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“煩悩の数”だけリズム・パターン108

  • Text & Score:Michiaki Suganuma

Rock編
王道からラウド系~
最新フレーズまで30パターン

Rock編は他ジャンルでも使える8ビート、16ビートといった基本的なビートの応用から、ラウド系、エクストリーム系、ポストロックで使われるフレーズなど、幅広く使える30発!


Rock 01 ファスト・テンポに対応したラウド系必須フレーズ

推奨テンポ ♩=150(300)
▲0:00~0:09 Rock 01

ラウド・ロックなどでは必須フレーズとも言える高速ビートに対応した8ビート・パターン。連打の部分を極力取り除いた形で、ダブル・タイム(倍テンポ)でも叩けるようにしたものだが、高速ともなればやはりプレイは難しくなる。バス・ドラムのウラ打ちをいかにスポットに入れるかがカギ。


Rock 02 バス・ドラム・ウラ打ちだけの8ビート

推奨テンポ ♩=140
▲0:10~0:16 Rock 02

パターンの始まり(ダウン・ビート)はバス・ドラムを踏むもの、という常識に反するようなバス・ドラム・ウラ打ちパターン。ウラ打ちとは言え一定に進行するので、意外と特有のノリの良さを持ったアプローチである。パターンを始めるときのアタマはバス・ドラムを踏んだ方が入りやすいかもしれない。


Rock 03 バス・ドラム連打を増やしたヘヴィなパターン

推奨テンポ ♩=150
▲0:17~0:23 Rock 03

スネアのバック・ビート以外の部分のバス・ドラムの連打を増やした8ビートのパターン。バック・ビートをドライヴさせる駆動力が増した感じでハード・ロック、パンクなどロック全般で重宝するアプローチである。1小節目のパターンを繰り返せば、よりシンプルでヘヴィなパターンとして使える。


Rock 04 バス・ドラムを抜いた空間的な8ビート

推奨テンポ ♩=160
▲0:24~0:31 Rock 04

2、3拍目のバス・ドラムを完全に抜いてしまったパターンで、ここでは速めのテンポで効果を発揮するスチュワート・コープランドのスタイルによるハイハットがポイント。テンポを選ばないパターンなので、遅いテンポではハイハットを一定に刻んで使うと良いだろう。音を抜くこともパターン作りの秘訣。


Rock 05 バス・ドラム4分打ちビート(1)

推奨テンポ ♩=120
▲0:00~0:07 Rock 05

バス・ドラムの4分打ちパターンは言わば8ビートの基本。しかしそのままでは芸がないということで、ハイハット・オープンで味つけを施したアプローチを。これでパターンの意味合いが大きく変化する。さらにハイハット・オ ープンにスネアを合わせれば、よりパターンを個性的にすることも可能。


Rock 06 バス・ドラム4分打ちビート(2)

推奨テンポ ♩=180
▲0:08~0:16 Rock 06

このパターンは形だけ見るとテクノやユーロビート系の“タテノリ”ビートだが、昨今の速いロック系で非常に使われているアプローチ。ポイントはズバリその速さで、ダンス・ミュ ージックとは違った意味合いの使い方と言える。括弧の中の譜面のようにゴースト・ノートを伴う場合も多い。


Rock 07 バス・ドラム4分打ちビート(3)

推奨テンポ ♩=150
▲0:17~0:23 Rock 07

バス・ドラムで4分をキープしていることでハイハットの表情がつけやすいという特徴を生かしたパターンの一例。このパターンは右手でシンプルに刻む形ではなく両手を使ってフレージングしているところがミソ。やはり速いテンポがロック的な使い方で、バック・ビ ートはすべて左手でキープ。


Rock 08 ハーフ・タイムでゆったりとヘヴィなグルーヴ

推奨テンポ ♩=170
▲0:24~0:32 Rock 08

ともとはジョン・ボーナムのプレイに端を発するような、ゆったりしながらもヘヴィなグルーヴが特徴。ゆっくりしたテンポの16ビートとは区別すべきビート感である。このように右手を8分でキープした方がコントロールはしやすいが、譜面( )のような4分キープの方が“男らしい”。


Rock 09 場面転換に最適なスネア4分打ちビート

推奨テンポ ♩=130
▲0:33~0:40 Rock 09

これは8ビートのバリエーションとしては定番のアプローチ。特に場面転換の効果は抜群で、イントロはこの形で始まりAメロから通常の8ビートになる、なんていうのも常套手段。バス・ドラムに16分を加えているのは勢いをつけるための効果音的なもので、テンポによって入れるかを判断しよう。


Rock 10 ゴースト・ノートを加えて表現力を高める

推奨テンポ ♩=90
▲0:41~0:50 Rock 10

8ビートのパターンに色を加えるようなゴースト・ノートを含んだアプローチ。小節終わりの俗に“転がし”と言われる音はグレイス・ノートとも呼ばれ、手癖的に入れる場合も多く、ゴースト・ノートの音量を変化させることでさまざまな表情を作ることが可能。バラードでの効果も高い。


Rock 11 シェイクを使ってダンサブルに!

