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    【Report】JAPAN LATIN MUSIC FESTIVAL 2022 “TIMBA”@渋谷ストリームホール

    • 撮影:suguta、阿部憲護
    • 取材&文:佐藤 健(ファンカッション)、大同隆太

    La Señas

    https://timba-festival.com/artists/lasenas/

    「ルンバはこう」、「サルサはこう」などの
    予備知識なしに純粋にリズムとエネルギーが体感できて楽しめる

    アルゼンチン発祥の演奏スタイルで、英語で言うと“The Signs”か。彼ら自身は日本語では“即興打楽器集団”と名乗っている。主にラテン、サンバの楽器を使うが、ルンバでもサンバでもなく、リーダーのサインによる指示のもと“リズム”の演奏が進んでいく。というとドラム・サークルと同じように聞こえるが、ドラム・サークルが自然発生的な演奏であるのに対して、このグループの場合は音楽的素材がメンバーの中であらかじめ共有されており、それがリーダーの指示のもと展開されていくというスタイルだ。大枠と素材が決められていて、その中で場面が展開していくという意味ではジャズと同じとも言えるだろう。
    オーディエンスにとっては「ルンバはこう」、「サルサはこう」などの予備知識なしに純粋にリズムとエネルギーが体感できて、楽しめる。事実、初めて聴くはずなのに、テンポやリズムの盛り上がりと共に会場が沸き立っていたのがLa Señasのステージだった。(佐藤)

    ダイナミックで刺激的な空間を作り出し
    オーディエンス達を音とリズムの嵐に誘う

    シシド・カフカ率いるel tempo創設のきっかけでも知られるアルゼンチン打楽器奏者のサンティアゴ・バスケスが発案したハンド・サインがベースとなり、“Rhythm with Signs(リズム・ウィズ・サイン)”と呼ばれる演奏法を用いた日本初のドラム・サークル・グループ=LA SEÑAS。
    古代からある輪になって太鼓を叩くコミュニケーション・スタイルの現代版で、ファシリテーターと呼ばれるガイド役が全体をコントロールするのだが、150種類以上のハンド・サインはリズムだけではなく、音程やコード進行、ハモリの音程の指定などを駆使し、その場でリズムを構築、音楽をコントロールしていく様はまさに楽譜の具現化能力者集団と言えるだろう。従来のハンド・サインに加えLA SEÑASオリジナル・ハンド・サインは、ダイナミックで刺激的な空間を作り出し、オーディエンス達を音とリズムの嵐に誘った。(大同)