NOTES
UP
Ultimate Drum Technique #15-Change Up/Change Down
- Text & Score & Video:Hiroshi Matsuo
CHAPTER15:チェンジアップ/ダウンで緩急自在 Vol.01
みなさんこんにちは、松尾啓史です。今回は普段あまりフォーカスされることないリズムのチェンジ・アップ/ダウンを用いたアプローチをご紹介したいと思います
チェンジ・アップ/ダウンについて
ドラムにおいてチェンジ・アップやチェンジ・ダウンというのは、一定のテンポの中で叩く音符(音価)を変化させて、フレーズを加減速させるテクニックのことを表します。またメトロノームに合わせて、1拍ずつ4分音符→8分音符→3連符→16分音符のように異なる音価へと変化させていくなどの基礎練習の1つとしても有名です。ドラマーにとっては、リズム・コントロールへの第一歩としても扱われる本テクニックですが、今回はその応用編という形で、実際にドラム・セットへのアプローチとして用いる場合、どのようになるのかという視点で、いくつか実例フレーズを考えてみました。派手なテクニックではないですが、アイディアとして会得しておいて損はないでしょう。
ドラム・セットに用いるチェンジ・アップ/ダウン
〜Basic編〜
Ex-1はパラディドルの手順を応用して16分音符から6連符のグリッドへとチェンジ・アップさせるアプローチです。6連符を4つずつに分割する形でシンバルを絡めて1~2拍目のフレーズのままテンポが早くなったかのような錯覚を作り出す手法です。
Ex-2はスネアを基軸にしたシンプルなチェンジ・ダウン・アプローチです。32分音符から3連符へと減速していくようなフレーズとなっており、同じサウンドが続くので、ハシり/モタりが発生しないように注意しながら演奏しましょう。
Ex-3はハイハットの刻みをキープしながらスネアとキックを交互に使い、3連符から16分音符、そして32分音符へと変化させるアプローチです。リズム・パターンの流れの中に自然と取り入れることが可能なので、発展や応用もさせやすいテクニックの1つです。
Ex-4はシンバル・レガートを維持した形でのジャズ・アプローチです。コンピングの流れから、キックとスネアを用いたダブル・ストロークのチェンジアップとなっており、四肢の独立性がやや必要とされるフレージングになっています。
Ex-5はハイハット・オープンを絡めたダンサブルなビートからの流れにうってつけのアプローチで、キックをチェンジ・ダウンすることで集束間を演出していています。
Ex-6は一定のハイハットとキックのパターンを基調としてスネアのみをチェンジ・アップ/ダウンするパターンです。6連符部分はフィンガー・コントロールを駆使してコンパクトかつ軽やかなスティッキングを意識しましょう。
Ultimate Drum Technique – BACK NUMBER
■CHAPTER 1:モダン・フット・ワーク
■CHAPTER 2:左足のハイハット・コントロール
▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン20年7月号をチェック!
■CHAPTER3:ゴースト・ノート
■CHAPTER4:ワン・ポイント・モジュレーション
▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン20年10月号をチェック!
■CHAPTER5:トラップ・ビート
■CHAPTER6:トラップ・ビート Vol.2
▶︎上記2つについてもっと詳しく知りたい方は、リズム&ドラム・マガジン21年1月号をチェック!
■CHAPTER7:オッド・グルーヴ
■CHAPTER8:オッド・フィル
■CHAPTER9:メトリック・モジュレーション
■CHAPTER10:メトリック・モジュレーション<奇数分割 ver.>
■CHAPTER11:スティック・トリック Vol.1
■CHAPTER12:スティック・トリック Vol.2
■CHAPTER13:ミスター・ハイハットに挑戦 Vol.01
■CHAPTER14:ミスター・ハイハットに挑戦 Vol.02
◎Profile
まつおひろし:豊富なドラム知識を生かし、リットーミュージックより自身の執筆する教則本『究極のドラム・トレーニング・バイブル』をリリース。現在はリズム&ドラム・マガジンでプレイ分析や執筆を担当している他、ドラム・セット・プレイヤーとしてのみならず、ドラム・スティックを投げたり回したりと視覚的に楽しませるパフォーマーとして、東京ディズニーシーや打楽器アンサンブル・チームでの公演の経歴もある。さらにゲーム音楽を中心としたレコーディングも多岐に渡る。20歳の頃より音楽教室でのレッスンなど、クリニシャンとして後世のドラマーの育成にも積極的に取り組み、吹奏楽からプログレまでジャンルを問わずさまざまなバンドでのライヴ・セッション活動を行っている。
◎Information
松尾啓史 HP Twitter YouTube