推奨テンポ ♩=130
▲0:51~1:00 Rock 11

8ビートのバック・ビートに絡めて16分音符のウラ打ちを加えたパターンは俗に“シェイク”と呼ばれ、ロックでも好んで用いられている。これはそのバリエーションで、2小節で流れを作り出しているのがポイント。思わず踊りたくなるようなノリの良いビートとなるのが特徴と言える。


Rock 12 スネアのバック・ビートを自由化(1)

推奨テンポ ♩=140
▲0:00~0:06 Rock 12

2、4拍に固定化されたスネアのバック・ビ ートを自由化したパターンの一例。単にスネアの位置を変化させるのではなく、バス・ドラムとのコンビネーションで流れを作るのがポイント。この手法はパターン作りの発想が一気に拡張されるが、ドラマーのセンスも問われるアプローチとも言えよう。


Rock 13 スネアのバック・ビートを自由化(2)

推奨テンポ ♩=140
▲0:07~0:13 Rock 13

自由な発想のプレイで定評のある柏倉隆史さん的スタイルのポストロックなアプローチ。ポイントは通常のタイムとハーフ・タイムの垣根を越えたような発想のパターンの構築法と言えるだろう。こうしたパターンは楽曲からのインスピレーションも強く関与していると思うが、やはり発想の転換が肝心。


Rock 14 16分のバス・ドラムでドライヴさせる!

推奨テンポ ♩=140
▲0:14~0:21 Rock 14

部分的に16分のバス・ドラムを組み込むことでスピード感を演出するアプローチ。もう1つの特徴はスネアのバック・ビートでハイハ ットを軽くオープンにするところ。古くからロ ックでは行われている味つけで、特有のビート感が加味される。アレックス・ヴァン・へイレンのプレイに多く見られる。


Rock 15 16分のスネア・ドラムでドライヴさせる!!

推奨テンポ ♩=180
▲0:22~0:27 Rock 15

ファスト・テンポのロック・ビートをドライヴさせるのによく使われるパターン。16分のスネアが次のバス・ドラムに“タドン”と素早くつながるところがミソで、バス・ドラムにつながるグレイス・ノートをより強調したアプローチとも解釈することもできる。これをタイトに挟み込むのがポイント。


Rock 16 16分のバス・ドラムを組み込んだパターン(1)

推奨テンポ ♩=130
▲0:28~0:34 Rock 16

“Rock 14”のパターンの16分を含む音型を連続させたパターンで、8ビートとはまったく違った性質のグルーヴとなる。ヘヴィ・メタルでも使われるパターンで、16ビートに分類されるパターンの中でロック・ビートと相性の良いアプローチの代表的な例の1つと言えるかもしれない。


Rock 17 16分のバス・ドラムを組み込んだパターン(2)

推奨テンポ ♩=130
▲0:35~0:42 Rock 17

レッド・ホット・チリ・ペッパーズのチャド・スミスのスタイルのパターンで、バス・ドラムに16分のウラ打ちを多用し、強いドライヴ感を生み出すアプローチ。このようにファンク的な要素とロック・ビートを融合させたという意味では、彼がロック界に果たした功績は大きいと言えるだろう。


Rock 18 16分のバス・ドラムを組み込んだパターン(3)

推奨テンポ ♩=100
▲0:43~0:54 Rock 18

バス・ドラムの8分のウラ打ちを16分でダブリングした形のパターン。16分を多用しているのに重さが強調されるのが特徴のアプローチ。若い世代のロックやヴィジュアル系バンドでは特に使用頻度が目立つパターン。バス・ドラムの連打が続くテクニカルな部分がロッカーを魅了するのだろう。


Rock 19 16分のバス・ドラムを組み込んだパターン(4)

推奨テンポ ♩=100
▲0:00~0:08 Rock 19

かつてのボンゾを彷佛とさせるような特有の“突進感”を持ったパターン。古くて新しいロック・ビートと言った感じで、スネアが自由化されているのがポイント。4拍目のスネア連打は両手で叩くように示しているが、左手だけで叩く形(ハイハットはキープする)も考えられる。


Rock 20 フロア・タムを用いたロック・ビート

推奨テンポ ♩=170
▲0:09~0:15 Rock 20

シンバルの代わりにフロア・タムで刻む形はロックでは定番だが、これは4拍目のウラにドラッグ(装飾音符)的なフレージングを加えた形。これを入れるとグルーヴが一気に“イカした”感じに変身。スネアはバック・ビートだけキープし、16分の連打をスピーディーにキメるのがミソ。


