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    岩瀬立飛がドラム・セットで叩く“世界のリズム” #18 – 中東系のリズム①

    世界中のリズムを研究する名手=岩瀬立飛が、各国のリズムをモチーフとしたパターンをドラム・セットで演奏&解説した、ドラマガ2011年10月号の特集“世界のリズム”。ドラマガWebではその一部を、演奏音源つきで地域ごとに紹介! 今回は「中東系のリズム」! エキゾチックな雰囲気の溢れるこの地域だけに、神秘的な響きを持つこのリズムをドラム・セットで実演して紹介していきます!

    #18 中東系のリズム①

    中東系のリズム その1 べレディ/マクスーム

    ベリーダンス、アラビアンナイト、月の砂漠、キャラバンラクダ……ダラブッカ基本リズム(べレディ/Ex-1)からドラム・セットのアプローチ(Ex-2)に変化していきます。はじめは“よよいのよい!”みたいに日本的でもありますが、最後はカッコ良くなりましたよね。ダサく聴こえるかどうかはやり方の問題です。パターンのせいにしてはダメ(笑)。

    ▲Ex-1/0:00〜
    ▲Ex-2/0:12〜

    次にレバノンを中心にほとんどの中東ポップスのパターンがマクスーム(Ex-3、4)です。基本は“DT●TD●T●”で、Dは“ドゥン、Tは“ター”と歌います。これに32分音符的なものを隙間(●の部分です)にどんどん突っ込むとさらに感じが出ます。ちなみに前出のベレディは“DD●TD●T●”が基本形で、発展のさせ方はまったく同じ。

    ▲Ex-3/0:00〜
    ▲Ex-4/0:07〜

    中東系のリズム その2 マクスームのバリエーション

    Ex-5〜7はテンポの速いマクスーム。32分音符が散りばめられ、手順が“●LRL●RLR”とオルタネートでないので難しくなります。レゲトンやソカに似たマルフーフと呼ばれるリズムもあり、北アフリカ、イスラム圏の音楽はこちらに近いかもしれません。今の音楽に中東の要素は欠かせないものとなっており、ヒップホップ、ハウス、テクノに大きな影響を与えています。また、Ex-8は比較的遅いテンポでのマクスーム。かなり省略してニュアンスだけ残した感じです。細かい音符はさりげなく入れること。参考にレバノンの歌姫、ナンシー・アジュラムをぜひ聴いてみてください。

    ▲Ex-5/0:00〜
    ▲Ex-6/0:08〜
    ▲Ex-7/0:12〜
    ▲Ex-8/0:00〜

    岩瀬立飛がドラム・セットで叩く“世界のリズム” – BACK NUMBER

    #1:キューバ系のリズム①

    #2:キューバ系のリズム②
    #3:キューバ系のリズム③
    #4:キューバ系のリズム④
    #5:カリプソ系のリズム
    #6:ブラジル系のリズム①
    #7:ブラジル系のリズム②
    #8:ブラジル系のリズム③
    #9:レゲエ系のリズム①
    #10:レゲエ系のリズム②
    #11:その他の中南米系のリズム①
    #12:その他の中南米系のリズム②
    #13:ニューオーリンズ系のリズム
    #14:ジャズ系のリズム①
    #15:ジャズ系のリズム②
    #16:アフリカ系のリズム①
    #17:アフリカ系のリズム②

    ◎Profile
    岩瀬立飛(Tappi Iwase):愛知県出身。14歳でドラムを始め、日野元彦、坂田 稔に師事。高校では吹奏楽部でパーカッションを担当。その後、1988年に渡米。ピーター・アースキンやデヴィッド・ガリバルディに教えを受けながら、現地でライヴ、レコーディング活動を展開。帰国後、現在に至るまで自身のバンドである。Nervioや宴での活動の他、エリック宮城バンドをはじめ、さまざまなセッションで活躍中。

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