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4月19日は、ジャンルを横断しながら力強いグルーヴを鳴らし続けるドラマー、沼澤 尚の誕生日。ポップスからコアな音楽まで、数えきれない現場で求められ続けるそのドラミングは、いわゆる“セッション・ドラマー“という言葉では収まりきらない。本誌ではさまざまなタイミングでインタビュー&特集を展開してきたが、その中から、表紙を飾った決定的なアーカイヴを厳選して紹介。本人の言葉はもちろん、共演者の証言から浮かび上がるのは“グルーヴの正体とは何か?“という問いへのヒント。その核心に触れたい方はぜひサブスクに登録して全文を確認してほしい。
【必読】グルーヴの核心に迫った
ジェームス・ギャドソンとの師弟対談


ドラマーはリズムやビートそのものが持っている
フィーリングを感じられるようになることが大切
そのフィーリングが内側から生まれる自信によって
心から表現されることが初めて伝わる
沼澤:あなたの家に練習しに行って最初に言われたのが“ONE IS THIS BIG”ということでした。最初はなんのことかよくわからなかったのですが、少しずつわかってきたような気がします。あなたは覚えてるかわかりませんが、最初に“ONE IS THIS BIG”と言ったことは覚えてます?
ギャドソン:そのことは覚えているよ。もちろん君は知っていると思うけど、ドラマーというのは、バンドの主導権を握らなきゃならないわけだ。“ワン”の感じ方は人によって違う。だから“ワン”は大きいと言ったんだ。
沼澤:なるほど。テンポは同じでも……。
ギャドソン:そう。みんなで自由に演奏しているように聴こえるときでも、クリックが鳴っていたら、みんなはそれに合わせていなくても、ドラマーだけはそれに合わせなきゃならない。そして録音したものを聴き返してみたときに、みんななんとなく合っていないといけない。だから“ワン”はとても大きいと言ったんだ。他の連中が好きに演奏していても、ドラマーは違う。なぜなら、私達ドラマーがタイムを決定しなきゃならないからだ。だから、他のプレイヤーの演奏を聴いちゃいられないことも多い。ドラマーに合わせてくれるベース・プレイヤーがいれば幸いだけどね。とにかくドラマーは状況によって他で何が起こっていようと自分のプレイに集中しなきゃならないんだ。
沼澤:確かにそうですね。自分がビートの位置を“ここだよ”って示していく役割を果たさなきゃならないわけですから。ただ、今、あなたは“自分のプレイに集中する”と言いましたが、あなたは他のミュージシャン達の演奏をよく聴いていると思います。ただし、それは彼らの演奏に“合わせる”のではなく、彼らと“一体になる”ような聴き方ですよね。
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【Note】若き日の沼澤がアメリカで学んだ時期の“師”の1人であり、自宅に招かれ練習の日々を重ねた相手が、先日惜しくもこの世を去ったジェームス・ギャドソン。ドラム・マガジン・フェスティバル2012で初めてライヴ共演を果たした際には、2人の対談を軸に全20ページの特集が組まれた(2013年1月号)。曲のリズムを感じて演奏し、共演者に“ポケット”を提示するために大切なものとは?という問いにギャドソンが語ったのは、実にシンプルな言葉だった。
ドラマーとしての進化/深化を多角的に追う


“自分のやりたいことと、自分が表現したいこと”
最初にドラムが好きになったところに自然に行けた
●沼澤さんのプレイは“ドラム・アスリート”的ではないですよね。もっと音楽としてのドラム。
沼澤:技術先行型? でも学校(LAの音楽学校PIT[Percussion Institute of Technology]/卒業後同校の講師も務める)にいたときは、みんなで競って“技”を追求していました。1983~84年頃だからヴィニー・カリウタ登場ですし(笑)。それからオマー・ハキム、その後にデイヴ・ウェックル、それからデニス・チェンバースって出てくる頃だから、みんなで好きな人の技をやたら譜面にしては、交換していました(笑)。僕も今より全然すごい技とかやれてたと思います。それが(ジェイムス)ギャドソンに出会ったことでいきなり変わってくるんです。音楽の中でのドラムの役割を教えてくれたのがギャドソンですね。(中略)スティーヴ・ガッドにしてもチック・コリアでの演奏とポール・サイモンでの演奏がある。この2つのいろんな理由っていうのがわかり出すには、ドラムの学校にいるだけじゃ難しい。僕も学校を出たての頃にチャカ・カーンの仕事をしたときは寝られなくなって気が狂いそうでしたから。
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【Note】“自分が表現したいことがちょっとずつわかってきた”と話す2019年11月号の表紙巻頭特集では、ドラマー沼澤尚のスタイルがどのように形作られてきたかをあらためて探るロング・インタビューを敢行。当時共演する機会の多かったムッシュかまやつとのトーク・セッションも実現した他、盟友と言えるマルコス・スザーノのインタビューも掲載されるなど、沼澤ファンにはたまらない内容となった。多彩な共演者が語る“沼澤尚はここが楽しい!!!”も必読。
ブラジルの思い出と
大きく広がった音楽的交流


