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MUSIC AWARDS JAPAN 2026をドラマー目線で振り返る
- Text:Atsuki Sano
国内最大規模の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN 2026」(MAJ)の受賞結果が発表された。最優秀楽曲賞にサカナクション「怪獣」、最優秀アルバム賞に藤井 風『Prema』、最優秀アーティスト賞にMrs. GREEN APPLE、最優秀ニュー・アーティスト賞にHANAが選出されるなど、現在の日本音楽シーンを象徴する作品とアーティストが名を連ねた。
ドラマー目線で今年のMAJを振り返ると、単にヒット作が評価されたというだけでなく、それぞれの作品を支えるプレイヤーたちの存在感が改めて浮かび上がってくる。今回は受賞作やノミネート作の中から、ドラマーに注目しながら2026年のMAJを振り返ってみたい。
サカナクション|「怪獣」:最優秀楽曲賞、
最優秀ロックバンド/ソロアーティスト賞、etc.
まず象徴的だったのは、最優秀楽曲賞をはじめ複数部門を受賞したサカナクション「怪獣」だ。楽曲の世界観を支えているのは、バンドのドラマーである江島啓一。サカナクションの楽曲はエレクトロニック・ミュージックとバンド・サウンドが高い次元で融合しているが、その中心には常に江島の安定したグルーヴがある。「怪獣」でも、緻密に組み上げられたサウンドの中でドラミングが確かな推進力となり、楽曲を前へと運んでいく。派手なプレイを見せるのではなく、楽曲全体を成立させるためのドラミングという意味で、改めて江島の重要性を感じさせる受賞だった。
Mrs. GREEN APPLE|最優秀アーティスト賞
最優秀アーティスト賞に輝いたMrs. GREEN APPLEも、ドラマー視点では見逃せない存在だ。近年のMrs. GREEN APPLEは圧倒的なソングライティングとアレンジ力でJ-POPシーンを牽引しているが、そのサウンドを足元から支えているのが河村吉宏である。ライヴやレコーディングを通じて長年バンドを支えてきた河村は、ロック、ポップス、ダンス・ミュージックが複雑に交差するMrs. GREEN APPLEの楽曲を、しなやかかつ力強いグルーヴで成立させている。音数の多いアレンジの中でも楽曲の芯を見失わない演奏は、現在のJ-POPシーンを代表するドラマーの仕事と言っていいだろう。
藤井 風|『Prema』:最優秀アルバム賞
最優秀アルバム賞を受賞した藤井 風『Prema』は、ドラマー目線ではまた異なる魅力を持つ作品だった。全編英語詞という挑戦的な内容に加え、本作には海外の実力派ミュージシャンが多数参加。楽曲によって異なるドラマーが起用されており、BADBADNOTGOODのドラマーとしても知られるAlexander Sowinskiをはじめ、Jacob Bugden、Luca Caruso、Liam Toonらが名を連ねている。アルバム全体を通して感じられる柔軟で国際的なグルーヴは、こうしたプレイヤーたちの存在なくして語れない。
また、会場で披露されたパフォーマンスでは、共にコーチェラのステージに立ったドラマー、佐治宣英がプレイ。ホーン&コーラス隊を従えた華やかなアレンジの中でも、決して主張し過ぎず、楽曲が求める呼吸感を丁寧に支えていたのが印象的だ。特にサビへ向かう場面でのダイナミクス・コントロールやシンバル・ワークは秀逸で、楽曲のスケール感を広げながらも藤井 風の歌を決して邪魔しない。間奏ではゴスペル的なエッセンスを散りばめるなど、世界基準のサウンドを志向する『Prema』の音楽性をライヴの現場で見事に体現した演奏だった。
HANA|最優秀ニュー・アーティスト賞
そして最優秀ニュー・アーティスト賞を獲得したHANAも、ドラマーにとって注目度の高い存在だった。彼女たちの作品を語る上で欠かせないのが堀 正輝である。近年のJ-POPやR&Bシーンにおいて欠かせない存在となった堀は、卓越したタイム感と音楽的な柔軟性を武器に数多くの作品へ参加。打ち込み主体のサウンドが一般化した現在においても、生演奏ならではの説得力と躍動感を楽曲へ与え続けている。HANAの躍進の背景にも、こうしたトップ・プレイヤーたちの仕事があることを改めて感じさせた。
日本の音楽シーンを支える
北海道出身のドラマーの存在
今回のMAJでは、北海道出身ドラマーたちの活躍が目立ったことも印象的だった。受賞したサカナクションの江島啓一やHANAを支える堀 正輝の他にも、星野 源を筆頭にジャンルを超えて活躍する石若 駿、そして伊吹文裕。伊吹はあいみょんを筆頭に、数多くのアーティスト作品やライヴ・サポートで活躍する日本屈指のセッション・ドラマーだが、今回のMAJでは授賞式に先立って開催されたPremiere Ceremonyにおいて、本間昭光率いるスペシャル・バンドのドラマーとして出演。受賞作品の裏側を支えるだけでなく、アワードそのものを音楽面から支える役割も担っていた。また、MAJ Timeless Echoに選ばれた山下達郎のライヴ・サポートを務める小笠原拓海も北海道出身。北海道で生まれ育ったドラマーたちが、受賞作品の演奏者として、ライヴ・サポートとして、さらには授賞式そのものを支える演奏者として活躍していたことは興味深い。
