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Archive Interview – コージー・パウエル ①
- Interview:Shinobu Tanno Photo: Jorgen Angel/Getty Images
僕はハード・ロック・ドラマーさ
それが自分のスタイルなんだよ
ドラマーは車のエンジンみたいで
バンドを引っぱっていかないとダメなんだ
●あなた自身のスタイルは、まぎれもないハード・ヒッターですよね?
コージー いろんなセッションに参加してきたけど、やっぱり主にパワフルなスタイルを基本にプレイしてきたよね。ジョン・ボーナムと親しくなってからは彼のプレイをよく研究したよ。やっぱり生のドラムを大きく鳴らすにはそれなりのテクニックが必要だ。
僕はバンドで何か頼まれたときには、できる限り全体にパワーを与えるように心がけている。そのために可能な限りシンプルにプレイするようにしているんだ。最近のドラマーはオーバー・プレイしすぎていると思うよ。細かいフィルインを入れたりね。ストレートにプレイできないんだ。大きな間違いだし、シンプルに徹することができなくて失業しちゃう連中が結構たくさんいると思うんだ。僕はグレイトなテクニシャンじゃないし、そういったものはヴィニー・カリウタやサイモン・フィリップスに任せておけばいいんだよ。彼らはグレイト・テクニカル・プレイヤーだよね。僕はハード・ロック・ドラマーさ。それが自分のスタイルなんだよ。
●ところで、その“パワー”なんですが、ただ単に強く叩くというわけじゃないでしょう?
コージー そうなんだ。まず使っているスティックが通常の2倍くらいの太さなんだ。そしてスネアはヤマハの“OOO”シリーズで、リム(切削リム)がとても強力にできている。そのリムとスティックのコンビネーションが非常に重要なポイントになっているわけなんだ。
ドラム・キットも特注でかなりサイズも大きく、(YD)9000シリーズとは材質が違うんだ。ジョン・ボーナムは誰よりも先に26″のバス・ドラムでプレイしていたよね? とにかくああいったパワフルなサウンドを得るためには、大きいサイズのドラム・セットは不可欠なんだ。もちろん大きすぎてもダメだ。28″のバスドラを使っている人もいるけど、やっぱり26″がギリギリの線だと思うよ。それをウッド・ビーターで思いっきり踏み込むわけだ。
ヘッドはかなり緩くチューニングしているから、ソフトに叩いていたんじゃ、音が死んでしまうんだよ。ドーンと踏み込んで、ビーターはヘッドにビシッとつけている。細かいフレーズでは通常すぐにビーターを戻さないといけないけど、そこでツーバスが威力を発揮するんだ。普通のツーバス・ドラマーは左右(の足を)バタバタさせるだけなんだけど、それじゃ意味がない。僕の場合はダブル・ビートが必要なときに、シングルでやるものをツーバスでやってパワー倍増というわけだ。ボンゾはそれを1本の足でやっちゃったんだからすごかったよ。僕には到底できないから2本の足でやるわけ(笑)。
●スティックの持ち方はいかがですか?
コージー 親指は絶対に上に向けないよ。親指を少しだけ内側に向けて、思いっきり叩いたあとスティックがほんの気持ち親指と人指し指のつけ根との間でずれるように握り、スティックの返りを吸収させるんだ。腕の動きはフル・アクションで、打った瞬間はほとんど肩がドラムの上まできているよ。
●良いドラマーになるための条件は何でしょう?
コージー “IDEDICATION(献身)”だよ。とにかくドラマーというのは時によってはひどい扱いを受けるもんだよ。体力的にも丈夫で、決意も強くないとダメだ。ドラマーは車のエンジンみたいで、バンドを引っぱっていかないとダメなんだ。
僕はドラムで生計を立てたかったから、プライベート・ライフなんてあってないようなもんだった。すべてがドラムをプレイすることに結びついていた。カーマイン(アピス)もそうしてきたし、トミー・アルドリッヂやエインズレー・ダンバーも同じだ。ロックのビッグ・ネームになっている連中は、みんなハード・ワーカーだよ。大変な仕事だと思うけど、同時にとても楽しいという実感もあるんだ。
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