できるだけ楽に、スムースに
中くらいのコントロールを
より細やかにできるようになりたいと思って
●沼澤さんのグルーヴに余裕を感じるんですよね。ものすごく大きなものを感じますよ。
沼澤:(笑)。わからないです。いつも必死ですけど(笑)。ただ生活の中での大きな変化はあります。もう20代の身体じゃないから、身体が動いてないとか、ユルいっていうのをあからさまに感じて。3~4年前かな、“これはヤバイかも”って。仕事にかまけて疲れすぎなんじゃないかと。(中略)糸井重里さんの紹介で今も見てくれているトレーナーの人と仲良くなって、その人は僕がやりたいことをすごくわかってくれたんです。それで彼の言う通りに食事制限と定期的なトレーニングを始めました。今まで走ったり泳いだり、はやってきたけど、僕の場合は、単にパワー云々ではなくて、できるだけ楽に、スムーズに、中ぐらいのコントロールをより細かくできるようになりたいと思って。アコースティック楽器を奏でるには、適度な音量を適度なタッチで、という四肢のコントロールが最も大事ですから。力や大きい音量とかではなく。
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【Note】参加作が相次いでリリースされ、FUJI ROCK FESTIVALなどさまざまなフェスへの参加で多忙を極めた2006年の夏。同年8月号のロング・インタビューでは“即興”をキーワードに、ブラジルの音楽イベントに出演して喝采を浴びた際の緊張と興奮を熱く語った他、マルコス・スザーノとの共作アルバム、より広がりを見せる活動などについて素直な心情を明かした。沼澤の多彩な音楽的交流に迫ったページや、ブラジルで撮影された写真の数々も見応えたっぷり。
セッション・プレイヤーによるバンド、その理由


自分がやっていることがみんなに伝わっている
それがわかったときが一番気持ちいい
●例えば音楽を聴いて、このドラムはカッコいいと思うのはどんなものですか?
沼澤:やっぱり“うったえているもの”があると思うんです。その意識が自分に伝わったときにそう思うんだろうね。例えばラス・カンケルがキャロル・キングの一番新しいアルバムで叩いている8ビートの曲で、その曲自体が素晴らしいっていうのもあるんだけど、“このドラムなんだコレ!?”っていうのがあって、クレジットを見るとラス・カンケルかと。それは彼がやったことが自分に響いてきたと思うんです。そういう回路が合ったときに自分がいいと思うんですよ。僕に何か惹かれるものが伝わったときに、これはいい!ってなるんです。それは音かもしれないし、ビートかもしれないし、フィーリングだったり、シンバル1個ってこともあるし。具体的な話になると、TOTOの『ファーレンハイト』っていうアルバムがあって、その中の「リア」っていうスティーヴ・ポーカロの曲の間奏明けの2拍目の8分ウラに1発だけライド・シンバルがダビングしてあるんですよ。僕にはその1発が鳴り響いたんですよね。それが自分にすごく伝わったんです。自分の趣味とか感覚なんだろうけど。
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【Note】売れっ子セッション・プレイヤーの集合体バンド、J&Bのメジャー作リリースを機に組まれた2003年4月号の表紙巻頭特集では、“ドラマーである前に音楽ファン”というテーゼから始まり、音楽観&ドラム観に迫るインタビューを展開。特に、バンドとして活動する上での明確な意思を語った発言からは、沼澤のミュージシャンシップの核が見える。アルバム楽曲の自筆譜面&解説、エンジニア/ローディーが語る沼澤サウンドの秘密といったコンテンツにも注目。
初のリーダー・アルバムを深掘りした初の単独表紙


どんなジャンルでも同じドラム、僕もそうありたい
●沼澤さん初のソロ・アルバムがついに完成しました。そもそも構想はいつ頃から?
沼澤:初(笑)。……生まれて初めて1人で休みをとったんですよ、2年前に。で、バリ島に1人で行ったんです。そのときに“俺、そういえば今まで何やってたんだっけ?”と思ったんですよ。で、こういう人達とこういうことやってるんだなと。それが1枚のアルバムになったら面白いなと思ったんですよね。(それまでの状況は)その人達のアルバムを買ったり、その人達のライヴを見に来た人に僕がもれなくついてくるみたいな感じじゃないですか。だったらその逆で、この人達が並んでいたら……というのを誰かがやったら、自分は買うだろうなと。ボーっとしてたらこういうことを思いついたんです。今まで本当にボーッとすることはなかったから。10日ぐらいずっとボーッとしてたんですよ(笑)。
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【Note】1999年にリリースされたリーダー作『THE WINGS OF TIME』に合わせて、同年5月号で初の表紙巻頭特集が実現。楽曲ごとに縁の深いミュージシャンを招いたアルバムをさまざまな切り口で深堀りした内容は、昨年サブスク解禁された同作を聴きながら読むとさらに立体的に楽しめるはず。撮影に際しては沼澤自身がカメラマンを指定し、“ドラムを演奏しているところを撮ってほしい”と希望。音楽が聴こえてくるような名カットの数々は誌面でご確認を。
言葉の断片では伝えきれない
グルーヴの核心に迫る全編はサブスクで!
ここまで紹介した言葉の断片だけでも、沼澤が本誌で紡いできたグルーヴの本質が十分感じられるはず。グルーヴの核心に迫る全編は、ぜひサブスク読み放題でじっくりと体感してほしい

【即完イベント】沼澤が紐解くジェフ・ポーカロの真髄を有料会員限定のダイジェスト映像で解禁!|後日公開

4月5日開催の「沼澤 尚 the Greatest Playlist feat.ジェフ・ポーカロ ♯1」。沼澤が厳選したジェフの名演8曲を、実演と濃密な解説で紐解く至高のイベントが、有料会員限定のダイジェスト映像として公開決定! サブスクに登録すれば、この貴重な映像はもちろん、沼澤 尚に関する膨大なバックナンバーもすべて読み放題。不滅のグルーヴ・マスターの真像に迫る、音楽ファン必携のコンテンツをぜひその手に⇨【こちら】