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Interview – 高橋 武[フレデリック]

  • Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine Photo:Satoshi Hata(TOP/PAGE 2)、AZUSA TAKADA(PAGE 4)

400パターン以上作ったフィルインの中から
その場面で与えられた役目を考えて決めた

●今回も音作りがとにかく緻密で、すべて電子ドラムで制作したと聞く前は、いつものように生ドラムとリズム・マシンを重ねて録っているのかと思っていました。

高橋 そういうハイブリッドな手段を取ってきたからこそ、今回は全部電子ドラムでも大丈夫だろうなと思ったというのもありますね。

●1曲目の「Wake Me Up」は、どのように音のチョイスを決めていったのですか?

高橋 最初は、スネアの音価がもっと短くて、さらにファンキーな感じを意識してやってて、みんなで話して詰めていくうちに今の音色になっていきましたね。

●ドラム的なポイントを教えてください。

高橋 フレーズ的にも練ってますし、この曲に関してはタイミングやハネ感もこだわったポイントかなと思いますね。メンバーにも「ここのウラ拍はちょいハネで、こっちの拍はストレート気味なノリで弾いてほしい」みたいなのをすごく明確に伝えて進めたので、そこが自分的には肝ですね。

●ラスサビ前の7/8拍子などもあって、フレデリックらしさを存分に感じられますよね。

高橋 この部分はもともとベースの(三原)康司君がデモを作った段階からあった展開で、ドラムは最初アクセントだけ合わせて、徐々にハマっていきながら最後キメになる、みたいな流れが一番ストーリーがあっていいなと思って考えていきましたね。この曲の大きいポイントってギターの“チャッチャッチャーチャッチャッチャ”っていうリフだと思うので、そこができていれば大事な部分は損なわれないし、気持ちよく聴けるポイントかなと思ったんです。

●2曲目の「されどBGM」は、2番のメロに入る前のピックアップや、間奏終わりのフィルインが、やっていることはシンプルなんですけど、すごく凝っているというか、組み立て方にこだわりを感じました。

高橋 そう言ってもらえるとうれしいです! 1サビ終わりのフィルは400パターン以上作って、その中から決めたんです。めちゃくちゃ複雑なやつからもっとシンプルなやつまでいろいろやりました。別に変な意味じゃなくて、シンプルなフィルだなって思う人の方が多いと思うので、それはそれで自分の意図している通りにできたと思いつつ、そうやって気づいていただいたのはめちゃくちゃうれしいです。

そもそも1サビが終わったあとに、長めのドラム・フィルで歌に戻るという展開をフレデリックでやったことがなくて、やってみようってなったんですけど、Aメロの歌はメロディも歌詞もそんなにテンションの高いものではないんですよね。そこであまりフィルで盛り上げてもしょうがないというか、そこでフィルに与えられた役目って、次に綺麗につなぐことであって、テクニカルな部分を見せたり聴いてる人のテンションを上げさせるっていう目的とはまた違うなと思って。