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    【有料会員限定】the Drummer’s Chronicle|「D’ERLANGER Evermore TOUR 2026」東京公演を庄村聡泰がドラマー視点でレポート

    • Text:Satoyasu Shomura
    • Photo:Akito Takegawa

    2026年4月発売の11thアルバム『Evermore』を携え、全国ツアーを展開中のD’ERLANGER。その6月14日に行われたSHIBUYA STREAM HALL公演2日目を、庄村聡泰が徹底レポート。Tetsuが操る巨大なドラム・セットから轟く”雷鳴”のようなサウンド、多点キットならではのフィルやグルーヴ、そして4人が織り成す緊張感溢れるアンサンブルを、ドラマーならではの視点で深掘り。ライヴの熱気を捉えた撮り下ろし写真と共に、その一夜を振り返る。

    Tetsuのドラミングは雷鳴そのもの
    そうとしか形容できない

    活字化するのであればまさに雷鳴。ハット側にも設置することで、本人の前方ほぼ180度をぐるりと囲む形にセッティングされたタムを回せば、それは“コロコロ、ゴロゴロ……”と、まるで遠雷がオーディエンスの頭上へと迫ってくるかのように轟き、代名詞でもあるハイ・ピッチのスネアがシンバルと重なれば、それは“ピシャッ!”と鋭く響く。このプレイが鼓膜をつんざき、身体を貫くその瞬間の快感たるや、である。いやはや、本当にとてつもない体験をしてしまった。やはりD’ERLANGER、Tetsuのドラミングは雷鳴そのものである。そうとしか形容できない。

    再結成19周年記念日の4月22日に発売となった11thオリジナル・アルバム『Evermore』を引っ提げ、去る4月25日のUMEDA CLUB QUATTROから、9月6日の浜松窓枠まで長期間に渡る「D’ERLANGER Evermore TOUR 2026」真っ只中でもある彼ら。6月14日に行われたSHIBUYA STREAM HALL公演2日目の模様をお届けする。

    ステージ中央に鎮座するドラム・セット。特注の極太ラックにメタリックなフィニッシュが施された氏の愛器は、ドラム・セットというよりもはや選ばれしもの(無論、それはTetsuその人意外にありえないのであるが)しか座ることの許されない、玉座のような圧倒的存在感。ステージに掲げられたバンド・ロゴと相俟って、どこかこの世ならざる雰囲気を漂わせている。

    会場BGMとしてセレクトされたPRIMUS「Jerry was a race car driver」のボリュームが上げられると、オーディエンスはそのリズムに合わせクラップ。今か今かとメンバーの登場を待ち侘びる中で、『Evermore』幕開けを飾る「undercover of darkness」が鳴らされ、ついに姿を現したD’ERLANGER。オープニングとしてプレイされたのは同じく『Evermore』収録の「Mutinity In Heaven」であった。曲冒頭で早速Tetsuによる高速コンビネーションからの3連スネアのフィルが、先述の通り雷鳴となって鼓膜と身体を貫く。CIPHERが掻き鳴らすカリカリとしたクランチ気味のリフ。力強いダウン・ピッキングで縦のグルーヴを作り出すSEELA。そしていつも、もちろん今宵も本当にたまらなくセクシーなkyoのハスキー・ヴォイスが合わされば、瞬く間に濃密なD’ERLANGERの世界が会場を掌握する。

    性急感迸るエネルギッシュなビート、合間合間に斬り込まれるタムのフィル、メンバー4人の息をぴったりと合わせつつも緊張感を損なうことのない、独特の均衡を纏ったアンサンブルのままに、バンドは「Bitter Sweet」、「 le grand bijoux」と前作『Rosy Moments 4D』からのナンバーを聴かせる。再結成第一弾アルバム『LAZZARO』よりのセレクトである「Romeo & Juliet」では、曲中大胆にアップダウンするBPMをライヴならではの臨場感でもって鳴らしてくれる。

    MCを挟んで再び『Evermore』より「深愛」。個人的に『Evermore』の中でも特に推したい1曲であり、CIPHERの乾いた音色が絶妙に配置されたフレージングと、Aメロでカウンター・メロディの如く滑らかに動くSHEELAのベース・ライン、サビで微かに光を宿した様に表現されるkyoの歌唱、さらにその裏で鳴らされるTetsuの軽快なカップの2つ打ちと、最小限に抑制の効いたアンサンブルの中で、メンバーそれぞれのセンスが遺憾なく発揮、凝縮された当曲は、思わずレポートを忘れてしまうほどに深く(まさに深愛の念をもって)聴き入ってしまっていた。