ドラマーにも光が当たったアワード
華やかな受賞結果に目が向きがちなアワードだが、その作品の裏には必ずプレイヤーたちの存在がある。今年のMUSIC AWARDS JAPANは、サカナクションの江島啓一、Mrs. GREEN APPLEを支える河村吉宏、HANA作品で存在感を放つ堀 正輝、ジャズとポップスを自在に往来する石若駿、そして授賞式の舞台も支えた伊吹文裕ら、優れたドラマーたちの活躍を改めて実感させてくれる機会でもあった。
アーティストや楽曲に注目するのはもちろんだが、“誰が叩いているのか”という視点で受賞作を聴き直してみると、また違った景色が見えてくる。MAJ 2026は、そんなドラマーたちの仕事にも光が当たったアワードだったと言えるだろう。
【主要6部門】
最優秀楽曲賞
怪獣 / サカナクション
最優秀アーティスト賞
Mrs. GREEN APPLE
最優秀ニュー・アーティスト賞
HANA
最優秀アルバム賞
Prema / Fujii Kaze
Best Global Hit from Japan
HYPNOTIZE / XG
最優秀アジア楽曲賞
【South Korea】Golden / HUNTR/X
【楽曲カテゴリー】
最優秀J-POP楽曲賞
IRIS OUT / 米津玄師
最優秀ロック楽曲賞
怪獣 / サカナクション
最優秀ヒップホップ/ラップ楽曲賞
doppelgänger / Creepy Nuts
最優秀R&B/コンテンポラリー楽曲賞
Prema / Fujii Kaze
最優秀オルタナティブ楽曲賞
声 / 羊文学
最優秀ダンス&ボーカル楽曲賞(グループ/ソロ)
Blue Jeans / HANA
最優秀ボーイズアイドルカルチャー楽曲賞(グループ/ソロ)
好きすぎて滅! / M!LK
最優秀ガールズアイドルカルチャー楽曲賞(グループ/ソロ)
とくべチュ、して / =LOVE
最優秀演歌・歌謡曲楽曲賞
僕らの口笛 / SHOW-WA & MATSURI
最優秀インストゥルメンタル楽曲賞
神様のメロディ / Kan Sano
最優秀ダンス・エレクトロニック楽曲賞 in association with JDDA
GALA / XG
最優秀アニメ楽曲賞
怪獣 / サカナクション
最優秀ボーカロイドカルチャー楽曲賞
匙ノ咒 / r-906
最優秀クロスボーダー・コラボレーション楽曲賞
2 (feat. Lee Youngji) / 星野源 / Lee Youngji
最優秀バイラル楽曲賞
好きすぎて滅! / M!LK
最優秀リバイバル楽曲賞
イケナイ太陽 / ORANGE RANGE
最優秀ロングヒット楽曲賞
怪獣の花唄 / Vaundy
Best Japanese Song in Asia
IRIS OUT / 米津玄師
Best Japanese Song in Europe
IRIS OUT / 米津玄師
Best Japanese Song in North America
IRIS OUT / 米津玄師
Best Japanese Song in Latin America
IRIS OUT / 米津玄師
【海外楽曲カテゴリー】
最優秀海外ポップス楽曲賞
Abracadabra / Lady Gaga
最優秀海外ロック楽曲賞
Smash It Like Belushi / Green Day
最優秀海外ヒップホップ/ラップ楽曲賞
Stop Playing With Me / Tyler, The Creator
最優秀海外R&B/コンテンポラリー楽曲賞
CHANEL / Tyla
最優秀海外オルタナティブ楽曲賞
Reliquia / ROSALÍA
最優秀K-POP楽曲賞
JUMP / BLACKPINK
Korean Popular Music特別賞
POWER / G-DRAGON
Thai Popular Music特別賞
My Heart Follows You / YOUNGOHM
Indonesian Popular Music特別賞
everything u are / Hindia
Vietnamese Popular Music特別賞
Bắc Bling / Hòa Minzy
Philippine Popular Music特別賞
Multo / Cup of Joe
【アーティストカテゴリー】
最優秀J-POPアーティスト賞
Mrs. GREEN APPLE
最優秀ロックバンド/ソロアーティスト賞
サカナクション
最優秀ヒップホップ/ラップアーティスト賞
Creepy Nuts
