NOTES
世界中のリズムを研究する名手=岩瀬立飛が、各国のリズムをモチーフとしたパターンをドラム・セットで演奏&解説する特集“世界のリズム”。ドラマガ Webではその一部を、演奏音源つきで地域ごとに紹介していく! 第一弾は、「キューバ系のリズム」。日本人に馴染みのあるものから、マニアックなものまで全12種類! 今回は“ボレロ”と“ソン・アフロ”を解説していこう。
#1 キューバ系のリズム①
キューバ系リズム その1 – ボレロ
ボレロはバラードです。美しく、優雅で、時に哀愁に満ち、時に力強くなければなりません(日本人の私にとってはどことなく妖艶で水っぽい昭和ムード歌謡のイメージがつきまといますが……)。
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Ex-1、2のハイハットの刻みは、まさにマラカスの代用です。マラカスをイメージして、手の動きよりも音が遅れて出るイメージで歌ってみましょう。2拍目に向けての装飾音符は若干タメるのが美しいです。バス・ドラムは“B●●B●●B●”のタイミング(3-3と呼んでいます)ですが、“B●●●B●B●”でも“1拍目のみ”でも“お休み”でもOKと思われます。
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Ex-3、4はスネアとタムをコンガの代用としています(キャバレー世代の方は得意なはず)。
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そして最終的には8ビートに近いものになっています(Ex-5、6)。ハイハットは右手のみで叩きますが、しんどい方は2拍目アタマを省略してOK。リバウンドで転がすのみです。
▼Ex-1〜6までまとめて聴いてみよう!
キューバ系リズム その1 – ソン・アフロ
これもまた昭和の一世を風靡した“ちょっとだけよ〜”の元になったリズムです(Ex-7、8、9)。本来力強く大地の響きようなリズムだったのだが……なるべく大きく拍をとることが大切です。これは中南米音楽全体に言えます。
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“1、2、3、4”と4分で細かくとってしまうと大地の感じが出ません。“1〜〜〜2〜〜〜”と2分でノッていく“イン2”の方が良く、訛りのニュアンスも出しやすく、3連符への移行も楽。何より安定したリズムを供給できます。
▼Ex-7〜9までまとめて聴いてみよう!
◎Profile
岩瀬立飛(Tappi Iwase):愛知県出身。14歳でドラムを始め、日野元彦、坂田 稔に師事。高校では吹奏楽部でパーカッションを担当。その後、1988年に渡米。ピーター・アースキンやデヴィッド・ガリバルディに教えを受けながら、現地でライヴ、レコーディング活動を展開。帰国後、現在に至るまで自身のバンドである。Nervioや宴での活動の他、エリック宮城バンドをはじめ、さまざまなセッションで活躍中。
岩瀬立飛 Twitter YouTube