NOTES

UP

Drummer’s Disc Guide – 2021 Spring

– Spring 2021 –

【A】=アルバム 【M】=ミニ・アルバム 【E】=EP 【V】=DVD、Blu-ray


【A】Dave Weckl Band『Live in St. Louis at the Chesterfield Jazz Festival 2019』

d:デイヴ・ウェックル

最初の1小節でそれとわかる独特のグルーヴ
随所に光るウェックル節の嵐にファンならずとも納得のいく1枚

デイヴ・ウェックル・バンド、2019年のライヴ盤が届いた。気心知れたメンバーでの実に伸び伸びとリラックスしたプレイが全12曲、余裕と充実の収録だ。長年の愛器=ヤマハPHXのクリアで芳醇なサウンド、最初の1小節でそれとわかる独特のグルーヴ、随所に光るウェックル節の嵐にファンならずとも(ファンならば必ず!)納得のいく1枚であろう。M4の気だるくも絶妙にバウンスしたセカンド・ライン、レイドバックしたホーンに対して紙1枚のタイムでフォワード・モーションをキープするミディアム・シャッフルのM5などには、長年の充実した音楽的経験が窺える。ピアノ独奏から始まるM6はバラードだと思いきや、後半では自由奔放なフレーズが渦潮のような勢いで迫ってくる! ダイナミクス・コントロールとは感情表現の源であることにあらためて気づかされる。そして極めつけはM8のドラム+ベースのデュオ・チューンだ! 彼のドラム・セッティングには何一つ無駄がないことがよくわかる。小口径~大口径の多数の金モノから皮モノまでが、まるでシームレスに呼吸する生き物のように聴き手に語りかけ迫ってくるのだ。その後アルバム・ラストまで一気に聴かせる。必聴です!!(則竹裕之)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】デイヴ・ウェックル(d)、トム・ケネディ(b)、バジー・フェイトン(g)、ジェイ・オリバー(key)、ゲイリー・ミーク(sax)

輸入盤 発売日:2021.04.09

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【A】スティーヴ・ガッド・バンド『アット・ブルーノート・トーキョー』

d:スティーヴ・ガッド

アドリブという会話を楽しんでいるような
全体的にとてもリラックスした雰囲気が感じられる演奏

説明不要のリビング・レジェンド率いる凄腕ミュージシャン達のライヴ音源ということで、非常にレベルの高いアンサンブルが聴けるのはもちろんのこと、アドリブという会話を楽しんでいるような、全体的にとてもリラックスした雰囲気が感じられる演奏。これまでのガッドのリーダー・バンドと言えば、スタッフやガッド・ギャングなどでの眼光鋭いキレキレのドラム・プレイを思い浮かべるが、スティーヴ・ガッド・バンドでは結成当初から一貫してマイルドでメロディアス。それでいてM4のブラシやM6のお決まりフレーズ・ソロ、M8のストンと落とすタムだけでやっぱりガッドだなぁと古参ファンをニヤリとさせる要素も。ライヴ音源ということで音源自体は余裕を持ったマスタリング。決してドラムが前に出過ぎないミックスも相まり、往年のレコードを聴いているような気持ちにさせる。BlueNoteへ演奏を聴きに行きたくなる1枚。(江島啓一/サカナクション)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】スティーヴ・ガッド(d)、ジミー・ジョンソン(b)、デヴィッド・スピノザ(g)、ケヴィン・ヘイズ(key)

発売元:ビクター 品番:VICJ-61787 本体価格:¥2,500 発売日:2021.04.02

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【A】ジョン・パティトゥッチ、ヴィニー・カリウタ&ビル・カンリフ『トリオ』

d:ヴィニー・カリウタ

自然にテクニックを取り入れ、音楽的に仕上げてしまう
そこが第一線で活躍し続けることができる所以だと思う

ヴィニーと言えば奇数割りやメトリック・モジュレーションの達人ですが、ジャズ・トリオでも“やってる感”なく自然に自分のテクニックを取り入れてしまい、それを音楽的に仕上げてしまうところが、ただのテクニカル・ドラマーではなく、いつの時代も第一線で活躍し続けることができる所以だと思います。M1からいきなりブラシで始まる軽快な4ビートですが、このドライヴ感はさすが。4曲目までは“ザ! ピアノ・トリオ!”という感じで心地良く聴いていましたが(M4の最後に登場する控えめなバッキング上でのドラム・ソロはさすがの一言です)、M5は今までの空気感から目を覚まされるスリリングな曲で、テーマ中に5つ割りのリフがあったりロング・ドラム・ソロがあったりとヴィニー節炸裂な1曲です。国内外でめちゃくちゃうまい新世代ドラマーが登場している中、あらためてレジェンドのすごさを感じさせられました。(影丸/-真天地開闢集団-ジグザグ)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】ヴィニー・カリウタ(d)、ジョン・パティトゥッチ(b)、ビル・カンリフ(p)

