三重県に工房を構え、老舗建具店のノウハウを生かしたドラム製作を行う建光ドラム工房が、何とシェル材にスティックを使用した特注スネア・ドラムを完成させた。

これは以前から建光ドラムのユーザーであった、大阪府を中心に活動するドラマー、山口隆士郎から「使用済みスティックで作られたスネアを大阪府豊中市で主催する教室のシンボルにしたい！」というアイディアを受け製作したもの。

スティックによるシェル成型には課題も多かったようで、建光ドラム工房の福田氏曰く、

「強度と真円状態を向上させるため、純粋にスティックのみで制作せずにプライウッドのレインフォースメントをラグ取り付け部分に埋め込みました。また、シェルの製作途中で強度不足を感じてスティック製レインフォースメントを追加したり、初期設計では取りつける予定だったスティック材をやめてみたり、目指すサウンドの方向に進むため、足し算と引き算の連続でした」とのこと。

完成したスネアは“転生”と名づけられ、大阪府のDrum Shop ACTへ店頭納品した際、「試奏を行った山口氏もACTの折井氏も“見た目だけのオブジェ的な存在だけには留まらずスネア・ドラムとしてサウンドが成立している”と、興奮を隠せない様子でした」と好評だったそうだ。

今回は特注のため店頭には並ばないが、建光ドラム工房ホームページではこれまでに製作したスネアや楽器店での在庫状況などを調べることができる。個性的なスネアをチェックしてみては？

◎使用済みドラムスティックから作ったスネアドラム『転生』