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Selected Jeff’s Works 〜沼澤 尚が選ぶジェフの名盤 100 〜Vol.05〜

スティーリー・ダン、ボズ・スキャッグス、マイケル・ジャクソンなど数々の傑作にセッション・ドラマーとしてその名を刻み、TOTOのメンバーとしても大成功を収めた伝説のグルーヴ・マスター、ジェフ・ポーカロ。本日は彼の生誕記念日。存命であれば今年で67歳になるそうです。ここでは功績を語り継ぐべく、生前ジェフとも親交のあった沼澤 尚が選んだ“ジェフの名盤100”を10日間に渡って紹介! 折り返しとなる5日目=Vol.05では、80年に参加した10枚をフィーチャー!! 時代を象徴するまさに名盤揃いです! 

公開済の他作品はこちらのまとめサイトをチェック!

『ROMANTIC』/Airplay(1980年発表)

特に80年代前半の日本国内では、この作品の収録曲のどれかに右へ習えというぐらい大流行したグレイドン&フォスター・サウンド。モーリン・マクガバンのセッション中に2人が作曲し始めた「Should We Carry On」をきっかけに始まり、後にトミー・ファンダーパークを加えたトリオ唯一の大傑作。(沼澤 尚)

『Gaucho』/Steely Dan (1980年発表)

80年代アナログ・レコーディングの頂点を極めたとも称される歴史的作品。タイトル曲「ガウチョ」を70数テイク録り続けた明け方に、フェイゲンが「曲の感じがつかめたようだから、じゃまた明日」って帰っちゃった後に、ジェフをはじめ残されたメンバーがもう1度録ったテイクが作品に使用されたことでも有名。(沼澤 尚)

『Middle Man』/Boz Scaggs(1980年発表)

ボズ・スキャッグスの大ブレイク3部作の完結編。さらにサウンド・クオリティもパフォーマンスも楽曲も何もかもがこれでもかっていうレベルに上がり、このプロダクションチームと参加ミュージシャン達が本当に輝いていた最高の時代の大傑作!ジェフのキレまくるディープなグルーヴとドラム・サウンドが最高すぎ。(沼澤 尚)

『Aretha』/Aretha Franklin(1980年発表)

デビューから13年間、そのサウンドと共に彼女を世界的スターに導いたアトランティックからクライブデイビスのアリスタへ移籍した第一弾アルバム。プロデューサーにアリフ・マーディンを迎えて、ジェフ、ギャドソン、パーディ、ヨギ、エド・グリーンといったその当時の最高峰のキャスティングが堪能できる。(沼澤 尚)

『Bi-Coastal』/Peter Allen(1980年発表)

ジュディ・ガーランドに気に入られて彼女の前座を努め、後に娘のライザ・ミネリと結婚したことや、「ミスター・アーサー」の主題歌をバカラックと共作したことで有名なオーストリア出身のシンガー・ソングライターが、デヴィッド・フォスターのプロデュースでリリースしたAORの名盤。もちろんという布陣で鉄壁のサウンド。(沼澤 尚)

『Ray Kennedy』/Ray Kennedy(1980年発表)

カーマイン・アピスとのKGBでヴォーカルを務めたシンガー・ソングライターのソロ・アルバムにして、AORの名盤。TOTOのメンバーの他、ドラムではマイク・ベアードも参加。さらにプロデュースがデヴィッド・フォスターと来れば、やはりエアプレイを連想してしまう。邦題「ロンリーガイ」は日本の飲料水のCMでも使われたヒット曲。(菅沼道昭)

『Arthur – The Album』/Burt Bacharach(1980年発表)

アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞の両方を受賞し、アメリカ映画史に名を刻んだこの主題歌はバカラック、キャロル・ベイヤー・セイガー、ピーター・アレンが作曲、クリストファー・クロスが歌った。ジェフのこの芸術的なトラックを完コピしたことがあるが、その細部に渡るドラムの巧妙さに本当に驚いた。(沼澤 尚)

『MESSINA』/Jim Messina(1977年発表)

POCO、ロギンズ&メッシーナなどで活躍したシンガー・ソングライターのソロ2作目。本来はカントリー・ロックを主体とするアーティストだが、R&B、サザン・ロック、ラテン、カントリーとさま要素を持つ楽曲が並び、時にファンキーに、時にさり気なくサポートするジェフのプレイは実にプロフェッショナル。(菅沼道昭)

『Songs Of The Beatles』/Sarah Vaughan(1980年発表)

TOTOのメンバーに加え、リー・リトナーやトゥーツ・シールマンスなどのゲストを迎えた異色のアルバム。参加メンバーの個性が生かされたAOR的なアレンジが特徴。野太い声のジャズ・ヴォーカルとのコラボは、良い意味で新鮮なミスマッチと言った感じ。ジェフもらしさ全開で、録音がTOTO結成直前の77年というのも興味深い。(菅沼道昭)

『Love All the Hurt Away』/Aretha Franklin(1981年発表)

“ソウルの女王”と呼ばれるアレサの作品にジェフが全面参加。ルイス・ジョンソンやマーカス・ミラーといったファンキー・ベーシスト達と共に超グルーヴィーな演奏を聴かせてくれる。図太いスネアのバック・ビート、荒々しいタムのフィル、強烈なクラッシュ・アクセントなど節々でロック魂が炸裂する様子もカッコいい。(長野祐亮)

※本記事はリズム&ドラム・マガジン2014年5月号、6月号の記事を転載したものになります。

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