輸入盤 本体価格:¥2,590 発売日:2021.02.28

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【A】Jost Nickel『The Check In』

d:ヨスト・ニッケル

ドラミングは直感的というより音楽的
まるでドイツの街並みのようにデザイン・構築されている

日本ではあまり知られていませんが、自国ドイツではとても有名なドラマーです。マンハイムのポップ・アカデミーの講師だったり、ソナーからシグネチャーのスネアが出ていたり、教則本を出版されていたり、アニカ・ニルス姉さんにドラムを教えていたり、とても国際的に活躍されています。このアルバム全体の作風は、フュージョン、ファンク、クロス・オーヴァーをベースに、ジャズの遊び心のある複雑さやメロディアスな表現を特定のキャッチーさの中で表現されています。ドラミングとしては、直感的というよりすべてウラ打ちがあって非常に音楽的に捉え、まるでドイツの建物や街並みのようにデザインや構築がされていて巧妙に繊細に表現されてるなーと感じました。それはM2のドラム・ソロ(5:10〜エンディングにかけての流れ)からもうかがえますね。しかも、ここ以外では、技も技量もあるのにひけらかさない。カッコいいです! とっても良い意味で教科書みたいなドラミングだなーと思いました。すごくタイトで良い音してて、今のソナーの音を知るにはとても良いと思います。みなさんもよかったらぜひ聴いてみてください。(柏倉隆史/toe、the HIATUS)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】ヨスト・ニッケル(d)、アリ・ブッセ/クラウス・フィッシャー/マーク・スミス/ジミー・ハスリップ(b) 、ヨルグ・サンダー/ハンノ・ブッシュ/ダーク・ベルガー/バリー・フィナティ(g)、ジモン・オスレンダー/ジェフ・ローバー(key)、フィリップ・カクザ (tp) 、ジョニー・ジョンソン(tb)、他

発売元:キング 品番:D-77093 発売日:2021年4月中旬

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【A】T-SQUARE『FLY! FLY! FLY!』

d:坂東 慧

未来に向けてどんな音を届けてくれるのか
明るい世界に“FLY!!”していくサウンド達が満載

通算48枚目となるこのアルバムは、安藤(g)氏の脱退前最後となる作品。M1は、ダークな雰囲気から始まる8ビート・ナンバー。今作のタイトル曲でもあるM2は、 ホンキートンクで楽しげなサウンド。大地、空、草原を回想して止まない安藤氏の曲であるM3では、T-SQUAREのあのサウンドが頭を駆け巡る。しっとりとスタートするメロウなナンバーのM4は、坂東(d)氏による作曲。河野氏が手がけたM5は、とてもホッとするサウンドが心地良い。M6は、王道POPを感じる。何やらパワフルな、ドスの効いたタムから始まるM7では、安藤節が炸裂!! そして3連シャッフルがシブいM8と続いて、ラストを飾るのはミディアムな8ビートに乗せたM9。これからのT-SQUAREが未来に向けてどんな音を届けてくれるのか、明るい世界に“FLY!!”していくサウンド達が満載の内容になっている。(熊谷徳明/TRIX)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】坂東 慧(d)、田中晋吾/森光奏太/Taiki Tsuyama(b)、安藤正容(g)、伊東たけし(sax、EWI)、白井アキト(key)、

発売元:T-SQUARE Music Entertainment Inc. 品番:OLCH10022-23  発売日:2021.04.21

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【A】Pino Palladino, Blake Mills『Notes With Attachments』

d:クリス・デイヴ

技術をひけらかすという言葉など存在し得ない
濃密なグルーヴがぎっしりと詰まった地球の音

最強ベーシスト、ピノ・パラディーノと最重要ギタリスト、ブレイク・ミルズとの共作アルバム。これは、2021年の奇跡だ。そしてドラマー、クリス・デイヴとこの2人が集まったのは、おそらく2016年ジョン・レジェンド『ダークネス・アンド・ライト』以来だろう。夢のメンバーが再び集まり、いざ“彼らの音楽”を奏でている。それは理解という言葉を超え、感覚的、芸術的、技術をひけらかすという言葉など存在し得ない濃密なグルーヴがぎっしりと詰まった地球の音。他のメンバーも1人1人ガチで紹介をしたいのだが、それぞれの個々の音楽と活動を調べ、聴くべし! 世界のトップ・ミュージシャンはまさに、他ならぬ音楽家だと言うことがよくわかるかと思います。(神谷洵平/赤い靴)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】クリス・デイヴ(d、per、clavinet、org)、ベン・アイロン(per)、マット・チェンバレン(timbales)、ピノ・パラディーノ(b、syn、per)、ブレイク・ミルズ(g、b、per、syn、berinbau、sitar、brushes、calabash、ngoni、marimba、vo)、テッド・プアー(p)、ラリー・ゴールディングス(syn、org、sax、fl、celeste)、サム・ゲンデル/ジャック・スワルツ・バルト(sax)、マーカス・ストリックランド(cl、sax)、ロブ・ムース(vln、viola)、アンドリュー・バード(vln)、他

