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岩瀬立飛がドラム・セットで叩く“世界のリズム” #12 – その他の中南米系のリズム②

世界中のリズムを研究する名手=岩瀬立飛が、各国のリズムをモチーフとしたパターンをドラム・セットで演奏&解説した、ドラマガ2011年10月号の特集“世界のリズム”。ドラマガ Webではその一部を、演奏音源つきで地域ごとに紹介! 前回に引き続き、「中南米系のリズム」をさらに深堀りします! ワルツやタンゴなど、ドラム・セットではなかなかやることのないリズムを実演した音源、パターンを一挙解説‼︎

#12 その他の中南米系のリズム①

その他の中南米系リズム その5 ガイタ・ホローポ(ベネズエラ)

ワルツは「ブン・チャッ・チャッ」ですが、このリズムは「チャッ・ブン・ブン」で、2拍子で感じます。バス・ドラムにあたる楽器は3パートあり、1つは前記のブン、2つ目は8分音符の2個目と5個目(4分打ちが聴こえてきたら、その8分音符前が拍アタマ)3つ目は“ザンボンバ”というクイーカの巨大お化けで、“ブーン”という音を出し続けるのみ。

▲Ex-1/0:00〜、Ex-2/0:11〜

Ex-1〜2までまとめて聴いてみよう!

ガイタ・ホローポ(ベネズエラ)をドラム・セットで聴くとこうなる!

その他の中南米系リズム その6ワルツ(メキシコ)

メキシコにはマリアッチがあり、音型はペルーのフェステホに近いもの、ポルカっぽいものがあります。このワルツでは2拍目がちょっと早めです。しかし、この国は太鼓をあまり使わない……というわけで、とりあえず汎用性のあるパターンを提示しておきます。

▲Ex-3/0:00〜

その他の中南米系リズム その7グアラニア(パラグアイ)

ある方がこれはグアラニアと教えてくれましたが、本来は朗々とした曲が多いので本当かどうか自信ないです。しかし中南米全域に共通して存在するリズムでもあります。これは明らかに3拍子で感じてOK。

▲Ex-4/0:00〜

その他の中南米系リズム その8タンゴ1(アルゼンチン・コンチネンタル)

タンゴはドラム使用禁止音楽ですが、特徴のあるリズムがゆえ“タンゴはこのようなパターンです!”とドラムで実演してしまいます。明らかに詐欺行為です(笑)。便宜上このパターンと後述の2つを呼び分けしていますが、本家と分家みたいなもので、用途も感じも変わりません。変わるのは“ねちっこさ”ぐらいでしょうか。

▲Ex-5/0:00〜
▲Ex-6/0:10〜

Ex-5〜6までまとめて聴いてみよう!

タンゴ1(アルゼンチン・コンチネンタル)をドラム・セットで聴くとこうなる!

その他の中南米系リズム その9タンゴ2(リベル・タンゴ)

もう1つのリズム、リベル・タンゴになると、だいたいこういった3-3-2のリズムで進んでいきますね。中には速いシンバル・レガートを使って、カッコ良く演奏している人もいました。もともと打器が存在しない音でのドラム・セットを使ったアプローチですから、かえって発想の自由度が高いですね。

▲Ex-7/0:00〜
▲Ex-8/0:10〜
▲Ex-9/0:22〜

Ex-7〜9までまとめて聴いてみよう!

タンゴ2(リベル・タンゴ)をドラム・セットで聴くとこうなる!

岩瀬立飛がドラム・セットで叩く“世界のリズム” – BACK NUMBER

#1:キューバ系のリズム①

#2:キューバ系のリズム②
#3:キューバ系のリズム③
#4:キューバ系のリズム④
#5:カリプソ系のリズム
#6:ブラジル系のリズム①
#7:ブラジル系のリズム②
#8:ブラジル系のリズム③
#9:レゲエ系のリズム①
#10:レゲエ系のリズム②
#11:その他の中南米系のリズム①

◎Profile
岩瀬立飛(Tappi Iwase):愛知県出身。14歳でドラムを始め、日野元彦、坂田 稔に師事。高校では吹奏楽部でパーカッションを担当。その後、1988年に渡米。ピーター・アースキンやデヴィッド・ガリバルディに教えを受けながら、現地でライヴ、レコーディング活動を展開。帰国後、現在に至るまで自身のバンドである。Nervioや宴での活動の他、エリック宮城バンドをはじめ、さまざまなセッションで活躍中。

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