    未だ耳と脳裏にこだまする、その雷鳴

    そんな筆者の目を覚ますTetsuの楽曲冒頭部のフィルと、CIPHERのハーモニクスを交えたリフが先導する「Song 5.」の後にぶちかまされたのは、“待ってました!”なドラム・ソロ。Tetsuの剛腕剛脚で鳴らされる多点キットのふくよかにして鮮烈な響き、小気味良く鳴るメロタムと図太く踏み抜かれるキックのコントラスト、繰り返しになってしまうがその雷鳴は未だに耳と脳裏にこだましている。「Song 5.」でも聴ける(音源40秒の箇所などがわかりやすいかと思います)、Tetsuが多用する“スネア→シンバル(左手側のチャイナ)→キック(と同時にそのチャイナを手でミュート)”のフレーズがド派手にラストに組み込まれていることもめちゃくちゃにぶち上げられてしまった次第(笑)。

    勢いをそのままに続けられた「Roses blooming softly at nite」では、Tetsuのあまりに激しいプレイに曲終わりでスタッフがセッティングの調整に入る一幕も見られ、kyoが“思いを込めて送ります”と語っての「Be with Your Love」に続いて、スタンド・マイクでの歌唱に圧倒的なフロントマン、ヴォーカリストとしての矜持が光った「RAIN」。その後は“素敵な皆様に熱い口づけをお見舞いしましょうか……野郎にもだよ(笑)”なんていう、セクシーとウィットが同居した文句でオーディエンスをメロメロにした「Kiss My Blood」と、妖艶なロックンロールの数々を次々とお見舞い。「You’re gonna be the one that saves me」は音源よりも凶暴に疾走するTetsuの8ビートと、SHEELAのスタッカートを効かせつつの豪快なダウン・ピッキングが織り成す劇薬のようなリズムに、思わず“SADISTICAL PUNKだ……”と呟いてしまいそうになる中、D’ERLANGER流のブルースロックとでも形容したくなる8分の6拍子の「Umbrella」で本編はエンディングを迎える。

    こんなものを観せられ、魅せられてしまってはもうたまらない。もっとD’ERLANGERを味わいたい。そんな割れんばかりのアンコールに応えステージへと戻ってきてくれたD’ERLANGERは「Noir – D’amour」で疾走感と緊張感を内混ぜにした、危うく怪しいSADISTICAL PUNKを再び叩きつけるようにプレイ。曲ラストに打ち鳴らされるドラム・ソロの破裂音に、意識が飛びそうになるほどの快感を喰らい、ラストにセレクトされたのは『Evermore』クロージングナンバーである「Wandering Star」。紺碧の照明で美しく染まったステージに雄弁な調べを聴かせる。音源ではフェードアウトであったアウトロも、ライヴでは長尺で演奏されるというアレンジが施されており、大きくウネるTetsuのグルーヴにいつまでも身を任せていたいと思いながらの、堂々たるエンディングであった。

    ライヴを終えてそれぞれに満足げな笑みを浮かべるメンバー。kyoは“愛してます!”と言い放ちステージを去り、スティックやドラム・ヘッドをオーディエンスへと投げ入れてくれていたTetsuが、最後に開催地である渋谷にちなんで“東京都出身、菊地 哲でした”と一言。小走りでステージ袖へと消えていくという、何ともチャーミングな幕引きであった(笑)。

    D’ERLANGER Evermore TOUR 2026

    7月4日(土)仙台 darwin
    7月5日(日)仙台 darwin
    7月11日(土)金沢 EIGHT HALL
    7月12日(日)金沢 EIGHT HALL
    7月18日(土)HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3
    7月19日(日)HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3
    7月25日(土)盛岡 CLUB CHANGE WAVE
    7月26日(日)盛岡 CLUB CHANGE WAVE
    8月22日(土)福岡 DRUM Be-1
    8月23日(日)福岡 DRUM Be-1
    8月29日(土)札幌 cube garden
    8月30日(日)札幌 cube garden
    9月5日(土)Live House 浜松窓枠
    9月6日(日)Live House 浜松窓枠

    https://www.derlanger.jp/live/

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