発売元:Caroline International(輸入盤) 本体価格:¥2,811 発売日:2021.03.12

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【E】リンゴ・スター「Zoom In」

d:リンゴ・スター/ブレア・シンタ

特筆すべきはリンゴの叩くレゲエ
まさかのワン・ドロップを演奏しています

パンデミックによって混迷するこの世界に、希望の光が差し込むようにとの願いを込めて、リンゴ・スターがEP作品をリリースします。多くのソングライターやプロデューサー、エンジニア達と共同で曲を作り、トラックを作り、スティーヴ・ルカサー、ネイザン・イーストらがリンゴのホーム・スタジオに少しずつ招かれ、音を重ねて作り上げたそうです。もちろんドラムとメイン・ヴォーカルはリンゴ自身。アルバムの中から先行公開された「Here’s to the Nights」には、ポール・マッカートニー、ジョー・ウォルシュ、レニー・クラヴィッツ、シェリル・クロウ、デイヴ・グロールなどなど、驚くような多くのゲストがヴォーカルで参加しているとか。ロックダウンの中、感染対策に細心の注意を払い、多くのエネルギーを使っての録音だったようですが、サウンドはリンゴの世界らしく明るく突き抜けていて、心が和みます。特筆すべきはリンゴの叩くレゲエ。まさかのワン・ドロップを演奏していますよ。ビートルズ時代を彷彿とさせるタンバリンと8ビートの溶け合い方もさすがですね。(芳垣安洋/Orquesta Libre、On The Moutain、他)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】リンゴ・スター(d、per、vo)、ブレア・シンタ(d)、ハル・ローゼンフェルド(per)、カーヴェー・ラステガー/ネイザン・イースト(b)、ジェフ・シルバー(b、g)、スティーヴ・ルカサー(g、vo、cho)、ベンモント・テンチ(p、org)、ポール・マッカートニー/ジョー・ウォルシュ/デイヴ・グロール(vo)、他

発売元:ユニバーサル 品番:UICY-15973 本体価格:¥2,100 発売日:2021.03.19

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【A】タワー・オブ・パワー『50イヤーズ・オブ・ファンク・アンド・ソウル・ ライヴ・アット・ザ・フォックス・シアター』

d:デヴィッド・ガリバルディ

伝説のリズム・セクション最後の録音
タイトなスネア・サウンドはガリバルディの真骨頂

バンド結成50周年!を記念して地元カリフォルニア州オークランドのフォックス・シアターで行われたライヴをコンプリート収録した作品。ロッコとガリバルディの伝説のリズム・セクションの最後の録音となりました(ロッコさんは昨年9月にご逝去されました。合掌)。新作からお馴染みのナンバーまで、バランス良く選曲されたセット・リスト、この唯一無二の素晴らしきバンドの半世紀の歴史を振り返る絶好のアイテムです。学生時代にアナログ盤を擦り切れるほど聴いたあの曲、この曲、時が過ぎても色褪せることはありません。ビシっとソリッドな演奏も変わらず。オリジナル・メンバーの客演が華を添え、エンターテインメントと音楽性が高レベルで融合しています。タイトなスネア・サウンドはデヴィッド・ガリバルディの真骨頂。ドラムのパターンが楽曲の核となっているのもこの人ならでは。僕の永遠のアイドルの1人。いつまでもお元気で、この強烈なファンク・ビートを聴かせていただきたいと思います。(神保 彰)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】デヴィッド・ガリバルディ(d)、フランシス“ロッコ”プレスティア/マーク・ヴァン・ヴァーヘニンゲン(b)、ジェリー・コルテス(g、cho)、ロジャー・スミス(key、cho)、トム・ポリッツァー(sax、cho)、スティーヴン“ドック” クプカ(sax)、アドルフォ・アコスタ(tp、horn、cho)、サル・クラキオーロ(tp、cho)、エミリオ・カスティーヨ (sax、vo、cho)、マーカス・スコット(vo)、他

発売元:キング 品番:KKP-1051 本体価格:¥4,545 発売日:2021.03.20

◎Special Interview
本誌2005年5月号掲載、ガリバルディ×ロッコによる貴重な対談を抜粋して公開中!
Archive Interview – デヴィッド・ガリバルディ×フランシス“ロッコ”プレスティア [タワー・オブ・パワー]

