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    同期と共生する“現代”のドラマーたち #1 大井一彌【Archive Interview】

    • Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine、Isao Nishimoto(equipment) Photo:Takashi Yashima(portrait)

    生身の人間がクリックを聴きながら
    演奏する上で、ジャストは正義

    大井 主に自分のバンドでは同期のトラックを自分達で用意して鳴らしています。yahyelではマニピュレーションを僕が担当していて、基本的に自分で同期の管理をやっているんですけど、それ以外のサポート現場に関しては、マニピュレーターの方がいらっしゃることが多いので、用意してもらいます。あとは例えばTHE SPELLBOUNDなんかは同期トラックを中野(雅之)さんが作りつつ、僕がそれをエディットさせてもらったり。他のアーティストの現場でもトリガーするサンプルを自分で作ったり、そういうこともありますね。

    大井 僕はずっとAbleton Liveです。大学生くらいの頃からなんですけど、DATSやyahyelのメンバーは昔からの友達で、みんなAbletonを使っていたんです。シンセのフレーズを同期で流すことになったのが最初で、そのときはインターフェースから同期を流して、クリックはインターフェースの別OUTからドラマーの耳に送るというシステムでしたね。基本的な仕組みは今もそんなに変わっていないです。

    メインのPCやオーディオ・インターフェースは僕の手元に置いて、例えばyahyelだったら、シンセ、コーラス、ベース、リズム系のLRがそれぞれあって、あとはバンド・メンバーに送るクリック・チャンネルと、僕だけに送るクリック・チャンネル、ヴォイス・キュー、実機シンセを鳴らすためのMIDIOUTチャンネルがあって……という感じですね。

    大井 基本的にはそうです。同期が流れる現場でのグルーヴは、クリックというマスターがいるので、それに対してズレることは許さないんです。でもその中で揺れ動くこと自体は問題ないです。とはいえ、生身の人間がクリックを聴きながら演奏する上で、ジャストは正義だとは思いますね。

    大井 ひたすら自分の音を録って聴くことだと思います。音を出す瞬間だけで終わらせず、その演奏を録音して聴くことが重要だと思っていて、DAWが使える環境だったら、グリッドから何msecズレているかが(視覚的に)確認できるじゃないですか。そうすることで自分の苦手な傾向がわかるんですよ。2拍目のスネアが速くなる癖があるなら、遅くしてみればいい。僕はそれを繰り返してきました。

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