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6月21日に開催され、大きな反響を呼んだ「沼澤 尚 the Greatest Playlist feat. ジェームス・ギャドソン」。有料会員限定記事では、イベントで沼澤がセレクトした8曲のプレイリストを軸に、ギャドソンとの出会いや交流、本人から直接教わったドラミング哲学、そして名演に隠されたグルーヴの秘密をダイジェスト動画と共にお届け。ここでは試し読みとして、その一部を抜粋して無料公開。全文(こちら)は有料会員(月額990円/いつでも解約可能)登録後にお読みいただけます。

Introduction
ギャドソンとのやり取りの中で
「こうだったんです」と話せる8曲
今日選んだ曲は、僕がまだ20代の頃にギャドソンと出会って、その後いろいろ教えてもらったことや、「こういうことがあったんです」と実際に話ができる曲を選びました。当時、僕はボビー・ウーマックのツアーをやり始めた頃で、ギャドソンはその前のアルバムからずっと参加していて、ちょうどプロデュースを手がけた直後だったんです。
知り合ってすぐに電話番号を交換したんですが、自分から電話なんてかけられるわけないじゃないですか(笑)。ところが、向こうからしょっちゅう電話がかかってくるんですよ。「何してるんだ? 家にいるなら来いよ」って。本当に「一緒に練習しよう」とよく誘ってくれる人でしたね。それでギャドソンのスタジオへ行くと、ドラム・セットが2台並べてあって、「行け、行け!」ってすぐ叩かされるんですよ(笑)。そうやって一緒に演奏しながら、本当にいろいろなことを教えてもらいました。
ギャドソンの代表曲を挙げ始めたら、それこそ500曲くらいになっちゃいます(笑)。だから今回は、「この曲が代表曲です」というよりも、自分がギャドソンとのやり取りの中で「こうだったんです」と話せる曲を選んできました。ドラム的な視点も交えながら紹介していこうと思います。
Playlist ②:Charles Wright And
The Watts 103rd Street Rhythm Band「Loveland」
リード・ヴォーカルとドラムの
同時演奏が生む、非現実的な名演
「Loveland」は、ギャドソンがリード・ヴォーカルをやりながらドラムを演奏している曲です。ギャドソンはもともとシンガーで、レコーディング・デビューはソロシンガーとしての方が先なんです。この曲はその両方を同時にやっていることで彼を一躍有名にした傑作です。彼の代表曲なので、この曲をギャドソンがライブで演奏しているのを何度も見てきましたけど……完全に非現実的です。
1曲目と同じように、各セクションの切り替えでクラッシュ・シンバルは一切ありません。この曲では基本になっているファンキーなハイハット片手16分音符のすごいグルーヴと、今度はサビではハイハットが一気に4分音符だけになるという、この2つのパターンを行き来しながら演奏しているんですが、これを歌いながらやっているのは本当に信じられない。フィルを入れても入れなくてもクラッシュ・シンバルは一切なし、ワインドアップなしで、必ずそのままビートへ戻っていく。今日かけるすべての曲がそうですが、ここがギャドソンのレコーディングでの大きな特徴の1つだと思います。
この曲が大ヒットした後に「Got To Find My Baby」という自身のシングル・レコードも出していて、曲そのものはまるで同じで歌詞だけを変えているんですが、こちらはギャドソンが全面プロデュースしているので、興味があったらぜひ聴いてみてください。