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【A】フー・ファイターズ『メディスン・アット・ミッドナイト』

d:テイラー・ホーキンス

ヘヴィでキレのあるドラミングにパーカッションも絡み
軽快でダンサブルなグルーヴが生まれています

2020年に本当は発売する予定だったというフー・ファイターズのニュー・アルバムは、前作同様ザ・バード&ザ・ビーのグレッグ・カースティンとタッグを組んで制作され、前作のシリアスなトーンから一変して、ポップで非常にスカッとした風通しの良い作品になっている。結成25年とこれだけキャリアが長いにも関わらず、バンドとしてさまざまなことにトライしていく姿勢にはいつも感動させられますね。根幹のメロディの良さは変わらずで、その中でも今作は聴いた人の気持ちを上向きに、そっと背中を押してくれるような作品になっているなと感じました。テイラー・ホーキンスのヘヴィでキレのあるドラミングも相変わらずなんですが、今作はそこにパーカッションとの絡みもあって軽快でダンサブルなグルーヴが生まれています! そしてそのパーカッションには、ウェザー・リポートでドラマーを務めていたオマー・ハキムがクレジットされているので、そこに注目して聴いてみるのも面白いかもしれません!(吉木諒祐/THE NOVEMBERS)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】テイラー・ホーキンス(d)、オマー・ハキム(per) 、ネイト・メンデル(b)、クリス・シフレット/パット・スメア(g)、ラミ・ジャフィー(key)、デイヴ・グロール(vo、g)、イナラ・ジョージ/バーバラ・グルスカ/サマンサ・シドリー/ローラ・メイス/ヴァイオレット・グロール(cho)

発売元:ソニー 品番:SICP-6329 本体価格:¥2,400 発売日:2021.02.05

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【A】リキッド・テンション・エクスペリメント『リキッド・テンション・エクスペリメント3』

d:マイク・ポートノイ

曲が終わるまで息もできずに
聴き入ってしまう緻密な楽曲構成と正確無比なプレイ

ドリーム・シアターの主要メンバー達によるサイド・プロジェクトLTE(リキッド・テンション・エクスペリメント)が22年ぶりに再始動!ってもうそんなに経つのか……。後世のテクニカル・バンドに影響を与えまくり、同じようなバンドが増えまくっても、最高峰は彼らだと証明してくれる良い意味で“相変わらず”なアルバムを作ってくれました。蘇る10代の頃に初めて彼らを聴いたときの衝撃……! 「同じようなものを」と注文されるのが一番難しいものですが、みんなの期待を見事に踏まえた、10分以上であっても、曲が終わるまで息もできずに聴き入ってしまう緻密な楽曲構成と正確無比なプレイ。昔憧れたままの1枚のアルバムとしての芸術性の高さ。なおかつ2021年のサウンドとしての鮮やかさも! ギターのペトルーシさんが言うには「手加減のない内容」とのこと。天才達の全力を1曲目の開始1秒から聴けるすさまじいアルバムです。聴くと練習したくなります(笑)!(SATOKO)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】マイク・ポートノイ(d)、トニー・レヴィン(b&stick)、ジョン・ペトルーシ(g)、ジョーダン・ルーデス(key)

発売元:ソニー 品番:SICP-31424 本体価格:¥3,200 発売日:2021.04.14

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【A】millennium parade『THE MILLENNIUM PARADE』

d:石若 駿/勢喜 遊

遊と駿のドラムがシームレスに
トラックの中に混じるミックスも素晴らしい

このアルバムを聴いて率直に“うれしい”という気持ちが芽生えました。もちろん参加しているミュージシャン達に仲間が多いのもあるけれど、そういう素晴らしい芸術家/クリエーター達が一緒に手を組んで、大きな台風みたいな新しいシーンを作ってる。King Gnuもそうですが、日本の音楽シーンに革命を起こしているのは間違いないでしょう。1曲目に日本人にも馴染みがあるInterludeから始まり、さっとシーンが代わり駿のドライでDopeなビートから幕を開ける。そこから最後まであっという間に聴けちゃうアルバムです。全体を通してアレンジ、サウンド・クオリティ、コード進行、コーラスのエフェクトの使い方、そして遊と駿のドラムがシームレスに、丁寧に作り込まれたトラックの中に混じるミックスも素晴らしい。最後の「FAMILIA 」はまるで映画のエンディングのよう。最終的に感じたのは、今の時代、行動したくてもすべてができないときに孤独を感じる自分と一致して、共感ができたというか、不思議な気持ちになりました。(FUYU/RED DIAMOND DOGS)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】石若 駿(d、synth bass)、勢喜 遊(d)、常田大希(vo、etc.)、新井和輝(b)、MELRAW(g、sax)、江﨑文武(p、syn、org、etc.)、宮川 純(org)、常田俊太郎(vln、etc.)、村岡苑子(cello)、真砂陽地(tp)、井口 理/HIMI/ermhoi(vo)、中野裕太(rap)、Emma(cho)、宮川愛李(voice)、他

