィニー・カリウタはフランク・ザッパのグループで頭角を現したテクニカル・ドラマーの代表格で、現在も幅広いジャンルのセッションで活躍している。ザッパ門下生として身につけたポリリズムを多用したプレイは驚異的で、奇数音符やリズムの再分割などを自由に操り、そのフレージングは常人の理解を超えたレベルにまで達する。テクニックも多彩で、ルーディメンツをさらに進化させたようなスティッキング、そしてツイン・ペダルを駆使したフット・ワークも超絶。またダイナミクスの幅広さも特徴で、繊細なプレイから手足をフルに使った炎のようなプレイまで、素晴らしい表現力を持つ。歌モノでもスタイルを崩さず、音数は多いが、表現力の高さゆえ、うるさいという印象を与えないのはさすがだ。
ベーシック・アプローチ
バス・ドラムを1つ加えた16分音符の5つ割りフレーズ(Ex-1/0:00〜)。一般的によく使われる1拍半のフレージングよりさらに変則的な感覚になる。16分音符が均一に揃うようにコントロールするのがやや難しい。
ヴィニー・カリウタ流アプローチ
ベーシック・アプローチをさらに発展させたフレージング(Ex-2/0:12〜)。ジェフ・ポーカロ型フレーズのヴィニー・バージョンとも言える。8分音符の5つ割りで、言い換えると2拍半フレーズとなる。この割り方はヴィニーの得意ワザ。拍の捉え方の尺が長くなるので、きっちり4分の4拍子に収まるように感じながら叩こう。
手足のコンビネーションによる奇数割りフレーズ(Ex-3/0:27〜)。これはグルーピングといって、5、7のフレーズの固まりを組み合わせる手法だ。2小節目は5と7のグルーピング、4小節目は5のグループが内包された形。慣れてきたら自分なりのグルーピングを使って練習してみてもいいだろう。
3連系のリズムでの、変則割りフィルインの応用例(Ex-4/0:41〜)。3連符なので、ここでは4つ割りが変則的な捉え方となる。ヴィニーらしいスリリングなフレージングだ。1拍ごとに見ると特別な符割りには見えないが、変則割りという観点で見ると同じ音型が繰り返されることがポイントになる。
Vinnie Colaiuta’s DRUM KIT
●ドラマガWEB 最強のドラム練習帳
Vol.01 ジョン・ボーナムに学ぶ8ビートの発展&フィル
Vol.02 ジェフ・ポーカロに学ぶハイハットによるリズム構築
Vol.03 コージー・パウエルに学ぶ重量級ツーバス・ドラミング
Vol.04 チャド・スミスに学ぶロックとファンク・ビートの融合
Vol.05 マイク・ポートノイに学ぶ発展型ツーバス・テクニック
Vol.06 デヴィッド・ガリバルディに学ぶ複合パターン作り
Vol.08 バーナード・パーディに学ぶ躍動のファンク・ビート
Vol.09 神保 彰に学ぶハイテク・フィルと左足クラーベ ①
Vol.09 神保 彰に学ぶハイテク・フィルと左足クラーベ ②
Vol.09 神保 彰に学ぶハイテク・フィルと左足クラーベ ③