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    【連載】博士 山本拓矢がデジマートで見つけた今月の逸品 ♯13 〜REMO 314SA〜

    • Photo & Text:Takuya Yamamoto
    • illustration:Yu Shiozaki

    第13回REMO 314SA

    ドラム博士=山本拓矢が、定番商品や埋もれた名器/名品など、今あらためて注目すべき楽器たちを、楽器ECサイトであるデジマート(https://www.digimart.net/)で見つけ、独断と偏見を交えて紹介する連載コラム。第13回目は博士が2022年に気になった新製品に触れつつ、今年最後の逸品を選んでもらいました!

    いつもお読みいただき、ありがとうございます! 本誌での新製品レビューとは異なる切り口で、既存の製品にスポットを当てて紹介していくという本企画。おかげさまで、この度、連載記事として無事1周年を迎えました!

    流行を踏まえた新鮮さと、いつ見ても変わらない価値のある情報になることを心がけて、周辺の情報も織り込みながら執筆してきましたが、皆様のお役に立てたでしょうか。

    さて、今年もいろいろな楽器を試しました。新たに導入した機材もありましたが、個人的には、2020年にフル・サイズで導入したGretschのBroadkasterの出番が増え、主に手持ちのシンバルやスネアとの相性を確認した1年でした。同じ楽器でも、組み合わせ次第で、振る舞いや機能が変化するのが、ドラム・セットの面白いところですね。

    今回はまず、2022年に登場した楽器を振り返りながら、注目ポイントをまとめてみます。

    博士が気になった2022年の新製品

    先日発売されたSABIANの40th AnniversaryのRaw Bell Rideは、とても印象的な楽器でした。ここ数年は、薄くてドライなタイプのシンバルを使用する機会が増えていましたが、今年はトラディショナルなスタイルの楽器への回帰が起きていた事もあり、そのベクトルに対して求めていた要素を備えた、新しい楽器の登場には驚きがありました。

    また、実物は試せていませんが、2020年ごろから多用しているFlat Rideについて、PAISTEから大々的にリリース&再リリースが行われたことも、大きな関心を向けています。

    Zildjianは、2020年にスタートしたConcept Shopの製品として登場したのち、レギュラー・ラインナップに加わったFX Raw Crash(真円形にトリミング加工されていないため、形状には1枚1枚個体差あり)が上陸を果たし、新たな手法による新製品の発表が続いています。開発体制も大きな変化があったようで、今後の製品が楽しみな状況にあります。

    SABIAN Raw Bell Ride
    PAISTE Formula 602 Classic Thin Flat Ride
    ZILDJIAN FX Raw Crash(Large Bell)

    年始にSTAR ReserveシリーズからStave Ashを発売したTAMAは、以前より力を入れている低価格帯のS.L.P.シリーズに注目しています。昨今の円安基調により、海外ブランドの楽器の値上げが進む中、比較的リーズナブルに幅広い選択肢を備えており、今後業界を牽引してゆく製品群になるかもしれません。

    本誌でも紹介した、Matt McGuire Signature Snare Drumのような、最新のインフルエンサーをフィーチャーした楽器と、PRESIDENT SERIES DELUXEという、往年の楽器をレギュラー化したPearlからも目が離せません。

    TAMA S.L.P. G-Maple
    PEARL Matt McGuire Signature Snare Drum

    ざっと書き出してみましたが、これ以外にもYamaha、SAKAE OSAKA HERITAGE、CANOPUS、Ludwig、Gretsch、SONOR、DW、NATAL、Noble & Cooley、British Drum Co.、MEINL、KOIDE、REMO、EVANS、aspra、emjmodなど、たくさんのメーカーの楽器が流通しています。

    また、Craviottoのように流通量が少なく、個体ごとの個性が魅力にもなっている楽器もあり、取り上げづらいものもあります。

    2022年にレビューした新製品はこちらから

    あらためてバックナンバーをチェックしてみると、歴史的な為替の変動もあり、気軽に勧められる価格帯ではなくなってしまった楽器もありますが、一度買ってさえしまえば、あとは使うだけなので、必要なとき、欲しいときが買いどきです。引き続き、オススメできる楽器を紹介して参りますので、気になったものがあれば、ぜひ試してみてください。

    最後に今月の逸品として、スネアの大掃除がてらお試しいただきたいヘッドを紹介します。REMO314SAです。

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