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【Report】JAPAN LATIN MUSIC FESTIVAL 2022 “TIMBA”@渋谷ストリームホール

  • 撮影:suguta、阿部憲護
  • 取材&文:佐藤 健(ファンカッション)、大同隆太

Banda Coribantes

【MEMBERS】
小山大凱 (Timbal)、藤井健 (Bongo、Chorus)、TAE (Vocal)、畠山啓 (Piano、Chorus)、井上環 (Keyboard 、Percussion、Chorus)、カワサキ亮 (Bass)、小林かなと (Conga)、竹之下滉 (Trumpet)、鈴木雄太郎(Trumpet)、春井俊人 (Sax)
https://timba-festival.com/artists/bandacoribantes/

熱く、明るく、本来のサルサの楽しさが味わえる
邦楽もサルサ・アレンジにしてレパートリーにする柔軟性

エンジのTシャツをユニフォームにした、まるで学生バンドのようにフレッシュなBanda Coribantes(バンダ・コリバンテス)。若手のバンドなのでもちろんフレッシュなのだが、その演奏は若者らしく、とにかく熱く明るく、そして本来のサルサの楽しさが味わえる。オリジナルの曲で日本語の歌もあるが、そういう曲もうまくサルサにしている。
演奏するナンバーもサルサの名曲ばかりでなく、邦楽もサルサ・アレンジにしてレパートリーにするというのは、彼らの若さゆえの柔軟性と見て良いだろう。そういうときにヴォーカルのTAEはパワフルかつ雰囲気のある歌を聴かせてくれる。編成的にはサックスがバリトン・サックスなのがこのバンドの特徴。ホーン・セクションとして音域がより広がるだろう。
そして、このバンドを引き締めているのは、この日は他のバンドでも大活躍しているリーダーでドラティンの小山大凱。センスに溢れており、同時に全体の支えとして過不足のないプレイで演奏の要になっていた。(佐藤)

鉄壁のリズム体に導かれて
フロアはダンスのポリリズム状態
リズム体は間違いなくサルサ界を引っ張っていく逸材

小山大凱が率いる新進気鋭のサルサ・バンドでメンバー全員が20代だが、その実力は折り紙つき。ステージが始まるとオーディエンス達は各々好きに踊り出したが、鉄壁のリズム体に導かれて、フロアはもはやダンスのポリリズム状態。演奏に華を添えるブラス隊は超ハイ・ノートで、複雑かつ緻密なフレーズをいとも簡単に吹きこなし存在感を見せつけた。
小山はティンバレスにドラム・セットを加えた“ドラティン”と称されるセッティングでパワフルかつ繊細なハイテクニックな演奏を展開。ベースのサウンド・メイクやフレーズはどれをとっても秀逸で、躍動するトゥンバオはとりわけ素晴らしかった。ドラティン、ボンゴ、コンガ、ベースのリズム体は、やはり今後間違いなくサルサ界を引っ張っていく逸材になると確信するくらいに圧巻だった。
普段はサルサのスタンダード・ナンバーを主軸にセットリストを組む彼らだが、今回は新作オリジナル・アルバムのレコ発ライヴが12月10日@原宿クロコダイルで控えており、全曲オリジナル・ナンバーという構成だった。サルサのオリジナル曲となるとその音楽の特性上どうしても似たり寄ったりになりがちだが、ここで披露された曲はどれも特徴的で耳に残るものばかりだった。(大同)