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岩瀬立飛がドラム・セットで叩く“世界のリズム” #19 – 中東系のリズム②
世界中のリズムを研究する名手=岩瀬立飛が、各国のリズムをモチーフとしたパターンをドラム・セットで演奏&解説した、ドラマガ2011年10月号の特集“世界のリズム”。ドラマガWebではその一部を、演奏音源つきで地域ごとに紹介! 今回も「中東系のリズム」! トルコ、モロッコ、マケドニアなど……各国ごとの特徴的なリズム・パターンを、ドラム・セットで実演して紹介していきます!
#19 中東系のリズム②
中東系のリズム その3 – トルコの7拍子リズム
トルコのリズムで7拍子ですが、現地の人は7連符の連続としか感じてないようです。踊りを見ると3と4に分けて、1拍目は短く、2拍目は長い2拍子を感じているようでもあります。ドラムに応用するには2小節1パターンとしてやるのが面白いかと思います
中東系のリズム その4 – シャアビ/グナワ(モロッコ)
Ex-2〜4はシャアビというスナッピーつきフレーム・ドラム(タンバリン型)で行われる基本リズム。拍のアタマはどこかいまだに議論がありますが……。6/8で、2拍子で感じ、手拍子はそこで打つ。とにかく1拍目にほとんど音がないので、よく聴いて慣れないことには始まりません。モロッコには世界のリズムの原型とも言えるものが多く存在し、フェステホ、マリアッチ、マラカトゥ、ガイタ、フラメンコにも共通点があります。すべての起源はこの地域だと思います。
Ex-5はそのバリエーションで、より西アフリカの影響を受けたもの、3-2のソン・クラーベも出てくることがあります。ごく簡単な説明しかできませんが、中高域の音の楽器は6/8的、中低域は16分音符的で同時進行しています。
Ex-6はグナワというリズムで、西アフリカの奴隷によって持ち込まれたものらしく、3連符でも16分音符でもないものだらけ(下手に聴こえるだけかも……)。他にもブラジル音楽訛りとそっくりのものが多く存在します。
中東系のリズム その5 – マケドニア風リズム
マケドニアのリズムで、トルコのあたりから上陸し、出来上がったものだと思います。ブラス・バンドっぽい編成、西洋音楽的編成が多いのに対して、出てくるリズムはイスラムのものばかり。スネアが結構レイド・バックしていて、ネバった感じの7拍子です。
岩瀬立飛がドラム・セットで叩く“世界のリズム” – BACK NUMBER
■#1:キューバ系のリズム①
■#2:キューバ系のリズム②
■#3:キューバ系のリズム③
■#4:キューバ系のリズム④
■#5:カリプソ系のリズム
■#6:ブラジル系のリズム①
■#7:ブラジル系のリズム②
■#8:ブラジル系のリズム③
■#9:レゲエ系のリズム①
■#10:レゲエ系のリズム②
■#11:その他の中南米系のリズム①
■#12:その他の中南米系のリズム②
■#13:ニューオーリンズ系のリズム
■#14:ジャズ系のリズム①
■#15:ジャズ系のリズム②
■#16:アフリカ系のリズム①
■#17:アフリカ系のリズム②
■#18:中東系のリズム①
◎Profile
岩瀬立飛(Tappi Iwase):愛知県出身。14歳でドラムを始め、日野元彦、坂田 稔に師事。高校では吹奏楽部でパーカッションを担当。その後、1988年に渡米。ピーター・アースキンやデヴィッド・ガリバルディに教えを受けながら、現地でライヴ、レコーディング活動を展開。帰国後、現在に至るまで自身のバンドである。Nervioや宴での活動の他、エリック宮城バンドをはじめ、さまざまなセッションで活躍中。
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