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    トップ・プロがレビューする『TOTO Ⅳ〜聖なる剣』40周年記念デラックス・エディション

    1976年に結成されたロック・バンド、TOTO。今年は彼ら最大のヒット作『TOTOⅣ〜聖なる剣』の発表から40周年を迎え、それを記念し、日本初CD化のボーナス曲を追加した“40周年記念デラックス・エディション”がリリース。2022年は奇しくもジェフ・ポーカロの没後30周年の節目を迎える。ここではジェフに影響を受けた3人のトップ・プロによる“40周年記念盤”のレビューをお届けする!

    詳細はこちら→HP

    『TOTO IV~聖なる剣 40周年記念デラックス・エディション』

    1982年にリリースされたTOTOの4枚目となるアルバム『TOTOⅣ〜聖なる剣』。全米1位を獲得した「アフリカ」やジェフの歴史的名演として語り継がれる「ロザーナ」などが収録され、グラミー賞で6部門を制覇。記憶と記録に残る超名盤として、現在も多くのドラマーに愛されている1枚である。今回そのリリース40周年を記念して『TOTOⅣ~聖なる剣 40周年記念デラックス・エディション』が8月3日に発売となった。

    82年発表のオリジナル版の視聴はこちら

    最大の注目ポイントはボーナス・トラック収録された「デヴィルズ・タワー」、「フィアフル・ハート」、「イン・ア・リトル・ホワイル」、「オー・ホワイ」の4曲。日本初CD化となるこれらの楽曲は、1981年~1982年頃の 『TOTOⅣ~聖なる剣』 レコーディング時に完成には至らなかったアウトテイクのオリジナル・マテリアルに、2018年にスティーヴ・ルカサーやデイヴィッド・ぺイチが追加録音して完成されたもので、当然ドラムはジェフがプレイ! スティーリー・ダンとの仕事で知られるエリオット・シャイナーが、 2018 年にメンバー監修のもとでリマスタリングを実施したそうで、没後30年の節目に再びジェフが奏でる極上のサウンド&グルーヴを、クオリティの高い現代の音質で堪能することができる!!

    ということで続いてはジェフに多大な影響を受けた沼澤 尚、河村“カースケ”智康、小笠原拓海……日本が誇る3人のトップ・ドラマーによる『TOTOⅣ~聖なる剣 40周年記念デラックス・エディション』のレビューをお届け! また、ジェフの命日となる8月5日には新たな情報を公開するのでお楽しみに!!

    Cross Review〜日本のトップ・プロ3人が語るジェフ・ポーカロの衝撃!〜

    沼澤 尚

    音楽芸術をサウンド&グルーヴで伝えることができた
    奇跡の天才ドラマー/アーティスト(沼澤 尚)

     2018年にTOTOのデビュー40周年記念としてリリースされた『40 TRIPS AROUND THE SUN』に収録された「SPANISH SEA」は、『TOTOⅣ〜聖なる剣』でグラミー賞を独占した直後、1983年の春に自分が生徒になりたてのPITにやってきたJEFF PORCAROが、リンドラムと共にデモ演奏してくれたときの、あのインスト曲が当時レコーディングされたけど未完成のままだった……というトラック。そして今回は何と同じように未発表だった4曲を収録!
     後にも先にもない……なんて実際に言えることって滅多にないことだが、JEFFの存在そのもの……特にTOTOにとってもうこれは、世界遺産/人間国宝、その他どんな例えでも説明する術がない……1音目を聴いた瞬間に心と身体全体に響き渡るとんでもなくすさまじい衝撃……本当の意味での音楽芸術をサウンド&グルーヴで地球上の人々に伝えることができた、この人こそが奇跡の天才ドラマー/アーティスト。

    河村“カースケ”智康

    何をどう叩いてもロックを感じるジェフ・ポーカロ
    いつまでも愛し続けます(河村“カースケ”智康)

     『TOTOIV〜聖なる剣』……このアルバム、もう40年。ジェフ・ポーカロが亡くなってから30年、なんですね。初来日を観ました。あの衝撃は今も忘れられません! ロックンロールでAORでポップスな匂いと、少しプログレが入ったようなTOTOの音楽は今も色褪せません。1st(『TOTO〜宇宙の騎士〜』)と『Hydra』は自分にとってフェイバリットです。で、この“IV”は、大ヒット曲もあったりで、より完成度の高いTOTOが詰まったアルバムだと思います。TOTOはただのバンドではないわけです。連中は素晴らしい時代とあらゆる音楽を体感して来てるわけです。そこから出て来る音楽は途轍もなくぶ厚いわけです。しかも常にロックンロールしてる感じがするのですよ。そこがカッコいいと思うのですよ。そしてジェフ・ポーカロのドラムはいつも“ロック”しているのです。その匂いにやられるわけです。何をどう叩いてもロックを感じるジェフ・ポーカロ。いつまでも愛し続けます。

