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    Ultimate Drum Technique #17 Left Body Ostinato

    • Text & Score & Video:Hiroshi Matsuo

    CHAPTER17:レフトボディ・オスティナート Vol.1

    みなさんこんにちは松尾啓史です。今回は、左半身で一定のパルス・パターンをキープしながら、右半身を使って自由に演奏をするという一風変わった中・上級者向けオスティナート・アプローチをご紹介したいと思います。

    オスティナートについて

    ドラムにおけるオスティナートとは、ある一定のパターンを続けて何度も繰り返すことを表します。足だけを用いたフット・オスティナートや、手だけを用いたハンド・オスティナートなど、さまざまなオスティナート・アプローチが存在します。

    大枠で考えれば、普段何気なく演奏している8ビートや16ビートも“繰り返すことによって成立している”という意味ではオスティナートと言えますが、一般的には手足のいずれかで、ある一定のリズムを作り出し、余った四肢で自在に別の役割を演奏することを、オスティナートと表現することが多いです。

    レフトボディ・オスティナート
    〜Basic編〜

    今回は、身体の左半身を使った“レフトボディ・オスティナート”への導入編としまして、左半身と右半身を分離させるためのエクササイズEx-1〜4をご用意しました。

    ハイハットのオープン・クローズを含む一定の刻みと操作を左半身でのオスティナート・パターンと見立て、右半身のスネアとキックで展開させていくというトレーニングです。

    例えばEx-1という左半身オスティナートに、パターンbのスネア、キック・パターンを合わせると、以下の譜面①のようになります。

    では、Ex-2に対してcを当てはめるとどうでしょうか?(②)

    このように、異なる左半身、右半身のリズムをかけ合わせ、それぞれのパルスに対しての重なりや関連性を脳内リンクさせて、クロスフェードする練習となります。慣れないうちは譜面に書き起こし、譜面上で音の重なりを1つ1つ確認して練習しても構わないですが、可能な限り、譜面という視覚情報に頼らずに、頭の中だけで音のレイヤーの重なりを処理できるように練習しましょう。

    今回は標準的なドラム・セットで練習しやすいよう、ハイハットを用いた左足のオスティナート・エクササイズを構成してみましたが、お好みでジャム・ブロックや、カウベル、サブ・スネアなどを左手/左足で鳴らせるようにセッティングして、左右で明確なサウンドの違いを出しながら練習してみても楽しいかもしれません。

    Ultimate Drum Technique – BACK NUMBER

    ■CHAPTER 1:モダン・フット・ワーク
    ■CHAPTER 2:左足のハイハット・コントロール
     ▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン20年7月号をチェック!


    ■CHAPTER3:ゴースト・ノート
    ■CHAPTER4:ワン・ポイント・モジュレーション
     ▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン20年10月号をチェック!

    ■CHAPTER5:トラップ・ビート
    ■CHAPTER6:トラップ・ビート Vol.2
     ▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン21年1月号をチェック!

    ■CHAPTER7:オッド・グルーヴ
    ■CHAPTER8:オッド・フィル

    ■CHAPTER9:メトリック・モジュレーション
    ■CHAPTER10:メトリック・モジュレーション<奇数分割 ver.>

    ■CHAPTER11:スティック・トリック Vol.1
    ■CHAPTER12:スティック・トリック Vol.2

    ■CHAPTER13:ミスター・ハイハットに挑戦 Vol.01
    ■CHAPTER14:ミスター・ハイハットに挑戦 Vol.02

    ■CHAPTER15:チェンジ・アップ/ダウンで緩急自在 Vol.01

    ■CHAPTER16:チェンジ・アップ/ダウンで緩急自在 Vol.02

    ◎Profile
    まつおひろし:豊富なドラム知識を生かし、リットーミュージックより自身の執筆する教則本『究極のドラム・トレーニング・バイブル』をリリース。現在はリズム&ドラム・マガジンでプレイ分析や執筆を担当している他、ドラム・セット・プレイヤーとしてのみならず、ドラム・スティックを投げたり回したりと視覚的に楽しませるパフォーマーとして、東京ディズニーシーや打楽器アンサンブル・チームでの公演の経歴もある。さらにゲーム音楽を中心としたレコーディングも多岐に渡る。20歳の頃より音楽教室でのレッスンなど、クリニシャンとして後世のドラマーの育成にも積極的に取り組み、吹奏楽からプログレまでジャンルを問わずさまざまなバンドでのライヴ・セッション活動を行っている。

    ◎Information
    松尾啓史 HP Twitter YouTube