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無人島スネア – ジェットセイヤ[go!go!vanillas]

  • Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine Photo:Takashi Hoshino

俺にとってスネアは“友達”
いろいろな現場に持っていく相棒的存在

プロ・ドラマーに、無人島に持っていきたくなるほどの“スネア愛”を語ってもらう人気連載コーナーがWebで復活! 通算126回目となる今回は、4人組バンド=go!go!vanillasでリズムの核を担うジェットセイヤが登場。彼がドラマー人生を共に歩んできた相棒的存在と語る3台を紹介しよう。

使ってみて実感した
名器=ラディック402の魅力

ジェットセイヤ:今持っているスネアは、全部で7台くらいです。グレッチのものが中心で、メタルとウッドの割合は半々くらいですね。楽曲によってスネアを使い分けたいので、音の傾向や深さはあまり偏らないようにしています。

最近は、ロー・ピッチの音も心地良く感じるようになってきましたけど、もともと鳴りが良くてハイ・ピッチなスネアの音が好きで、そういうサウンドにはすぐ耳がいってしまうんです。

20代前半の頃は、柏倉隆史[toe、木村カエラ、the HIATUS]さんの音に憧れてラディックのアクロライトを買ったり、中村達也[LOSALIOS、MANNISH BOYS]さんも使っていたスリンガーランドの深さ5″のスネアを試奏して、“この浅さであんなに大きい音が出るんだ!”と衝撃を受けたりもしましたね。

New Album『PANDORA』
ビクター VICL-65477

#1 LUDWIG

70s Supraphonic #402/14″×6.5″/ラディアロイ

2019年に入手し、ニュー・アルバム『PANDORA』のレコーディングでも使用したという、ラディックの名器=スープラフォニック#402。ブルー&オリーブ・バッジとシリアル・ナンバーから、1976年頃に生産されたものと思われる。セイヤによる手描きイラストが印象的な打面ヘッドは、トップがレモのコーテッド・アンバサダーで、ボトムにはアクエリアンのクラシック・クリアが張られていた。スナッピーは20本線のスナッピーをセレクト。フープは上下共にノーブル&クーリーのダイキャスト・フープが装着されているが、今作のレコーディングでは本来の仕様であるプレス・フープにつけ替えたとのこと。

今回は、無人島に持っていきたいスネアということで、自分と一緒に歩んできた“相棒”と呼べる3台を選びました。1台目は、2019年頃にロックイン新宿で買った、70年代ラディックの402です。フープは標準仕様のプレスからダイキャストにつけ替えられた状態で販売されていたんですけど、現行のLM402と叩き比べて気に入ったので、見つけたその日に購入を決めました。

昔から“名器”と呼ばれているスネアですけど、僕はそれまで、全然使ったことがなくて。初めて叩いたときは“良い音なんだけど、少し音が軽いかな?”という印象を受けたんです。でも前作『THE WORLD』の「雑食」のレコーディングで使ってみたときに、このスネアの魅力が本当によくわかりました。ライヴで使っても、PAスタッフに絶賛されるくらいマイク乗りが良いんです。

今作『PANDORA』では「倫敦」とか「ロールプレイ」でこの402を使いました。新作では、全体的にハイ・ピッチ〜ミディアムくらいのチューニングで録った曲が多いです。

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