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    世界中のリズムを研究する名手=岩瀬立飛が、各国のリズムをモチーフとしたパターンをドラム・セットで演奏&解説した、ドラマガ2011年10月号の特集“世界のリズム”。ドラマガ Webではその一部を、演奏音源つきで地域ごとに紹介していく! 今回は、カリブ海の南東に位置するトリニダード・トバゴで生まれ、広く親しまれるようになった「カリプソ系のリズム」! カリプソやソカなど、あらゆる名匠のアプローチも通して、リズムのバリエーションを紹介していこう。

    #5 カリプソ系のリズム

    カリプソ系リズム その1カリプソ

    トリニダード・トバゴ発祥のリズム。この国はスティール・パンで有名ですね。

    知り合いのトリニダード人スティール・パン奏者が言うには、カリプソとソカはインド人が作ったらしいです。どおりでタブラの音型にも似ているし、リズムが少しハネているわけです。

    ただカリプソといっても年代を追うごとにかなり変化しています。初期は打楽器が少なめで、カウベル刻みのみということもありました。その後、2拍目ウラにタムが入るようになり(Ex-1)、その次にいわゆるレゲトンぽいスネアが入るようになりました(Ex-2)。このへんで打ち込みドラムが増え、ソカっぽくもなっていた感じです(Ex-3)。

    ▲Ex-1/0:09〜
    ▲Ex-2/0:24〜
    ▲Ex-3/0:35〜

    ▼Ex-1〜3までまとめて聴いてみよう!

    ▲“カリプソ”をドラム・セットで叩くとこうなる!

    カリプソ系リズム その2デイヴ・ウェックル風のカリプソ・パターン

    デイヴ・ウェックルが、ミシェル・カミロの「ホワイ・ノット」で叩いたパターンです(Ex-4)。左手が右手の下をくぐってスネアを叩くので、引っかからないように注意しましょう。バス・ドラムは4分打ちが基本で、あまりサンバっぽくならない方が良いです。

    ▲Ex-4/0:00〜

    カリプソ系リズム その3ピーター・アースキン風のカリプソ・パターン

    ピーター・アースキン風のカリプソ・パターン(Ex-5)で、レゲエっぽいニュアンスも入ってきます。歌うように入るタムやスネアが特徴で、これはそれぞれの音に対し、ツッコミやタメの加減があるのですが、それらを“歌う”ことで可能になります。

    ▲Ex-5/0:00〜

    カリプソ系リズム その4バディ・ウィリアムス風のカリプソ・パターン

    80年代ぐらいに流行したカリプソは、Ex-6のように遅めのテンポのことが多く、私も今の形になってやっとできるかなという具合いです。ともかく、遅めで刻みっぽいこともなく、不安定になりがちですが、良いタイム感を身につけるチャンスでもあります。

    ▲Ex-6/0:00〜

    カリプソ系リズム その5ソカ

    ソカはトリニダード・トバゴ発祥のリズムで、“ソウル・カリプソ”の略です。実際の音源などでは、ほとんど打ち込みが使われていましたが、最近は生ドラムも復活しつつあり、しかもゴスペル・チョップ満載みたいなハイパーなドラマーも現れています。恐るべし……。

    ▲Ex-7/0:00〜

    岩瀬立飛がドラム・セットで叩く“世界のリズム” – BACK NUMBER

    #1:キューバ系のリズム①

    #2:キューバ系のリズム②
    #3:キューバ系のリズム③
    #4:キューバ系のリズム④

    ◎Profile
    岩瀬立飛(Tappi Iwase):愛知県出身。14歳でドラムを始め、日野元彦、坂田 稔に師事。高校では吹奏楽部でパーカッションを担当。その後、1988年に渡米。ピーター・アースキンやデヴィッド・ガリバルディに教えを受けながら、現地でライヴ、レコーディング活動を展開。帰国後、現在に至るまで自身のバンドである。Nervioや宴での活動の他、エリック宮城バンドをはじめ、さまざまなセッションで活躍中。

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