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    【Report】FREDERHYTHM ARENA 2022〜ミュージックジャンキー〜@国立代々木競技場第一体育館(高橋 武[フレデリック])

    • 撮影:渡邉一生、森 好弘、小杉 歩

    代々木の夜に響いたニュー・ギア
    推進力も包容力も兼ね備えた
    楽曲によって変幻する高橋のプレイ

    フレデリック史上最大規模のワンマン・ライヴ「FREDERHYTHM ARENA 2022〜ミュージックジャンキー〜」が6月29日に東京・国立代々木競技場第一体育館で行われた。

    胸が高鳴る彼ららしい映像作品とライティング演出で開催宣言をすると、聴こえてきたのは印象的なピアノ・リフ。SE代わりに登場し1発目に彼らが選んだのは、哀愁漂うメロディがエモーショナルな高速ナンバー「名悪役」。BPM=200超えの中疾走するビートやベースとユニゾンしたキック・パターン、リフにハマったメロディックなフレージングを繰り出す高橋のドラミングが、会場の熱量を一気に上げていく。高まったボルテージのまま畳みかけるように「TOMOSHI BEAT」、「蜃気楼」、「VISION」と最新曲を披露。須田景凪とコラボした「ANSWER」は、本誌7月号で「須田君が“打ち込みも使うだろう”と思っていた部分も全部人力でレコーディングした」と語っていた複雑なフレージングを生で見られたのも非常に感慨深かった。

    高橋はこの日、「より大きな会場でも音が届くように」と導入した、マット・パープル・フィニッシュのDWをお披露目。輪郭のはっきりしたバス・ドラムのサウンドは存在感抜群で、広い代々木体育館の端までビートを届けていた。原曲では打ち込みの「ラベンダ」も生ドラムで演奏されたが、ソリッドさも持ち合わせた音色が楽曲に絶妙にマッチ。そういった面でも、新たなキットのセレクトは今回の公演の最大公約数を導いていたと言えるだろう。

    ライヴ中盤では会場中央にあるサブ・ステージに移動。そこには長年愛用するソナーのVintageシリーズが鎮座している。ここでは初の試みとなる、ヴォーカルの三原健司を除いた3ピース体制で、三原康司(b)がメイン・ヴォーカルを執る「YOU RAY」を演奏。温かみのあるドラムの音色と表情豊かな高橋のプレイが、しっとりとしたバラードを見事に引き立てていた。

    メイン・ステージに戻り後半戦に突入すると、「Wake Me Up」や和田アキ子に楽曲提供し話題となった「YONA YONA DANCE」、そしてメジャー・デビュー曲にして名刺代わりの「オドループ」を披露。最高潮のままラストは『フレデリズム3』リード曲にしてTikTokでも大ヒットを記録している「ジャンキー」。終わりを惜しむように繰り返されるアウトロに会場はいつまでも身体を揺らしていた。

    新たな相棒を携え完走した高橋のドラミングは、スピード感溢れる楽曲では同期すらも彼が引っ張っているのではないかと錯覚する推進力、ミドル・テンポではバンドの核としてどっしりと構える包容力を備え持っていた。そのドラミング、そして本誌でも語られているように、メンバー全員でバンドとして1つのグルーヴが完成するフレデリックの音楽が、9月からの全国ツアーでまたどのような進化を遂げるのか、楽しみに待ちたい。

    SET LIST

    1.名悪役
    2.TOMOSHI BEAT
    3.蜃気楼
    4.VISION
    5.かなしいうれしい
    6.ANSWER
    7.Wanderlust
    8.うわさのケムリの女の子
    9.ラベンダ
    10.YOU RAY(三原康司/赤頭隆児/高橋 武による3ピース編成)
    11.サイカ(三原健司による弾き語り)
    12.Wake Me Up
    13.YONA YONA DANCE
    14.KITAKU BEATS
    15.オドループ
    16.ジャンキー

    <Encore>
    17.サーチライトランナー
    18.熱帯夜

    セットリストのプレイリストはこちらからチェックできます!

    発売中のドラム・マガジン2022年7月号では、高橋 武×三原健司の対談が実現!

    リズム&ドラム・マガジン2022年7月号

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