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無人島スネア – ジェットセイヤ[go!go!vanillas]

  • Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine Photo:Takashi Hoshino

#2 GRETSCH

USA Custom/14″×6.5″/メイプル6プライ

ジェットセイヤのメイン・キットと同じ、グレッチUSA カスタム・シリーズのスネア・ドラム。シェル内部にはグレッチ特有のシルバー・インテリア塗装が施されており、骨太なサウンドと、ハイ・ピッチにしたときのヌケの良さ、そしてパワー感が気に入っているとのこと。打面ヘッドは、トップにレモのアンバサダーX、ボトムにクリア・アンバサダーを装着。スナッピーは、ピュアサウンドの20本線をチョイス。入手した当初は主だって使うことはなかったそうだが、前作『THE WORLD』のレコーディングとツアーではメインで活用。メイプル材ながらもドライすぎないサウンドが、ロックの曲調にも合うとのこと。

キットと揃えて購入した
グレッチのUSAカスタム

2台目に選んだスネアは、グレッチのUSA カスタムです。これは今使っている同じシリーズのドラム・キットと一緒に買ったんですけど、最初はちょっとサウンドに “暴れ”がある印象だったので、1年くらい寝かせていました。しばらくはブルックリン(シリーズ)の深さ5″のスネアをメインで使っていたんですけど、クハラカズユキ[The Birthday]さんがグレッチのスネアを使っているのを見て……それでこのUSAカスタムを久しぶりに出してみたら、やっぱり良い音を鳴らせるスネアだなとあらためて感じたので、それ以来よく使うようになりました。

このスネアの魅力は、ピッチを高めにしたときのヌケの良さですね。前作『THE WORLD』のレコーディングから武道館ツアーまで使ったんですけど、特に「SUMMER BREEZE」という曲のレコーディングでは、パワーも安定していて、マイク乗りもすごく良かったのが印象に残っています。1〜2年使ったら、馴染んできたのかチューニングもしやすくなったので、今はハイ〜ミドル・ハイくらいのピッチで使っています。6.5″の深さなのでパワーも出せますし、材質はウッドなんですけど、サウンドはパサっとしすぎずウェットなところもあって、ロックな音も出せる感じがしますね。

#3 PEARL

80s Brass Snare Drum/14″×5.5″/ブラス

ドラムを始めて最初に手に入れたスネアで、小学生のときから20年以上愛用しているというパールのブラス・シェル。80年代半ばに生産されたものと思われる。打面ヘッドは、トップがレモのパワーストローク3で、ボトムはクリア・アンバサダーの組み合わせ。フープは当初ダイキャストだったそうだが、長年愛用するうちに曲がってしまったことから、現在はパールのマスターキャスト・フープに交換。シェルには色とりどりのステッカーが貼られている。スナッピーはカノウプスのヴィンテージスネアワイヤーの20本線。「ストレイナーも造りが丈夫で、シェル自体が守られている感じがします」とセイヤは語る。

20年来の相棒であり
“一生添い遂げたい”パールのブラス

最後はパールのブラスで、これは僕が人生で初めて手に入れたスネアです。ドラムを始めた小学生のとき、バンドをやっていた親父に長崎の楽器店で買ってもらったものなんですけど、そのときこのスネアと一緒に購入したセイビアンのハイハットと、TAMAのハイハット・スタンドも含めて20年くらいずっと現役で使っているんですよ(笑)。当時はこれほど重宝するとは思っていなかったので、自分でもびっくりしています。

このブラスは、昔はハイ・ピッチにしてロックの曲調に合うような使い方をしていたんですけど、低めにチューニングしてもすごく良い音が出るので、今は“ロー・ピッチ要員”としてレコーディングで愛用しています。実は酔っ払ったときに駅の階段を転げ落ちてしまったことがあって……そのときちょうど背負っていたこのスネアに、背中を守ってもらったんですよ。だから、僕にとって命の恩人みたいな存在でもあります(笑)。一緒に上京してきてから、スタイルや音色の変化も楽しみながら人生を共にしてきたスネアなので、一生添い遂げたいなと思っています。

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