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神保彰ワンマンオーケストラGINZA DE JIMBO 2026【ライブレポート】
- Photo:Tetsuro Sato
パノラマ・ビューだからこそわかる
ワンマンオーケストラのすごさ
4月18日に行われたデビュー45周年記念公演まで、1年以上に渡ったアニバーサリー・イヤーを全力で駆け抜けた神保 彰。休む間もなく、七夕シーズン恒例の「神保彰ワンマンオーケストラ2026 GINZA DE JIMBO」が、東京・銀座のYamaha銀座スタジオで開催された。
本公演最大の特徴は、昨年から導入され好評を博した”パノラマ・ビュー”。ステージ中央にドラム・セットを据え、客席が360度から取り囲む特別なレイアウトで、通常の「正面から見るライヴ」とはまったく異なる景色が広がる。今回は神保を”裏側”から見た視点を軸に、この特別なワンマンオーケストラ公演をレポートしていきたい。

大きな拍手に迎えられた神保は、ドラム・セットを囲む4方向の客席へ順番に一礼。スローンに腰を下ろすと、会場の空気がすっと引き締まる。演奏は、先日閉幕したサッカーW杯でも耳にする機会の多かった「アイーダ」を含むオペラ・メドレーからスタートした。
裏側から見たワンマンオーケストラでまず驚いたのは、その切り替えの細かさ。神保が使用するパッドはYamahaのXP80で、3ゾーン構造となっており、打面と2種類のリムにそれぞれ異なる音色をアサインすることができる。正面から見たときは同じパッドを叩いているように見えていたが、実際には叩く位置を正確に使い分けながら、メロディやコードを自在に奏でていた。さらに、右手側のパッドには単音、左手側のパッドには和音がアサインされ、それぞれ明確な役割を担っていることも、裏側から見て初めて気づいたポイントだ。


観客との距離の近さも特徴で
自然に会場が1つになっていく

続いて和泉宏隆氏のトリビュート・ライヴの話題から、「宝島」をはじめとする吹奏楽メドレー、そして神保が最近ハマっているという藤井 風のメドレーを挟み、映画『Michael』を観たというエピソードからマイケル・ジャクソン・メドレーへと続く。その時々の出来事や近況を自然に次の演奏へと結びつけていくスムースなMCも実に見事。
その流れを裏側から見ていて、あらためて感じたのが、メロディやコードを奏でるパートとドラム・パートのバランスの巧みさ。パッド演奏が続く場面では、要所で手数・足数を駆使したアプローチを織り交ぜ、ドラム・プレイもしっかりと印象づける。メロディやコードを奏でながらも、ドラミングの醍醐味もしっかりと味わえる。この絶妙なバランスも、ワンマンオーケストラの魅力と言えるだろう。

二部はミュージカル・メドレーからスタート。『ライオン・キング』の「サークル・オブ・ライフ」では、神保の呼びかけに合わせて客席が手を振り、会場の一体感はさらに高まっていく。こうした観客との距離の近さも、ワンマンオーケストラの特徴。一部のラストに披露されたマンボのスタンダード・メドレーでも、「テキーラ」の掛け声が、誰からともなく「アキーラ」となるのはお馴染みの光景。神保が説明するわけでも、客席を煽るわけでもなく、ごく自然に会場が1つになっていく様子からも、このライヴが長年育まれてきたことが伝わってくる。
休むことなく叩き続ける
約20分のロング・パフォーマンス

続いて披露された昭和100年メドレーは、「真赤な太陽」、「シーサイド・バウンド」、「バン・バン」、「恋のフーガ」、「いい湯だな」など、1960年代を彩った名曲10曲をノンストップでつないだロング・バージョン。メドレーの途中には、水音のSEをバックにしたロング・ドラム・ソロも披露。
サンバ・キックとフロア・タム、スネアによるオスティナートから始まり、左足でクラーベをキープしながらセット全体を縦横無尽に駆け巡るなど、神保らしいアプローチを次々と繰り出していく。ビートを主体としたグルーヴィな展開から一転、フリーなプレイへとなだれ込むと、手足をフルに使った圧巻のソロを展開。ラストはブロークン・ダブルを駆使した、お馴染みシンバルの”土砂降り”で締め括り、その余韻のまま坂本 九の「上を向いて歩こう」へとつないでみせる。時間にして約20分。一度も休むことなく叩き続けるその集中力と体力、そして最後まで途切れることのないエネルギーは圧巻だった。
本編のラストはアース&ウィンド・ファイアーのメドレー。代表曲の「セプテンバー」では、サビでウェイブが起こるなど、会場全体が多幸感に包まれる中、終了。アンコールでは、ワンマンオーケストラの定番中の定番である映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』のテーマ曲を披露し、約2時間に渡った恒例の銀座公演は大団円を迎えた。