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ビリー・ジョエルが16年ぶりに来日! 一夜限りのプレミアム公演を支える熟練ドラマーに迫る!!

  • Photo:Myrna M. Suarez/Getty Images

1月24日に東京ドームで16年ぶりの来日公演を行うビリー・ジョエル。「ピアノ・マン」、「アップタウン・ガール」、「ストレンジャー」、「オネスティ」など数々のヒット曲を世に送り出してきた、言わずと知れたアメリカを代表するシンガー・ソングライターである。

ビリー・ジョエルのドラマーと言えば、70年代の黄金期を支えた超絶ハード・ヒッターのリヴァティ・デヴィットをイメージする人も多いかと思うが、現在のツアー・ドラマーを担うのはチャック・バーギ。数々のアーティストをサポートしてきた、豊富なキャリアを持つ熟練のドラマーである。来たる東京ドーム公演に向けて、ここでチャックの経歴を簡単にまとめてみたい。

フュージョン、ハード・ロック、ラテン……
幅広いフィールドで活躍してきた熟練ドラマー

チャック・バーギは1952年生まれ。ニュージャージー州出身。アマチュア・ドラマーだった父親の影響でドラムを始めたという。ジーン・クルーパ、マックス・ローチ、エルヴィン・ジョーンズ、ミッチ・ミッチェル、リンゴ・スターなどに影響を受けたそうだ。

高校卒業後、バークリー音楽大学に進学するも、後にボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズのギタリストとなるアル・アンダーソンとの活動に注力するために中退。その後はセッション・ドラマーとしてキャリアを本格化させ、ダニー・トーン、アル・ディ・メオラらのライヴ/レコーディングでプレイ。

チャックの名前を最初に知らしめるきっかけとなったのが、イギリスのフュージョン・グループ、ブランドXでの活動だろう。ジェネシスのツアーに参加するため、一時的にグループを離れたフィル・コリンズの代わりに、78年リリース『Masques』のレコーディングに参加。音数の多いテクニカルなプレイを繰り広げている。

ブランドXを離れたあと、ダリル・ホール&ジョン・オーツをサポート。80年発表の『Voice』、81年発表の『Priveta Eyes』のレコーディングと、日本公演も含む大規模なワールド・ツアーにも参加。活動期間は2年と短かったが、本人にとってターニング・ポイントになったと後に語っている。

その後は自身が参加するバンド=バランスで活動する傍ら、セッション・ドラマーとしてマイケル・ボルトン、ボン・ジョヴィらの作品にクレジットを残している。そして83年にリッチー・ブラックモア率いるレインボーにも加入し、同年に発表された『Bent Out of Shape』に参加。翌年に行われた来日公演にも帯同し、『レインボー ライヴ・イン・ジャパン 1984』としてリリースもされている。

リッチーとロジャー・グローヴァーがディープ・パープルの再結成に参加するため、84年にバンドは解散となるが、ヴォーカルのジョー・リン・ターナーとは解散後も活動を共にしており、彼のソロ・デビュー・アルバム『Rescue You』では全編に渡ってプレイ。

80年代後半からは、ミートローフのツアー・ドラマーとして、数々のワールド・ツアーでプレイ。そして90年代はハード・ロック・バンド、ブルー・オイスター・カルトに参加。さらに95年には再始動したレインボーのワールド・ツアーにも帯同するなど、ハード・ロック・シーンで存在感を発揮。並行して97〜98年にはラテン・ブームを担ったエンリケ・イグレシアスのワールド・ツアーでもプレイしている。

ここまでのキャリアを振り返っても、アル・ディ・メオラ、ブランドXなどのジャズ/フュージョンから、ホール&オーツを筆頭とするポップ/ロック、ハード・ロックからラテンまで、幅広いフィールドで活躍。しかもそれぞれの分野のトップ・アーティスト達と共演していることから、チャックの実力がわかるのではないだろうか。

約18年に渡ってビリー・ジョエルの
ステージを支え続ける

ビリー・ジョエルのツアー・ドラマー抜擢のきっかけは、2002年に上演がスタートした彼の音楽を全面的に使用したミュージカル、MOVIN OUTへの参加。ブロードウェイで開催されているショーのレギュラー・ドラマーとなり、1,000回以上の公演で演奏したという。

ローリング・ストーン誌のインタビュー(こちら)によれば、このプロジェクトへの参加を打診したのが、ビリー・ジョエルのツアー・ギタリストであるトミー・バーンズで、ツアー・ドラマーへのオファーもまた、トミーを通じて話があったそうだ。

2006年1月のツアーからステージに立ち、以降、約18年に渡ってビリー・ジョエルをサポート。2014年からスタートしたマディソン・スクエア・ガーデンでの定期公演を筆頭に数々のステージを共にしてきた。

機材はTAMAのドラムとPAISTEのシンバルを使用。本人のHPにアップされている機材写真はStarclassic Mapleで、1バス、3タム、2フロア・タムに、20″のゴング・バスを配置。シンバルはシグネチャー・シリーズと2002シリーズを併用しているようだ。

タイトで堅実なドラミングで大編成バンドの屋台骨を担い、ビリーの歌を鼓舞してきたチャック。一夜限りのプレミアム公演でもベテランの妙技を披露してくれることだろう。

▼来日公演の詳細はこちら▼
https://billyjoel2024.udo.jp