SPECIAL
自分達で楽曲をアレンジして
自分達のやりたい楽曲のレンジも見せたくて
自分達のやりたいことを形にしていきたい
そういう思いで作り上げたアルバム
●ちなみに、レコーディングのキットはご自身のDWですか?
泉:今回のレコーディングだと、半分くらいが自分のDWのJazz Seriesで、残りの半分はテックさんのSAKAEやヴィンテージのラディック、DWのCollector’s Pure Mapleをお借りしました。24インチのキックも使ったんですけど、すごく曲に馴染んでいて、新発見でしたね。ちなみに今回のドラム・テックは小関純匡さん、有松益男さん、大宮洋介さん、北村優一さんに入っていただきました。

●なるほど。5曲目の「死んじゃいないよ」は泉さん単独作曲となっていますね。
泉:2022〜2023年くらいに作った曲だと思うんですけど、柊生とCarlos K.さんと3人でデモを聴いていたときに、柊生が「これやりたい!」って言ってくれて、そこから形にしていきましたね。
●泉さんの中で、DISH//の曲を作ると、ソロの楽曲を作るときのモードは変わるんですか?
泉:変わりますね。曖昧なところもあるんですけど、基本的にはDISH//の曲を作ろうとか、ソロの曲を作ろうと思って取りかかることがほとんどですね。この曲のデモはアコギの弾き語りだったんですけど、(北村)匠海が歌っているところを想像しながら作っていたと思います。
●タイトなスネアやミニマムなプレイで、曲調に寄り添ったアプローチですが、アウトロのハイハットのオープン具合いが絶妙でした。
泉:最近、ハットのオープン具合いが本当に難しいというか、開き具合いでニュアンスがだいぶ変わるなと思っていて。何ならサビでもオープンにしなくていいんじゃないかと思うくらいです。確かにレンジが広がって、華やかさも出てくるんですけど、場面によってはやりすぎると下品に聴こえちゃう瞬間があって。アウトロ部分はまさにそれで、あまり開きすぎないように、でも曲の展開やみんなの熱量的にオープンの音は欲しいとなって、あの開き具合いになりました。
●「ファンタジーラブコール」は北村さん作曲ですが、ドラムの指定はどのくらいあったんですか?
泉:最初にデモをもらった時点でバンド・アレンジになっていたので、そこから大きく外れないようにしましたね。匠海の作る曲もドラムがわりとシンプルなものが多くて、王道なロック・ビートというか。自分の中でフィットする感覚がありますね。
●王道なロックですが、ドラムは全体的に一歩引いたような、淡々と叩いている印象です。
泉:それはまさに意識していて、トラックっぽく叩くパターンと、人間味を出すパターンの使い分けは考えています。例えば、マシンのように叩いているときにハットを不規則に入れるとか、ちょっとしたフレーズですごく有機的に聴こえるんですよね。なので、あえて感情を抑えめに叩いて、ところどころ、ハイハットの「チチチー」というフックを入れてみました。
●対照的に、「躍りゃんせ」は今回のアルバムではドラムが一番暴れていますよね。
泉:Carlos K.さんからのアイディアがすごく入っていて、とにかく展開をつけたいよねという話になったんです。あとこの曲は、僕以外のメンバーが楽器を弾きながら踊るので、エレクトロ感を重視しつつ、とにかくいろいろなビートを詰め込んで、はちゃめちゃ感を意識して作っていきましたね。一番忙しい曲ですね(笑)。フィルも結構指定がありましたし、デモの段階では腕が足りなくなりそうだったので、自分なりに解釈してみました。
●「エール」は速めのテンポでの4つ打ちですが、こういった曲で疾走感を出すときに意識していることは?
泉:DISH//ではこういう速さの4つ打ちは結構あるので、速さに関してはあまり苦戦しなかったんですけど、要所要所に出てくる1拍半フレーズのフィルが、自分の中の引き出しにないものだったので、新鮮でしたね。ドラマーだとどうしても“タタン・タタン”の間にバスドラを入れたくなっちゃうんですけど、4分をキープしながらというのが面白かったです。
●今作はすべてDISH//のみなさんによる楽曲というのも、1つ大きなトピックですよね。
泉:そういった意味でも『aRange』というタイトルにしていて、自分達で楽曲をアレンジして、自分達のやりたい楽曲のレンジも見せたくて、自分達のやりたいことを形にしていきたいという思いで作り上げたアルバムなので、こういうふうに完成してよかったなと思います。
ソロ・プロジェクト始動で変化した音楽観
泉 大智が再確認した「ドラムの重要性」
●前作のリリースから今作までの間に、泉さんのソロ・プロジェクトもスタートしました。ライヴでバックを務める武 亮介さんとはどのようにして出会ったんですか?
泉:友人を介して知り合ったんですけど、同い年のドラマーというのでビビッと来て。同い年のドラマーって、今まで会う機会がなかったんですよ。ソロは近い世代とやりたいなと思っていたので、声をかけたんです。
●ドラマーって、人が叩くドラムで歌うことってなかなかないと思うんですけど、実際にやってみていかがでした?
泉:ドラムをより客観的に見られるようになったと思いますね。どういうアプローチをしたらいいのかというのを違う視点で見れるようになりましたし、ドラムへの考え方がまた1つ増えた気がしますね。どういうふうに叩けば歌いやすいのか、ヴォーカルの熱量に寄り添うにはどうダイナミクスをつければいいのか考えるきっかけになったと同時に、ドラムの大切さにも気づきました。リズムがどのくらい楽曲を支配しているのか、スネアの前後の位置で全然聴こえ方が変わりますし。あとドラマーが一番大変だなと思いました(笑)。
●(笑)。
泉:ドラマーが一番体力使っているし、考えることも多いし。見ていてしんどそうですもん(笑)。だから、ドラマーを労ってあげてほしいなと思います。
●では最後に、23日から始まったツアーに向けて意気込みをお願いします。
泉:ツアーも久しぶりですし、去年はZeppとかだったのでホールを回るのも久々ですし、僕は4人で出す今の音が個人的に楽しみなんです。今回のアルバムはすべて自分達で作った曲で、思い入れもまた違ってくると思うので、今のDISH//の空気感とか、ライヴの良さを味わってほしいなと思います。
メンバー自身の手でアレンジを施した
6枚目のフル・アルバム『aRange』

◉Release Information
『aRange』| DISH//
ソニー SRCL-13605(通常盤)|¥3,300
[収録楽曲]
01.ヒーロー
02.いつだってHIGH!
03.ごはん
04.泣くもんさ
05.死んじゃいないよ
06.ファンタジーラブコール
07.プランA
08.躍りゃんせ
09.朝、月面も笑っている
10.diorama
11.エール
https://dish-web.com/disco/detail/148/
◉TOUR Information
DISH// HALL TOUR 2026 “aRange
5月10日(日):Niterra日本特殊陶業市民会館フォレストホール
5月17日(日):福岡サンパレス ホテル&ホール
5月29日(金):広島上野学園ホール
6月5日(金):仙台サンプラザホール
6月11日(木):大阪国際会議場 メインホール
6月12日(金):大阪国際会議場 メインホール
6月16日(火):Kanadevia Hall
6月17日(水):Kanadevia Hall
7月3日(金):カナモトホール(札幌市民ホール)
7月8日(水) : LINE CUBE SHIBUYA(追加公演)
7月16日(木):LINE CUBE SHIBUYA
https://dish-web.com/feat/tour2026