発売元:ソニー 品番:BVCL-1136 本体価格:¥3,000 発売日:2021.02.10

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【A】東京スカパラダイスオーケストラ『SKA=ALMIGHTY』

d:茂木欣一

優しく背中を押してくれるドライヴ感のあるドラミング
どんなときも明るく照らして寄り添うパワーのある心強い1枚

東京スカパラダイスオーケストラのみなさん、アルバム・リリースおめでとうございます! 結成30周年を記念した前作のアルバムから1年4ヵ月ぶりのニュー・アルバム『SKA=ALMIGHTY 』。待望のアルバムにこうしてコメントさせていただけること、とてもうれしいです! このタイトルには、混沌と混乱が続く今の世の中を打ち破りたいという熱い魂が込められているとのこと。ワクワクしながら楽曲を聴き始めると、一曲一曲、一音一打から圧倒的にポジティヴなエネルギーが溢れながらも、温かく包みこんで寄り添ってくれる、そんな感覚。そして茂木さんの優しく背中を押してくれるドライヴ感のあるドラミング。今作は全14曲のうち4曲がゲスト・ヴォーカルを迎えていて、それぞれの持つカラーと、スカパラの持つカラーが混じり合って、面白く新しい化学反応が大爆発! これぞ“SKA=ALMIGHTY”! 今の世の中の混沌混乱だけでなく、どんなときも明るく照らして寄り添ってくれるパワーのある心強い1枚です。(ユナ/CHAI)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】茂木欣一( d 、v o )、大森はじめ(per)、川上つよし(b)、加藤隆志(g)、沖 祐市(key)、GAMO(t-sax)、谷中 敦(b-sax)、
NARGO(tp)、北原雅彦(tb)、川上洋平/アイナ・ジ・エンド/長谷川白紙(vo)、他

発売元:エイベックス 品番:CTCR-96020 本体価格:¥3,000 発売日:2021.03.03

◎Special
【2021年4月号×Web連動】個性豊かなアーティスト達とコラボした本作の楽曲を茂木が語る!
Interview – 茂木欣一[東京スカパラダイスオーケストラ]

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【A】R+R=NOW『ライヴ』

d:ジャスティン・タイソン

デリックとジャスティンのリズムとタイムがあるから
“どういう方向に向かっても大丈夫”という信頼関係を感じる

R+R=NOWにはいろんなジャンルの要素がありますが、やはりJAZZを1番感じます。アンサンブルにおいて核となっているのはデリック・ホッジとジャスティン・タイソンであり、2人のリズムとタイムがあるから“どういう方向に向かっても大丈夫”というメンバー間の信頼関係を感じます。どの曲を聴いても本当に何も決めず自由にやってるのが伝わってくるし、それがゆえにソロ抜けで、ちょっとグダってしまうのも個人的には好きです(笑)。ライヴの一番最後のドラム・ソロは、ジャスティン・タイソンにしてはいつもよりおとなしめですが、歌い方が本当にクールなのでぜひ注目してください。終始自由で緊張感のあるライヴ盤です。ワクワクしながら聴いてみてください。(松浦千昇)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】ジャスティン・タイソン(d)、デリック・ホッジ(b)、ロバート・グラスパー(p、key)、テラス・マーティン(syn、vo、sax)、テイラー・マクファーリン(syn)、クリスチャン・スコット(tp)、他

発売元:ユニバーサル 品番:UCCQ-1132 本体価格:¥2,600 発売日:2021.02.26

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【A】コモン『美しき革命-Pt.1』

d:カリーム・リギンス

100%本物志向で音楽的なクオリティを本気で表現している
カリーム&バーニスのコンビネーションはまさに現在最強&最高峰

自分の個人的なドリーム・チーム=カリーム・リギンス+バーニス・トラヴィス+コモン……“AUGUST GREEN“、“Black America Again“からの三部作的な新作! パンデミック中に先行して公開されていた、MV3曲がカッコ良すぎて何度も繰り返し観たが、彼らの経験/知識/技術/テイストから服装に至るまで、とりあえずこの3人に関してはそれぞれ何してるかを常に追いかけていないと……。流行り廃りなどに目もくれず本当の意味で、100%本物志向で音楽的なクオリティを本気で表現している絶対的なチーム。完璧すぎるカリーム&バーニスのコンビネーションはまさに現在最強&最高峰。はたして彼らのライヴを目の当たりにできる日は来るんだろうか。(沼澤 尚/シアターブルック、ブルーズ・ザ・ブッチャー、他)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】カリーム・リギンス(d)、コモン(vo)、バーニス・トラヴィス(b)、アイザイア・シャーキー(g)、ロバート・グラスパー(p、key)、DJダミー(dj )、PJ/チャックD/ブラック・ソート(vo)、レニー・クラヴィッツ(syn、vo)、スティーヴィー・ワンダー(harp)、他

