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    CANOPUS Yaiba 24 Kitの実力 feat.玉田豊夢

    • Photo:Taichi Nishimaki
    • Text:Yusuke Nagano
    • Contents:Rhythm & Drums Magazine

    Review 玉田豊夢×Yaiba 24 Kit

    チューニングやタッチ、踏み方で特徴がつけられる
    それが一番の魅力だと思う

    ●Yaiba 24 Kitの第一印象は?

    玉田 バーチ特有のふくよかさというか線の太さみたいなものを感じました。(バス・ドラムが)24″とちょっと大きいサイズなんですが、深さが14″なので、ふくよかなのに、ちょうどいいタイトさもあるんです。チューニングを緩めたり張ったり、ミュートをしたり、どんなバランスで使っても良い形にできる。タムも13″でちょっと大きめなんですけど、とても収まりが良くて、これも張っても緩めてもバランスが良いんです。チューニングがしやすくて、とにかく音が作りやすいというところが第一印象としてありました。

    ●撮影中に、音色がナチュラルなので、音作りがしやすいとおっしゃっていましたよね。

    玉田 そうですね。特定のジャンルに偏った感じがなくて、張り気味にしたらジャズ的な音にもなるし、倍音をたくさん鳴らすようなヴィンテージ・テイストのロック・サウンドにもなるし、タイトな音にもできるっていう感じですね。ナチュラルな幅広さがものすごくあるセットだと思います。

    ●玉田さんが感じるYaiba 24 Kitの特徴、魅力はどんなところでしょうか?

    玉田 このキット自体に特徴があまりないことが特徴なんじゃないかと思うんです。特徴はチューニングであったり、タッチや踏み方でつけられる……それが一番の魅力なんじゃないかと思いますね。いろんなヘッドを試したときに、(ヘッドの持つ)特徴がものすごく素直に出るので、そこも僕としては扱いやすいところですかね。いろんな現場に持っていっても、“今日はこの感じ、このテイストで”とか、(求められることが)けっこう変わるんですけど、まったく苦労せずに合わせられる。楽曲に馴染んでいくような音作りがすごく楽にできるんです。年末前くらいから、ほとんどこのセットしか使ってないです。ちょっと前までは、ナチュラル・マットのラッカー・フィニッシュのセットをお借りしていて、サイズは同じなんですけど、ライヴやレコーディングで使ってたんですけど、本当に使いやすくて。年末に今のこのセットが届いて、2021年はこれしか使ってないくらい、とにかく使い倒してます(Yaiba 24 Kitでレコーディングした楽曲に関する記事はこちら)。

    星野 源の新曲「創造」のレコーディングでもYaiba 24 Kitを使用。

    ●借りていたセットはマット・ラッカーで、ご自身のセットはスパークル・ラッカーですが、フィニッシュによる音の違いは感じましたか?

    玉田 最初にすごく感じました。厚みが違うので、ナチュラルの方はよりファットな感じで、鳴りが豊かな感じなんですけど、ラッカーの方はもう少しグッとしたタイトさがあって。でもそれが硬さにつながってなくて、良い感じに粘りや強さにつながっているんです。両方にそれぞれの良さがあって。今はこのセットをずっと使っていて、鳴らし方もわかってきている感じがします。すでに良い感じですね。

    ●Yaiba 24 Kitは価格帯としてはミドル・クラスになりますが、プロの現場で問題なく使えるというのがすごいですよね。

    玉田 ミドル・クラスだから、鳴りが悪いとか、マイク乗りが悪いとか、そういうことは本当にまったくなくて。このキットならではのナチュラルさというか、クセのなさがあるんです。ミドル・クラスだから何かが劣ってるとか、そういうことは僕は微塵も感じないですし、パーツのチョイスとか、そういうものがすごくうまくいってるんじゃないかという印象もあります。もうこれはキットとして完成されている、素晴らしい楽器だと思います。

    ●玉田さんのように自分の出したい音色を追求したい人に、特にお勧めと?

    玉田 そうですね。僕はサウンドをいろいろ試したり、追い込むのがものすごく好きなんですけど、そういう人にとっては、きっと喜びがたくさんあるキットだと思います。そのクセのなさとか、ニュートラルさみたいなところは、初めてセットを買うっていう人にも絶対お勧めできると思います。

    秦 基博がゲスト参加したフジファブリックの新曲もYaiba 24 Kitでレコーディング。

    Recording Gear

    玉田が愛用するYaiba 24 Kitは、24″×14″BD、13″×9″TT、16″×16″FT、18″×16″FTという王道のロック・セッティング。フィニッシュは、Groove Kit、BopKitに採用されている“Yaiba Gray SP”というスパークル・ラッカーをチョイス。写真のセッティングは、エンディングのデモ演奏時に使ったもので、バス・ドラムの打面にレモのCSクリア、タム、フロア・タムは打面がコーテッド・エンペラーで、ボトムはタム、フロア・タムがクリア・アンバサダーという組み合わせ。打面にフェルト・ミュートを施し、余韻を調整している。バス・ドラムはフロント・ホールを塞ぎ、さらに打面側に帯ミュートを装備。シンバルはエージーン、ジルジャン、セイビアンなどさまざまなメーカーのモデルをセレクトしている。スネア・ドラムは現在のメインというTYPE-RのMAGNUM。打面にはエヴァンスのSTドライをセレクト。フット・ペダルはラディックのスピードキング。

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