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    【R.I.P.】エルヴィス・プレスリーらを支えた名ドラマー、ロン・タット死去

    • Photo:Taylor Hill /Getty Images

    エルヴィス・プレスリーを筆頭に、ビリー・ジョエル、ジェリー・ガルシア、ニール・ダイアモンドなど、数多くのビッグ・ネームを支えた名ドラマー、ロン・タット(Ron Tutt)が10月16日にこの世を去った。享年83歳。

    ロン・タット(ロニー・タット)は1938年生まれ。テキサス州ダラス出身。母親の影響で幼少の頃からタップ・ダンスを習い、初めて手にした楽器はウクレレだったそうだ。ギター、ヴァイオリン、トランペットなど、さまざまな楽器を演奏していたロンがドラムを始めたのは高校時代で、ジーン・クルーパ、バディ・リッチ、ルイ・ベルソンなどに影響を受けたという。カントリーやディキシーランド・ジャズなどをプレイし、進学したノース・テキサス大学ではビッグ・バンドにも参加。その後はジングル(コマーシャル音楽)の仕事も数多くこなしたそうで、それらの経験が後に加入することとなるエルヴィス・プレスリーのバンドで役立ったと語っている。

    2018年に行われたロンのインタビュー

    ロン・タットの名前が知られるようになったのは、やはりエルヴィス・プレスリーでの活動だろう。コンサート活動への本格復帰を考えていたエルヴィスのツアー・バンド・オーディションに合格し、エルヴィス命名の“TCB Band”のドラマーとして69年からそのキャリアをスタート。ライヴだけでなくレコーディングにも起用され、77年にエルヴィスが亡くなるまで、メイン・ドラマーとしてサウンドを支え続けた。

    セッション・ドラマーとしてもジェリー・ガルシア(グレイトフル・デッド)を皮切りに、デラニー &ボニー、ビリー・ジョエル、エルヴィス・コステロ、ジョニー・キャッシュ、カーペンターズ、エミルー・ハリスなど、さまざまなアーティストと共演。80年代からはニール・ダイアモンドのドラマーとして、ライヴ/レコーディングに参加。長年に渡り活動を共にし、2012年に行われたライヴ映像でもその姿が確認できる。

    アメリカの国民的シンガー、ニール・ダイアモンドを長年に渡りサポート
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    ニールとの活動と並行して、再結成したTCBバンドのメンバーとしても活躍。エルヴィスの楽曲を演奏するツアーを世界各国で行い、99年には来日公演も実施。近年もTCBバンドとして定期的なツアーを行っており、Facebookを確認すると、今年3月にはレコーディングにも参加していた模様。まだまだ健在ぶりを発揮していただけに、今回の訃報は本当に残念である。

    心よりご冥福をお祈りいたします。