発売元:ユニバーサル 品番:UCCO-7039 本体価格:¥2,500 発売日:2021.02.05

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【A】Cameron Graves『Seven』

d:マイク・ミッチェル

1発1発にエネルギーが凝縮され、躍動しまくり
“溢れ出る”という言葉がぴったりな手数&足数の応酬

鬼才鍵盤奏者、キャメロン・グレイヴスの2ndアルバム。資料に“クロスオーヴァー・メタル・ジャズ”と記されているが、本作を的確に表現しているようにも思う。パンデミック直前、昨年2月に来日公演を行ったメンバーによる演奏で、気心知れた同志だからこその、遠慮のない怒涛のアンサンブルを展開。変拍子を含む超難解なアレンジを緻密かつアグレッシヴに成立させてしまう演奏スキルの高さに驚かされる。そのエンジンとなっているのがマイク・ミッチェル。“溢れ出る”という言葉がぴったりな手数&足数の応酬で、確かに音数は多いが惰性は一切なし。1発1発にエネルギーが凝縮され、躍動しまくり。キットを縦横無尽に駆け巡るチョップスやオッド・グルーヴなどモダンなアプローチも満載です!(北野 賢/リズム&ドラム・マガジン編集長)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】マイク・ミッチェル(d)、キャメロン・グレイヴス(p、vo)、マックス・ゲール(b)、コリン・クック(g)、カマシ・ワシントン(sax)

輸入盤 本体価格:¥1,528(iTunes) 発売日:2021.02.19

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【A】細野晴臣『あめりか/Hosono Haruomi Live in US 2019』

d:伊藤大地

一聴しただけでわかる音色とグルーヴ
楽しんで叩く姿が容易に目に浮かびます

細野さんのソロ・キャリア初のライヴ・アルバムという事実だけで、日本の音楽ファンにとってこんなに喜ばしいことはない。アメリカのオーディエンスの熱い歓声、そして個人的にはHOCHONO HOUSEアレンジの楽曲をバンド編成で聴ける喜び! これぞ“ライヴ盤”の醍醐味ですね。高校生の頃から細野さんのアルバムをコピーしていたという大地さん。ソロの歴史の中でも活動期間の長い、“現在の細野バンド”の一員としてビシッとアンサンブルを支え、立体的で有機的なワクワクの止まらない極上のサウンドを聴かせてくれます。それでいて一聴しただけでわかる大地さんの音色とグルーヴ。楽しんで叩く彼の姿が容易に目に浮かびます!(伊吹文裕)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】伊藤大地(d、cho)、細野晴臣/マック・デマルコ(vo、g)、伊賀 航(b、cho)、高田 漣(g、mandolin、steel guitar、cho)、野村卓史(key、accordion、cho)

発売元:ビクター 品番:VICL-65475 本体価格:¥2,800 発売日:2021.02.10

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【A】トランスアトランティック『ジ・アブソルート・ユニヴァース~生命の息吹』

d:マイク・ポートノイ

昔ももちろんのこと、さらに洗練された
“伝える”というドラムをこの1枚からとても感じる

まるで映画を見ているような音楽だ。アルバム1枚を通じて映画のように起承転結されている曲達は、音楽理論上完成された音を羅列しているのはきっと間違いない。だが僕が音楽を聴くとき重要視するのが“この人は(バンドは)音楽で何を伝えようとしているのかな?”というところである。1音1音に表情がくっきりとしている音、笑顔にもなれば悲しみに溢れ、切なさも抱き感動と興奮に包まれる。マイク・ポートノイの1ファンとして昔ももちろんのこと、さらに洗練された“伝える”というドラムをこの1枚からとても感じる。プログレッシヴ・ロック好きならば必ず聴くべき1枚です。興味のない方ももし音楽で感動したいなら聴いてみてください。(SORA/DEZERT)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】マイク・ポートノイ(d、vo)、ピート・トレワヴァス(b、vo)、ロイネ・ストルト(g、vo)、ニール・モース(key、g、vo)

