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バンド・サウンドの核に迫る! 真太郎[UVERworld]Anniversary Interview〜前編〜
- Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine Photo:Takashi Hoshino
シンプルに削ぎ落としていった曲だと
自分の感情をライヴでそのままぶつけられる
“テンションがこれだけ上がるんや”という発見があった
2020年にバンド結成20周年&デビュー15周年を迎えたUVERworld。今回はそのWアニバーサリーを記念して、バンド・サウンドの核を担うドラムの真太郎に、本誌&ドラマガWeb連動コンテンツとなるロング・インタビューを敢行! ここでは、発売中の本誌2020年10月号でお届けしたインタビューの続き&スペシャル・コンテンツを、全3回に渡って公開。第1回は真太郎がドラムを始めたきっかけに遡って話をうかがうと共に、10thアルバム『UNSER』のレコーディングとライヴでのプレイに迫る!
父親がドラムを叩く姿を
小さい頃から目にしていた
●結成20周年のアニバーサリー・インタビューということで、あらためて……真太郎さんがドラムを始めたきっかけから聞かせていただけますか?
真太郎 久々の質問ですね(笑)。父親がもともと趣味でジャズ・ドラムをやっていて、家にドラム・セットも置いてあったんですけど、俺は全然触ったことがなくて……実際にドラムを始めたのは、中学2年生の文化祭のタイミングですね。
僕らの時代は、先輩が文化祭でバンド組んでるのを観て「じゃあ、俺らも来年組もうか」みたいな感じでバンドをやるっていう流れが多かったんです。それで、バンドを始めようとしていた友達に“ドラム・セットを貸してほしい”と頼まれたのと同時に、「ドラマーもいないから、叩いてみてよ。一緒にバンドやろう」と誘われたんです。
全然興味はなかったけど引き受けることになって、ドラムをやっている同級生に「8ビート、教えてやるわ。シンバルを叩くときは足も一緒に踏むんや」と、それだけ教えてもらったんです。そしたら、2分くらいで彼を超えてしまって……(笑)。
●(笑)。天才エピソードですね!
真太郎 今思えば、小さい頃から父親がドラムをやっている姿は目にしていたので、どこを叩くとか、スネアを叩く回数が多いなとか、ハイハットは踏んでおくのか……みたいなところは何となくわかっていたんだと思うんですよね。だから、叩いたときにスッと入れたのかなって。ちなみに、その同級生は「俺が(真太郎に)教えた」って未だに言ってます(笑)。
でも当時は、同級生にも恵まれていたなと思いますね。ものすごくギターのうまいヤツもいて、そいつは人とバンドで曲を合わせてみたいけど、ドラムを満足に叩けるヤツが周りにいないからっていうので、1人で夜な夜なギターを弾いてるような感じだったんです。それで、俺がドラムを始めてそいつと出会ったときに、「この曲をやりたいから、覚えておいて。スタジオには来週入りたい」と言われて……“来週!?”みたいな(笑)。
そこで俺も初めて曲を覚えることになって、親父の仕事場に置いてあった練習パッドを引っ張り出してきて、家で練習したんです。それでスタジオに入って合わせたのがTHE YELLOW MONKEYの曲だったんですけど、そのギターのヤツは、それまでずっと1人で弾いていたから、めちゃめちゃ楽しそうにしていて。俺も、緊張感もあってドキドキしていたけど、「1曲叩けた!」といううれしさもあったし、“これがバンド感か”っていうのがわかって。
当時野球をやっていたんですけど、どこかでそこに対する気持ちが腐っていた時期だったんですよね。そんなときに始めたドラムが楽しくて、どんどんのめり込んでいきました。