Rock 21 ロックのシャッフル・ビート(1)

推奨テンポ ♩=140
▲0:16~0:21 Rock 21

ロックのシャッフル・ビートは右手は4分キ ープが基本で、スネアのゴースト・ノートはお好み次第でといったところ。このゴースト・ノ ートはバック・ビートと合わせると一定の間隔で意外と叩きやすい。またバス・ドラムの3連の間を埋めてタイミングを整える効果もあるのでぜひ入れてみよう。


Rock 22 ロックのシャッフル・ビート(2)

推奨テンポ ♩=160
▲0:22~0:31 Rock 22

バス・ドラムで2拍3連を踏む、かつての“ブリティッシュ・シャッフル”の現代版のようなアプローチ。この場合スネアのゴースト・ノートはバス・ドラムとバック・ビートの間をつなぐ役割も持つので必須。つながることでちょっとツーバス連打のような音の効果を上げているところがポイント。


Rock 23 リニア手法を使ったトライバル・アプローチ(1)

推奨テンポ ♩=120
▲0:32~0:42 Rock 23

タムを多用したトライバルなパターン。リニア手法とは音が重ならずに一筆書きのように連なっていく形で、このパターンでも1、 3拍のアタマ以外はリニアになっている。トライバルとは部族のタイコの祭りのようなイメ ージを表わし、ヘヴィ・ロックでもこうしたアプローチは多い。


Rock 24 リニア手法を使ったトライバル・アプローチ(2)

推奨テンポ ♩=110
▲0:00~0:07 Rock 24

MR.BIGのパット・トーピーが得意とするリニア・パターン。フロア・タムとバス・ドラムとの絡み方がポイントで、テクニック的には高度だが、その効果も高い特殊なロック・アプローチだ。2拍目のバック・ビートの次のフロア・タムをやや強めに叩くのがグルーヴのポイントになる。


Rock 25 ツーバス連打の基本型リズム・アプローチ

推奨テンポ ♩=150
▲0:08~0:17 Rock 25

現代のメタル/ラウド・ロックにおいてツーバス・プレイは必須科目。これはそのツーバス連打による基本的パターンで、スネアを叩くタイミングをタイムに応じて変えられるようにすることが必要である。譜面( )で示したのはダブル・タイムだが、ハーフ・タイムでもできるようにしておこう。


Rock 26 エクストリーム・ロックのブラスト・ビート

推奨テンポ ♩=180
▲0:18~0:27 Rock 26

超高速のエクストリーム系ロックで用いる “ブラスト・ビート”の代表的なパターン。両手でオルタネートに叩くだけの単純な形だが、これをBPM = 200以上で叩くのがブラスト・ビート。ツーバスもキープとなるとさらに大変! とにかくひたすらスピード・アップに励むしかない。


Rock 27 ドラッグ用法によるツーバス・パターン(1)

推奨テンポ ♩=100
▲0:28~0:36 Rock 27

これもツーバスならではの用法で、スネアのバック・ビートの前にツーバスの連打(RL)を入れて“ドドタン”とやるドラッグ奏法。ツーバスなのでこれを3打、4打と増やしてもいけるが音の”密集度”が上がるのでタイミングに注意。これを“効果音”として、さまざまな使い方が考えられる。


Rock 28 ドラッグ用法によるツーバス・パターン(2)

推奨テンポ ♩=120
▲0:37~0:44 Rock 28

これはブラスト・ビートの1つとも解釈できる高速のドラッグ奏法。こちらの方がテンポ的には汎用性がある。両手とバス・ドラムの交互打ち(オルタネート)の中でツーバス連打をドラッグ的に挟み込む形になっている。右足は一定でいかに左足を挟み込めるかがカギとなる。


Rock 29 タムを絡めたトライバルなツーバス

推奨テンポ ♩=110
▲0:45~0:52 Rock 29

メタル系で使われるタムを絡めたヘヴィなトライバル・アプローチ。1、3拍のアタマのタムはちょっとズラしたフラムの要領でアクセントを加える。このとき、手も足も左リードになっているのがポイント。実際に叩いてみるとこの方がタイミングを合わせやすいのがわかるだろう。


Rock 30 ドラッグを含む複合的なツーバス・パターン

推奨テンポ ♩=120
▲0:53~1:03 Rock 30

ツーバスの連打は左右どちらの足でリードするかは自分で決めなければならないが、このパターンはそのリード足が切り替わる構造の複合的なアプローチで、1小節目が右足、 2小節目が左足リードになっている。現代の多様化するツーバス・テクニックに対応するにはリード足の自由化は必須。

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このコンテンツはドラム・マガジン2014年12月号&2015年1月号を再掲載したものです。

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