発売元:ソニー 品番:SICP-31418 本体価格:¥2,500 発売日:2021.02.24

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【A】THE YELLOW MONKEY『Live Loud』

d:菊地英二

本物のライヴ・バンドがその醍醐味と真価を発揮
一貫して太いロックを鳴らし続けた彼らの力強い演奏

結成30周年を記念する初のドーム・ツアーから、19年12月名古屋、20年2月大阪、コロナ禍で中止となった同年4月の代替開催である11月の東京ドーム公演を収録。東京ドームでは、入場者数を制限した有観客&ライヴ・ストリーミング、事前に募集したファンの歌声を会場に響かせる企画の実施など、工夫が練られた。「バラ色の日々」、「JAM」でそれが聴ける。期せずして、コロナ禍前と渦中のライヴの有様を記録する形になったが、勇気づけられるのは、状況にもブレず一貫して太いロックを鳴らし続けた彼らの力強い演奏だ。30年という曲折の時間と、稀有な2020年という年がぶつかりスパークし、本物のライヴ・バンドがその醍醐味と真価を発揮する。(岸田 智)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】菊地英二(d)、廣瀬洋一(b)、菊地英昭(g)、吉井和哉(vo、g)、他

発売元:ワーナー 品番:WPCL-13271 本体価格:¥2,800 発売日:2020.02.03

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【E】ブリング・ミー・ザ・ホライズン「ポスト・ヒューマン:サバイバル・ホラー」

d:マット・ニコルス

初期を思わせる過激なサウンド&スクリームが見事に融合
ドラミングも技巧的な側面が再びフィーチャーされている

UK出身のモンスター・ロック・バンドが放つ待望の新EP。今作はゲーム作品に着想を得たコンセプトを発端としながらコロナ禍において制作され、不安定な政治情勢や社会の分断などもテーマに盛り込むに至った意欲作だ。そのシリアスな内容ゆえか、前作の大胆なエレクトロニカ導入路線は踏襲しつつも、初期を思わせる過激なサウンド&スクリームが見事に融合。呼応するようにしてマットのドラミングも技巧的な側面が再びフィーチャーされているのは特筆ポイントだろう。特にスラッシーなリフで攻めまくるM1や、BABYMETALとコラボした(!)M6などで聴かれるアグレッシヴなツーバス・フレーズは痛快! 国内盤には来日時のライヴ音源が収録されているのもうれしい。(岡安鋼樹)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】マット・ニコルス(d)、マット・キーン(b)、リー・マリア(g)、ジョーダン・フィッシュ(key)、オリヴァー・サイクス/ヤングブラッド/エイミー・リー(vo)、他

発売元:ソニー 品番:SICP-6367 本体価格:¥2,200 発売日:2021.01.27

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【E】MAN WITH A MISSION「ONE WISH e.p.」

d:Spear Rib

時に荒々しく、時にスピード感を伴って
打ち鳴らされるドラミングは大迫力で、聴き応え十分

MAN WITH A MISSIONの最新音源は昨年10 月から3ヵ月連続でデジタル・リリースした3曲をまとめたEP。手数を繰り出して軽快にドライヴする「Telescope」、メリハリあるタイトなドラミングで躍動感を生み出す「All You Need」、打ち込みと同居しながら疾走する「evergreen」と、Spear Ribの“三曲三様”なドラミングが楽しめる。表題曲の「ONE WISH」は新録曲。冒頭のドラムのロールに始まり、こちらも軽快なドラミングがスケールの大きな楽曲を彩っている。さらに、昨年7月に行われた渋谷eggmanでの配信ライヴから8曲を収録。時に荒々しく、時にスピード感を伴って打ち鳴らされるドラミングは大迫力で、聴き応え十分。(竹内伸一)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】Spear Rib(d)、Kamikaze Boy(b、cho)、Jean-Ken Johnny(g、vo、rap)、DJ Santamonica(dj)、Tokyo Tanaka(vo)

発売元:ソニー 品番:SRCL-11664 本体価格:¥1,900 発売日:2021.02.10

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【A】HHMM『Live At The NOISE』

d:松下マサナオ

テクニックは技術を見せるためのものではなく
己を表現するためのものであることがビシビシ伝わってくる

日向秀和と松下マサナオ、それぞれが超絶テクニックを持っている2人なんだけど、HHMMのフリー・セッションを聴くと、テクニックは技術を見せるためのものではなく、己を表現するためのものであることが演奏からビシビシ伝わってくる! この『Live At The NOISE 』を聴くと、HHMMが操縦する町田ノイズという宇宙船に乗って、素晴らしい宇宙旅行に連れてってもらってる感覚になるね! ……飲酒操縦だから無事帰還できるかわかんないけど(笑)。それにしても、かなりの泥酔状態でこの演奏やってんのはマジですごすぎだろ(笑)! 2人とも、うめーしカッコ良すぎ! 間違いなく音楽界最強の酔拳(酔演)マスター・タッグはHHMMに決定だな!(吉田佳史/TRICERATOPS)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】松下マサナオ(d)、日向秀和(b)

