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【Interview】ジョン・セオドアが語るクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ加入で変化した”ドラム観”

  • Photo:Kazumichi Kokei(Live)
  • Translation:Tommy Morley
  • Interview:Shinichi Takeuchi/Text:Rhythm & Drums Magazine

木製のドラムは好きになれないと
確信していたけど
もうゾッコンって感じで抗えなかったんだ
あまりにもグッドなサウンドだったからね

ドラム・キットについて、昨年のツアーではラディックのサテン・チャコール・シャドウのクラシック・メイプル・シリーズをプレイしていることをInstagramに投稿されていました。このキットを選んだ理由を教えてください。

ジョン 俺は長い間アクリルとステンレスのキットばかりを使ってきていて、木製のドラムはここ20年くらい使ってこなかったと思う。それがあるときから、YamahaやTAMAといった日本製のシェルに代表されるハイパワーでモダンなロックンロール・サウンドを求めるようになったんだ。今、名前を挙げたブランドのシェルは本当にハイパワーだよね。そこでラディックのウリ(へーネス)に「ああいったキットはないか?」と尋ねたらロサンゼルスまでやってきてくれて、ラディックのドラムをいろいろと試したんだ。それらの中でもクラシック・メイプルのドラムをプレイしたらすさまじくアメイジングで、サウンドもかなりラウドで叩き心地も最高だったんだ。

クラシック・メイプルのセットを用意してもらえることに興奮し、手に入れたブラック・サテンっていうカラーの名前は俺のステージ上での新たなニックネームになったんだ(笑)。かなり気に入っているよ。アメイジングなサウンドで、しっかりとそれが伝えられるし、とにかくワンダフルとしか言いようがないね。木製のドラムは好きになれないだろうと確信していたけど、もうゾッコンって感じで抗えなかったんだ。あまりにもグッドなサウンドだったからね。初めて叩いたときに、「すぐ用意してくれ!」って頼んだよ(笑)。

あなたは常々ヴィスタライトが最高だと仰っていましたよね。

ジョン 俺が今までヴィスタライトを使い慣れてきたのは、どのバンドでもステージ上に大きなアンプがあって、かなりラウドなサウンドだったからなんだ。ヴィスタライトはミッドレンジがかなり突き抜けてくる特徴的なサウンドで、(大きなアンプにも)ボリューム負けすることがなかったんだ。その一方でレコーディングするとなるとライヴと同じように扱う必要があって、マイクは接近して立てるのではなく、遠くからキット全体をねらうように立てる必要があった。

木製の方はかなりクリアでくっきりとしたサウンドで、ヴィスタライトとは違うところにキャラクターがある。ラウドさで言えば少し抑え目だとは思うけど、別の方向性のグッドなサウンドが得られるんだ。何ていうかアプリケーションがそれぞれ違うと思うんだよね。両者ともグレイトなドラムであることは間違いないけど、シースルーなドラムってそれだけでかなりエキサイティングだし、そういった意味でヴィスタライトほどにクールなものなんてないんだ。今でもヴィスタライトは最高にクールだからね!

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