最優秀R&B/コンテンポラリーアーティスト賞
Fujii Kaze
最優秀オルタナティブアーティスト賞
羊文学
最優秀ダンス&ボーカルアーティスト賞(グループ/ソロ)
HANA
最優秀ボーイズアイドルカルチャーアーティスト賞(グループ/ソロ)
M!LK
最優秀ガールズアイドルカルチャーアーティスト賞(グループ/ソロ)
FRUITS ZIPPER
最優秀デジタルカルチャーアーティスト賞
ハチ
最優秀K-POPアーティスト賞
BTS
最優秀DJ賞 in association with JDDA
\ØU$UK€ \UK1MAT$U
【スペシャルアーティストカテゴリー】
MAJ Timeless Echo
山下達郎
演歌・歌謡曲 特別功労賞
北島三郎
【アルバムカテゴリー】
最優秀ロングヒットアルバム賞
HELP EVER HURT NEVER / 藤井風
最優秀ジャズアルバム賞
OUT THERE / 上原ひろみ Hiromi’s Sonicwonder
最優秀クラシックアルバム賞
Joe Hisaishi Conducts / 久石譲
最優秀サウンドトラックアルバム賞
国宝 オリジナル・サウンドトラック / 原摩利彦
【ライブカテゴリー】
ラージェスト・ライブ・オーディエンス賞(国内)
Snow Man
ラージェスト・ライブ・オーディエンス賞(海外)
Ado
【ライブスタッフカテゴリー】
最優秀ライブ美術大道具スタッフ賞 in association with 日本舞台技術スタッフ団体連合会
Mrs. GREEN APPLE「DOME TOUR 2025 “BABEL no TOH”」
PMGA / 日本ステージ株式会社 箕輪理博、安居宏記
最優秀ライブ照明スタッフ賞 in association with 日本舞台技術スタッフ団体連合会
サカナクション「SAKANAQUARIUM 2025 “怪獣”」
株式会社アカリセンター 本田祐介
最優秀ライブ音響スタッフ賞 in association with 日本舞台技術スタッフ団体連合会
サカナクション「SAKANAQUARIUM 2025 “怪獣”」
株式会社アコースティック 佐々木幸生、八木嘉己、笠井宏友
ライブスタッフ功労賞 in association with 日本舞台技術スタッフ団体連合会
舞台監督 金一浩司
【クリエイターカテゴリー】
最優秀ミュージックビデオ作品賞
サカナクション「怪獣」
MV Director:田中裕介
最優秀劇中伴奏音楽賞(映画)
『国宝』
原摩利彦
最優秀劇中伴奏音楽賞(ドラマ)
NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
牛尾憲輔
最優秀劇中伴奏音楽賞(アニメ)
オリジナルアニメ『LAZARUS ラザロ』
Kamasi Washington / Bonobo / Floating Points
最優秀アートワーク賞 in association with 日本グラフィックデザイン協会
サカナクション「怪獣」
平林奈緒美 / Martin Holtkamp
グランプリエンジニア賞 in association with PMRAJ
「acclimation」より「TFL」jjean
丸山武蔵(ミキシング&マスタリング・エンジニア)
学生クリエイター奨励賞 in association with 京都芸術大学
anna’s cradle / brooks
【一般投票カテゴリー】
ベスト・オブ・リスナーズチョイス:国内楽曲 powered by Spotify
GOD_i / Number_i
ベスト・オブ・リスナーズチョイス:海外楽曲 powered by Spotify
Don’t Say You Love Me / Jin
【アナログレコードカテゴリー】
最優秀アナログレコード・セールス特別賞
SONGS / SUGAR BABE
【共創カテゴリー】
カラオケ特別賞 カラオケ・オブ・ザ・イヤー:J-POP powered by DAM & JOYSOUND
好きすぎて滅! / M!LK
カラオケ特別賞 カラオケ・オブ・ザ・イヤー:演歌・歌謡曲 powered by DAM & JOYSOUND
大阪恋しずく / 水森かおり
リクエスト特別賞 推し活リクエスト・アーティスト・オブ・ザ・イヤー powered by USEN
櫻坂46
クリエイター特別賞 Song of the Year for Creators presented by JASRAC
大森元貴
ラジオ特別賞 Radio Rising Artist of the Year
Rol3ert
ファンダム特別賞 Best Fandom Artist powered by LINE MUSIC & Yahoo!検索
Mrs. GREEN APPLE
ファミリーソング特別賞 家族が選んだベストソング2025 powered by 家族アルバム みてね
好きすぎて滅! / M!LK