発売元:FRIENDSHIP.(配信限定) 本体価格:¥2,037(iTunes) 発売日:2021.02.10

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【A】ヒトリエ『REAMP』

d:ゆーまお

場面ごとのアプローチを緻密に練り上げつつ
表情豊かに構築されていくドラミングも聴きどころ満載

中心人物を突然失ってしまったバンドが新たなる一歩を踏み出すアルバム。エッジの効いた攻撃的なサウンド、優しく温かい響き、さらには実験的なテイストまで幅広いスタイルの全10曲が並ぶ。正直、残された3人だけでヴォーカル・トラックも含めて、これだけのクオリティを創り出せるというのは衝撃的でもあり、“ヒトリエ”というバンドが才能豊かなメンバーの集まりであったことを再確認できるだろう。場面ごとのアプローチを緻密に練り上げつつ、表情豊かに構築されていく“ゆーまお”のドラミングも聴きどころ満載。過去の楽曲はもちろん、ここから先にもwowakaのいる場所は残しつつ、ヒトリエの歴史が続いていくことを期待できる作品だ。(山本雄一/RCCドラムスクール)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】ゆーまお(d)、イガラシ(b)、シノダ(vo、g)

発売元:ソニー 品番:AICL-4012 本体価格:¥2,600 発売日:2021.02.17

◎Special
新体制でリリースした本作のプレイに迫るインタビューを公開中!
Interview – ゆーまお[ヒトリエ]

ゆーまおがVOX Telstar Maple Kitを試奏!
Product Report – 復刻×革新のアイコニック・キットを試奏! VOX Telstar Maple Kit feat. ゆーまお[ヒトリエ]

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【A】DISH//『X』

d:泉 大智/玉田豊夢/鈴木浩之/坂本暁良

ダンサブルな曲ではシャープな音色&グルーヴで一体感を生み出し
聴かせる曲では重心の低いビートや抑揚の効いたフレージングで展開を彩る

昨年はレコード大賞の優秀作品賞を受賞するなどの大躍進を遂げたDISH//。1年10ヵ月ぶりの4thアルバムは、メンバー全員で練り上げたオリジナル3曲に加え、あいみょんが作詞作曲を手がけた大ヒット曲「猫 ~THE FIRST TAKE ver.~ 」をはじめとする、6組の豪華アーティストからの提供曲を収録したバラエティ豊かな内容。ドラムの泉 大智は、ダンサブルな曲ではシャープな音色&グルーヴでバンドの一体感を生み出し、どっしり聴かせる曲では重心の低いビートや抑揚の効いたフレージングで展開を彩るプレイが光ります。名うてのゲスト・ドラマー達による、それぞれの個性を存分に盛り込みつつ曲を際立たせるテイクも聴き応えありで、ドラム視点でも刺激の多い一枚です。(長野祐亮)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】泉 大智(d、per)、玉田豊夢/鈴木浩之/坂本暁良(d)、矢部昌暉(g)、橘 柊生(dj 、p、key) 、北村匠海(vo、g)、他

発売元:ソニー 品番:SRCL-11708 本体価格:¥3,000 発売日:2021.02.24

◎Magazine
ドラマガ本誌21年4月号にはインタビューを掲載!
ご購入はこちら→リズム&ドラム・マガジン2021年4月号

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【A】BAND-MAID『Unseen World』

d:AKANE

渾身の2ビートがマシンガンのごとく炸裂
存在感を増したサウンド&パワフルなプレイでバンドを鼓舞

可憐なメイド姿でゴリゴリのハード・ロックをプレイし、国境を越えてファンを獲得している5人組バンドの、レーベル移籍後初となるニュー・アルバム。音数を絞った引きのアプローチで勝負した前作を経て、原点回帰を思わせる“攻め”のナンバーが揃い踏みの今作では、重厚なサウンドを織りなすメンバーのテクニックにもより磨きがかかった印象。中でも著しい進化を感じるのがAKANEのドラミングで、渾身の2ビートがマシンガンのごとく炸裂する「BLACK HOLE」などでも、目に見えて存在感を増したドラム・サウンド&パワフルなプレイでバンドを鼓舞している。激しさと聴きやすさを両立したメロディアスな楽曲と、エネルギッシュな演奏を楽しめる快作。(高橋里沙/リズム&ドラム・マガジン編集部)

◎Disc Information
【参加ミュージシャン】AKANE(d)、MISA(b)、KANAMI(g)、小鳩ミク(g、vo)、SAIKI(vo)

発売元:ポニーキャニオン 品番:PCCA-04993 本体価格:¥3,000 発売日:2021.01.27

◎Interview
本作でAKANEが遂げた進化に迫るインタビューを公開中!
Interview – AKANE[BAND-MAID]

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