    小笠原拓海

    全体を通して曲もアレンジも、ミュージシャンも
    すべてが素晴らしい、奇跡のバランス(小笠原拓海)

     『TOTOⅣ〜聖なる剣』の40周年ということで、久々にじっくりと聴かせていただきました。あらためて思ったことは、ジェフ・ポーカロのプレイというのはあまりに完成し過ぎていたということです。本人は、おそらく感受性が強く、完璧を目指していたと思いますので、常に心の中ではまだまだと思っていたのかもしれません。ですが、この沈み込むビート、推進力、ものすごい完成度のコントロール力、それでありながら、気持ちをドラムに落とし込んでいることによる躍動感。プレイは綺麗なのに、ビートは爆発しているという矛盾。まさに異次元。そこに、人々は魅了され続けているのだと思います。さらに、ドラマーとしての視点だけではなく、プロデューサー的バランス感覚を持っていたのだと、このアルバムを聴いていて気づかされました。グルーヴ、ダイナミクス、音色。アルバム全体を俯瞰する能力を持っていたのではないでしょうか。そのくらい深くて広くて、音楽に対して温かくて真摯なドラムだとあらためて思いました。追加収録された時空を超えた4曲も、涙モノです。全体を通して、曲もアレンジも、ミュージシャンもすべてが素晴らしいのです。このバランスは奇跡であると思います。

    【作品情報】

    収録内容
    SACD層  Multi 5.1ch|Stereo 2ch (全10曲)
    ●日本初リリース
    2003年DSDマスタリング(オリジナル・アナログマスターより)
    Mixed for 5.1ch サラウンド by エリオット・シャイナー
    Mastered for 5.1ch サラウンド by ダルシー・プロペル

    CD層  Stereo 2ch (全14曲)
    ●日本初CD化4曲を追加収録
    2018年デジタル・リマスター (オリジナル・アナログマスターより)
    Remastered by TOTO and エリオット・シャイナー

    1. ロザーナ
    2. メイク・ビリーヴ
    3. ホールド・ユー・バック
    4. グッド・フォー・ユー
    5. イッツ・ア・フィーリング
    6. アフレイド・オブ・ラヴ
    7. ラヴァーズ・イン・ザ・ナイト
    8. ウィ・メイド・イット
    9. ユア・ラヴ
    10. アフリカ
    11. デヴィルズ・タワー(from 『OLD IS NEW』)
    12. フィアフル・ハート(from 『OLD IS NEW』) 
    13. イン・ア・リトル・ホワイル(from 『OLD IS NEW』) 
    14. オー・ホワイ(from 『OLD IS NEW』)
    ※M11〜14はCD層のみのボーナス・トラックで日本初CD化

    仕様と封入特典
    ◆SACDマルチ・ハイブリッド・ディスク仕様(SACD5.1ch&2ch、そしてCDがこの1枚で再生可能)
    ◆18cm×18cmの7インチW紙ジャケット仕様
    ◆オリジナルLP(US初版)内袋復刻
    ◆オリジナルLP盤風レーベル面CD
    ◆『TOTO IV~聖なる剣』 1982年JAPANツアー・パンフレット(カラー44P:リサイズ)<40年振り復刻>
    ◆『TOTO IV~聖なる剣』 1982年JAPANツアー 5月17日(月)日本武道館公演チケット(原寸大)<40年振り復刻>
    ◆『TOTO IV~聖なる剣』 1982年JAPANツアー 告知ポスター(リサイズ) <40年振り復刻>
    ◆『TOTO IV~聖なる剣』 からカットされた日本盤7インチ・アナログ・シングルジャケット4種(原寸大)<40年振り復刻>
    ◆『TOTO IV~聖なる剣』 オリジナルLP(国内盤)帯2種(被せタイプ帯と再発盤:リサイズ)<40年振り復刻>
    ◆『TOTO IV~聖なる剣』 国内再発盤LP(1984年)に封入された、TOTOメンバーのセッション・リストBOOK (リサイズ)
    ◆1982年発売のオリジナルLPライナー・ノーツと84年再発盤LPライナー・ノーツに加え、2018年発売のAOR AGE (シンコー・ミュージック刊) TOTO IV
    総力特集号に掲載されたメンバー自身による 『TOTO IV』 全曲解説、更に新規ライナー・ノーツと歌詞対訳を掲載した日本語ブックレット(モノクロ44P)

    詳細はこちら→HP

    ドラマガ2022年10月号ではジェフのメモリアル特集を掲載!

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