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BOW WOW新美俊宏氏が語ったジャパニーズHR/HM黎明期【2007年アーカイブ】
- Photo:Masao Sekigawa/Interview:Shinichi Takeuchi
本日5月27日はBOW WOWのドラマーとして、日本のハード・ロック/ヘヴィ・メタル(HR/HM)シーンを切り拓いた新美俊宏氏の命日。BOW WOWはメジャー・デビュー50周年を迎え、今、再び熱い注目を浴びている。ここでは日本のHR/HMドラムの礎を築いた新美氏を語り継ぐべく、2007年3月号に掲載した氏のアーカイヴ・インタビューを抜粋して掲載。日本の70年代当時のシーンの空気感から、大音量に対抗するための試行錯誤、キッスやエアロスミスとの共演秘話など、黎明期ならではのエピソードを語っている。
70年代はモニターなんてないから
とにかくパワーが必要だった
●BOW WOWは75年の結成ですが、当時、周囲にいわゆるHR/HM(ハードロック/ヘヴィメタル)バンドはありましたか?
新美:あんまりいなかったかな。紫とか……Charなんかもハードなサウンドだったけど。
●BOW WOWにしても、当初からHR/HMをやろうというわけではなかったんですよね?
新美:プロデューサーの計画ではベイ・シティ・ローラーズみたいなバンドにしたかったらしいよ(笑)。でも、山本恭司というギタリストが入って、徐々にHR志向になっていった。もし、彼が参加していなかったら、HRバンドにはならなかったかも。
●新美さんは、HR/HMは好きだったんですか?
新美:そうでもないな。もちろん、ディープ・パープルだとかは聴いていたけど。子供の頃からグループ・サウンズが好きだったから、ああいうのをやりたいと思っていたよ(笑)。ハード・ロックが好きになったのは、BOW WOWとしてデビューする前に、みんなで合宿生活をしていたんだけど、そこでみっちりと仕込まれたときかな。こういう音楽は演奏していて楽しいなあと思った。
●70年代当時、HR/HMのドラムを叩く上で、苦労したことはありますか?
新美:当時、練習スタジオなんかにはモニターなんてなかったんだよね。ギターやベースは大音量だから、自分の音が聴こえない。これはパワーをつけて、音量を上げなくちゃと思ったよ。どうやったらデカイ音が出るか、そればかり考えていた。当時、スティックは13とか14だったんだけど、太くしてみたり。で、太くするとコントロールが難しいから、腕力をつけるために、筋トレやったり(笑)。
●日本でモニターを本格的に導入したのは、BOW WOWが最初と聞いているんですが。
新美:最初かどうかはわからないけど。確かに最初はそんなものなかったな。エアロスミスのオープニングをやったときに、ステージにモニターがあって、これはいいものだなあ、みんなの音がよく聴こえるなぁと感動したんだよね。
●70年代にはエアロスミスやキッスと共演もしたんですよね。
新美:それまでドラムって、せいぜい4点プラス、フロア2個っていう感じだったんだけど、キッスのピーター・クリスは小さいタムからずらっと並べていて、あ、俺もほしいなと思ったんだよね。
●多点キットを導入したのも日本初だったと。
新美:“初”かどうかは知らないけど、キッスと一緒にやって、6″から並べるようになったんだよ。
●ドラム・セットの下に敷くゴム・マットを開発したのは、新美さんですよね。
新美:あれはたぶんそう。当時、ドラムの下に敷いていたものって絨毯だったり、最悪の場合、何もなかったり。しっかり固定できるものがないかなとずっと考えていて。ちょうど、父親がゴムを手に入れるのが得意な人で……。
●どういう人ですか(笑)。
新美:(笑)。とにかく身近にあったんで、これは使えるんじゃないかと思ってやってみたのがきっかけ。今はどこでも当たり前に使っているよね。
●キックの中に入れるウレタンのミュートも新美さんが始めたんでしたっけ?
新美:ミュートもさ、当時は毛布を入れるくらいしかなくて。市販でミュートなんてなかったしね。で、もっと余韻のあるサウンドにしたくて、いろいろ試したんだよね。それでウレタンを見つけた。
●80年代に入ると、BOW WOWは海外へ活動の場を広げていきます。まずはイギリスのレディング・フェスティバルに出演しますね。
新美:最初は82年だったかな。総立ち状態って感じになってね。アンコールはできないことになっていたんだけど、ものすごく盛り上がっちゃって、出て行かないと収まりがつかなくて。それでキャプテン(山本恭司)がもう一度出ていって、挨拶だけした。
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