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    10月25日は菅沼孝三氏の誕生日|“手数王”がドラマガに残した言葉と記録【Special Archive】

    • Text:Isao Nishimoto

    10月25日は、2021年にこの世を去った菅沼孝三氏の誕生日。並外れた探究心と努力に裏づけられたテクニカルなドラムで名を馳せ、オールラウンダーとして活躍した孝三氏。教則作品やセミナー・イベント、自身が主宰する“菅沼孝三ドラム道場”を通してドラムの普及/啓蒙にも力を注いだ。ドラム・マガジンに登場いただいた回数もトップ・クラスで、以下にピックアップした記事からも、その幅広さと中身の濃さに圧倒される。ぜひサブスク読み放題サービス(月額990円/いつでも解約可能|こちら)で全文を読み、ドラムへの愛情に溢れた言葉の数々に触れてほしい。

    数々の教則企画につながる原点がここに
    (1986年7月号|No.15)

    創刊4年目の号に掲載された特別企画『プロが教える弱点克服術』。つのだ☆ひろ、長谷部徹、ファンキー末吉と並んで、苦手なリズムに取り組むためのヒントをわかりやすく綴っている。どんなドラマーにも当てはまる基礎を伝えながら、奇数連符や変拍子へのアプローチにも言及しているところは孝三氏ならでは。後にドラム・マガジンでは数えきれないほどの教則企画に登場していただいたが、その原点を感じさせる記事だ。

    “手数王”初表紙を飾った印象的なモノクロ写真
    (1995年3月号)

    当たり前のように使われる孝三氏の愛称“手数王”は、1992年に発売された教則ビデオの題名から始まった。そのシリーズ3作目(孝三氏の映像作品としては4作目)となる『手数王 実践ライブ篇』がリリースされた1995年に、ドラム・マガジン初表紙が実現。記事はドラム・セット徹底解剖と、自身による収録曲の解説で構成されている。ドラム越しの孝三氏をソフト・フォーカスで撮ったモノクロ写真の表紙は強い印象を残した。

    初リーダー作『KOZO』発表! 千手観音に変身!?
    (2001年8月号)

    孝三氏が2度目に単独表紙を飾ったのは、初のリーダー・アルバム『KOZO』が発表されたタイミング。矢掘孝一(g)やリンカーン・ゴーインズ(b)らと共にニューヨークでレコーディングされた同作についてのインタビューや最新愛用楽器の紹介、お馴染みの自身による収録曲解説など、盛りだくさんの内容をカラー8ページに凝縮。さらに、手数王→千手観音というイメージを表現した表紙写真が再び強烈な印象を残した。

    インスト・トリオから
    民族音楽まで広がる“孝三ワールド”
    (2006年5月号)

    矢掘孝一、水野正敏(b)とのトリオFRAGILEの9th『PHANTOM』と、ディジュリドゥ奏者河田嘉彦とのデュオDrum’n Didgeriのアルバム・リリースに合わせて行われたインタビュー。ハイパー・インストから民族音楽的アプローチまで、孝三氏の幅広い守備範囲を感じさせる記事だ。同年4月号に掲載された付録CD連動の特別企画『ディジュリドゥ・マジック』でもDrum’n Didgeriを全面的にフィーチャーしている。

    ギャグと臨場感に溢れた名物“旅日記”シリーズ
    (2007年12月号)

    YamahaやZildjianの企画でアジア諸国を回るクリニック・ツアーも、孝三氏が精力的に取り組んだ仕事の1つ。その様子を、臨場感(とギャグ)たっぷりに綴った“旅日記シリーズ”も本誌の好評企画だった。これはその第10弾。毎回ハードなスケジュールの中、密度の濃い内容を届けてくれる孝三氏を“いつ寝ているんだろう?”と心配しながら、大量の写真と文章を誌面にどう収めるか編集部は四苦八苦していたとかいないとか……。

    超絶技巧とユーモアが融合した
    『変態ハイテク・ドラム講座』
    (2010年6月号)

    孝三氏がドラム・マガジン誌上で真骨頂を発揮したのが教則企画。単発の記事にも多く登場していただいたが、この号からスタートした連載『変態ハイテク・ドラム講座』は、後に書籍化もされるヒット企画となった。本誌ベテラン執筆者の1人であるドラマー菅沼道昭と交互に担当する形で、高難度テクニックの研究や実践の成果を惜しみなく披露。もちろん随所にギャグを盛り込むことも忘れず、楽しみながら読める内容だった。

    父娘の絆とリスペクトが伝わるSATOKOとの共演
    (2014年10月号)

    孝三氏の次女で、所属バンドThe&や幅広いサポート・ワークで活動中のSATOKO。この号では、付録CD連動企画の一環で父娘ツイン・ドラム共演が実現した。レコーディング後に行われた対談では、仲の良さとお互いへの尊敬を感じさせるトークに思わず頬が緩む。この2人には、2009年に開催された第1回リズム&ドラム・マガジン・フェスティバルにも出演していただいており、その様子は同年4月号でレポートしている。

    愛弟子・川口千里との対談で見せた師匠の素顔
    (2015年10月号)

    坂東 慧(T-SQUARE)、今井義頼(CASIOPEA/有形ランペイジ)、影丸(-真天地開闢集団-ジグザグ)など、第一線で活躍する孝三氏の門下生ドラマーは数多い。その1人である川口千里との対談を行ったのがこの号。“千里ちゃんの演奏は自分のスタイルに近い”という孝三氏が川口に向ける眼差しは優しく温かい。2022年4月号の追悼企画では、そんな門下生たちへのインタビューも掲載しているのでそちらも読んでみてほしい。

    還暦記念特集で振り返る半世紀のドラマー人生
    (2019年12月号)

    60歳=還暦を迎えたタイミングで企画された、カラー12ページの大特集。ちなみに、この号の発売日がちょうど誕生日だった。半世紀におよぶドラマー人生を幼少期から振り返ったロング・インタビューを筆頭に、縁の深いミュージシャンから寄せられた“御祝辞”、膨大な活動歴を俯瞰する作品/出演リスト、歴代使用機材の紹介など、読み応え満点の内容となっている。本人提供による貴重な写真の数々も必見だ。