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スティーヴ・ガッド流「Crazy Army」に挑戦!

  • Photo:Tsuneo Koga/Special Thanks:Blue Note Tokyo
  • Score & Text:Yusuke Nagano

ガッド流「Crazy Army」を徹底解説

ここからはガッド流「Crazy Army」に挑戦する上で、ポイントとなる4つのルーディメンツを中心に解説していこう! ウォーミングアップなどでこのフレーズが叩けたら、周囲から注目を集めること間違いなし!!

7ストローク・ロール&フラマキュー

冒頭部分から連続して繰り出されるきめ細かく美しいロール。この曲の印象的なフレーズの1つでもありますが、これらはすべて左手から始まる7ストローク・ロールで演奏されます。具体的なタイミングは、下記のEx-1に記したように、8分ウラから6打のダブル・ストロークで始まり、次の拍アタマの1打を加えて合計7打となります。タイミングを掴みづらい場合は、まず予備練習としてEx-2のようにロール部分を3連符に置き換えて演奏し、慣れてからダブル・ストロークに発展させると良いでしょう。

フラマキューと呼ばれるルーディメンツを、ウラ拍から始めるフレーズの流れも特徴的な部分。ノー・アクセントのフラムの直後に、左手でアクセントを演奏するのがポイントですが、このタイミングがこの曲の躍動感を際立たせます。


フラム・タップ&フラム・パラディドル

左右の3連打を組み合わせたルーディメンツであるフラム・タップは、リバウンドを生かした滑らかなニュアンスがポイント。ガッドのフォームと音色を観察して、しなやかな流れを真似したい部分でもあります。始まるタイミングは、拍のアタマからとウラ拍の2つのタイプがあります。

パラディドルにフラムを加えたフラム・パラディドル。片手の4連打が含まれる手順なので難易度も高く、それ故にウォームアップに適したルーディメンツといえます。左右のフラムのバランスを揃えるように心がけることもポイントです。


右足のダウン・アップによる16分連打

腿(もも)の1回の上下運動で2打の音を鳴らすキックのダウン・アップ奏法。これをフラム・タップと重ねる箇所は、ガッド流「Crazy Army」の見せ場となります。フラム・タップのアクセントを演奏する左右の前腕の動きと、腿の上下運動の流れをうまくリンクさせることがポイントです。


ダイナミクス表現

全体を通してダイナミクスに変化を加えていくこともドラマチックに演出するポイントです。スティックの上がる高さの変化や、打点の位置にも注目。特に冒頭部分は打面のかなり手前を叩いていることが確認できます。ガッドはインタビューで「フレーズを練習するときに、自分の叩きやすいレンジだけで心地良くなってはダメなんだ。もっと強く、またはもっと弱くと、いろいろなレンジで叩き分けて常に幅を広げる努力をすることが大切なんだ」と語っていましたが、その練習法を裏づけるような見事な抑揚変化が表現の肝となります。

【INFO】
#CrazyArmyを叩いてみた#ドラマガというハッシュタグをつけて、ガッド流「Crazy Army」の動画をSNS(Twitter、Instagram、TikTok)に投稿していただいた方には、ドラマガ公式アカウントでリツイートします! ぜひ挑戦してみてください!!

ガッドのシグネチャー・スネアで「Crazy Army」を叩いてみた!