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【Report】JAPAN LATIN MUSIC FESTIVAL 2022 “TIMBA”@渋谷ストリームホール

  • 撮影:suguta、阿部憲護
  • 取材&文:佐藤 健(ファンカッション)、大同隆太

Ventu Rumbero

【MEMBERS】
Rodolfo Papo (Director)、Armando、Rolando、Juan Carlos、Vity Man、Goto
https://timba-festival.com/artists/ventu-rumbero/

リーダーの歌とクラーベがひと節始まれば
いきなりピュアなルンバが展開する

timbaと呼ばれるサルサのニュームーブメントのフェスティバルにおいて、いわゆるバンド編成ではなくパーカッションだけで演奏される純粋なルンバ。全員がキューバ国旗のデザインのTシャツに身を包み、フェスティバルの冒頭を飾るにふさわしいグループだ。リーダーの歌とクラーベがひと節始まれば、いきなりピュアなルンバが展開する。このクラーベの感覚、それはまさにキューバ人が持っているものだろう。それはショウのための演奏ではなく、生活や人生に密着した演奏だ。ヴォーカリストが替わりながらのルンバに次ぐルンバに、途中からメンバーも観客も踊り出し、まるでキューバの街角にいるような感覚がする。最初から熱量Max。日本に彼らのようなキューバ人が住んでるなんてまったく知りませんでした。ほぼキューバ人だけによるグループならではの演奏にのっけから心を奪われ、本日の長丁場これからどうなると不安になるほどノリノリに喜ばせてくれたVentu Rumbero。キューバ人、恐るべし。(佐藤)

歌と打楽器のみで本物のルンバを
エネルギッシュにパフォーマンス

5F La Salaステージのオープニング・アクトを飾ったのは、気鋭のキューバ人ミュージシャン達で構成された、Ventu Rumbero。歌と打楽器のみで本物のルンバを、エネルギッシュにパフォーマンスしてくれた。特筆すべきは、クラベス、カウベル、コンガによるシンコペーションを含んだ複雑な2拍子のオスティナート。ダンスの動きと共にポリリズムを生み出し、その上で“Director”と呼ばれるバンドの取りまとめ役のプレイヤーが、歌いながら進行の合図を出して、キューバ人の持つ激しいエネルギーとキューバ在来のスペイン的官能性を併せ持つ、アフロ・キューバの踊りやコルンビア、ワワンコー、ヤンブのリズムで大いに会場を盛り上げた。
ちなみにグループ名でもある“Ventu Rumbero”は、キューバのミュージシャン界隈で使われる言葉で、「こっちに来いよ」という意味があるそう。今回のパフォーマンスは、まさにその通り、コール&レスポンスでオーディエンスを巻き込み、フロアは“本物のRumba”で一心同体となった。(大同)