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Lesson – ドラム譜面の基礎知識

  • Contents:Rhythm & Drums Magazine Text:Makito Yamamura

初心者ドラマー必見! ここでは、ドラムを始めたらぜひ身につけておきたい基礎知識の1つである“ドラム譜”についてわかりやすく解説。譜面が読めるようになると、ドラムの楽しさはさらに広がります。フレーズ系の教則本や楽曲のバンド・スコアを使った練習はもちろん、自分で譜面を書くことになったときのガイドにもなるので、ぜひ参考にしてみてください! 中〜上級者も要チェックです!!

ドラム譜の基礎知識

それでは、まずドラム譜に必要な基礎知識を見ていきましょう。厳格なルールというよりは、こういうガイドラインがあるのだと眺める程度で良いと思います。ここで紹介しているものは、簡略化のためにドラムに限定したものです。そこは注意してください。他の楽器の人達がどんなふうに譜面と接しているかを知ると、ドラムごときで譜面読めないと言ってんじゃないよ!と思うところもあります。精進精進。

イラスト:八重樫千尋

1)音符の各部名称

音符の玉、縦棒、旗や横棒など、小学校でも習うようなことですね。一応呼び方を覚えておきましょう。符尾というのは、旗も含んで表したり、縦棒を符幹と呼ぶこともあるようです。ここでは、ノート・ヘッド”、“ステム”、“ビームの3つを覚えてください。

2)ドラム符に使われるノート・ヘッド

ドラム符の場合、スネアやタムなどの皮モノと、シンバルやカウベルなどの金モノ、クローズド・リム・ショットなど、奏法によって“ノート・ヘッド”の形を変えて見やすくしています。また、ハイハットのオープンやクローズがあるのもよく知られていますね。楽器ではなくリズムを表すスラッシュもあります。

3)キーマップ(KeyMap)

キーマップは、5線を利用して書く場合に、どの音符がどの楽器かを表すためのものです。ドラム・マガジンでも使用されている標準的なものですが、教則本などでは書き方が少しずつ違っていることもあり、こうしたキーマップであらかじめ指定しているものが多いですね。バス・ドラムとスネアの位置は、現在流通しているドラム譜のほとんどがこれを使っています。シンバルに関して“H.H”や“Ride Cym.”などと場面によって記述する場合や、混在したフレーズの場合は音程差で表すこともあります。タムに関しても、状況に応じてというのが実状でしょう。これ以外にも、5線譜2段で表記したり、バス・ドラムとスネアだけを1線譜で表すような譜面もあります。

4)その他ドラム譜で使われる音符

ロール装飾音符ゴースト・ノートなどの記譜法もよく使われています。ドラム・セットの場合、譜面上で細かい指定をしないことも多いですが、マーチングの世界では複数のドラマーが同じ動き、同じサウンドを出すために、例えばリム・ショットの深さが指定されるなど、さまざまな音色や奏法が記譜指定されることもあります。

5)アーティキュレーション記号

アクセントスタッカートなどの記号もよく使われますね。“強く/弱く/短く/長く”というような捉え方ですが、“大事に!/丁寧に!/デッカク!/さらっと流す!”なんて表現の方がドラマーには伝わりそうです。誰かそんな記号を作りませんか(笑)。

6)ステムの向きと長さについて

ノート・ヘッドステムというのは1セットになりますが、このステムはオクターブの長さを基本として、第3線からは離れないというルールがあります。ドラム譜の場合は上下に分けた2声で書くため、実際の出版物を見ていると、見やすさを優先して変えている場合もあるようです。

ドラム譜のスタイル

ノート・ヘッドやキーマップなど、ドラム・セットの演奏を表すための決まりごとの次に、実際に使われているドラム譜のスタイルを見ていきましょう。バンド・スコアや音楽雑誌、教則本など国内外問わず見てみるといろいろあるものです。ここでは、よく使われつつ、ドラマーが使い分けることに意味のあるスタイルの違いを紹介します。

1)日本式

ドラム・マガジンも含め、日本のポピュラー・ミュージック出版業界でもよく使われている形式だと思います。4ビートの奏法から始まって、みなさんも見慣れているのではないでしょうか。この方式は、上向きの音符が上半身=両手の演奏する音符下向きは下半身=両足の演奏と見ることができます。ドラムの練習をするときに、身体の動きと結びつけやすかったり、下半身は固定された音型を繰り返しながら、両手で自由に叩くオスティナート・フレージングなどは記譜しやすいでしょう。

2)アメリカ式 Aタイプ

アメリカの教則本は、譜面も千差万別だったりします。“めっちゃ手書きやん!”というものから、タイプ・ライターを利用したもの、浄書まで、しかも要点だけに絞った簡素な記譜法や、手順と組み合わせたオリジナルな記譜法のものもあったり。その中で、1つ特徴があるのがこの書き方で、シンバルだけが上向きで、バス・ドラムとスネアが下向きになっています。この書き方は、バス・ドラムとスネアの流れを読みやすく、そこがグルーヴの中心なんだという意志も見えてくるようです。

3)アメリカ式Bタイプ

そしてもう1つは、すべての音符をつなげて1声で書いたものです。これは音符の縦軸の関係がわかりやすく、2声の煩わしさや休符を使う頻度が減るなどの利点もあります。神保 彰さんは、この方法の延長とも言える独創的な記譜法を、コピーに活用されていますね。浄書という意味よりも、ドラマーが試行錯誤してリズム・パターンやフレーズを考えるのにも向いていると思います。

★長所を使ってハイブリッドもアリ

これらの書き方を、場面に応じて使い分けるのもアリではないでしょうか。シンバルが一定でバス・ドラムとスネアに変化が多いとき、バス・ドラムは一定でハイハットやスネアが変化するとき、手足のコンビネーションが複雑なフレージングのときなど、その内容によって、見えやすく読み取りやすく書きやすいものを選択するのです。

Column なぜ8ビートは“2/2表記”なのか

みなさんがよく目にする8 ビートの譜面は、ビームが2拍ぶんつながって書かれていることが多くあります。本来4/4拍子であれば、拍ごとにつなげれば良いのですが、どうして2拍単位でつなげているのでしょうか。これには4拍子の曲の中で、ドラムは大きく2拍子でノるというアフター・ビートの性格やロック・ドラムの捉え方が潜んでいると言えますね。

ウラ(オフ・ビート)にアクセントを置くアフター・ビート。ドラムは大きくビートを出すということを暗示。見やすさにおいても、リズム・パターンとしてのグルーピングが見えやすい。

ビギナー必見! 3000円で“できるドラマー”になれる教則本

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