プランのご案内
  • PLAYER

    UP

    【REPORT】結成10周年イヤーの幕開け BAND-MAID “TOKYO GARDEN THEATER OKYUJI”(d:AKANE)

    • Text:Rhythm & Drums Magazine Photo:MASANORI FUJIKAWA

    BAND-MAID新年一発目のお給仕
    バンドを勢いづける
    AKANEの強靭なドラミング

    可憐なメイド風衣装を身に纏った5人が重厚なハード・ロックを聴かせるというギャップと、それぞれの持つテクニックでワールドワイドな支持を集めるBAND-MAID。今年で結成10周年イヤーを迎える彼女達が、去る1月9日に東京ガーデンシアターにて新年一発目の“お給仕(ライヴの呼称)”となる「BAND-MAID TOKYO GARDEN THEATER OKYUJI」を開催。有観客+ストリーミングで国内外に配信された本公演のレポートをお届けしよう。

    満員の会場に流れるSEと共に、オーディエンスが手拍子で迎える中でメンバーが1人ずつステージに登場。5人が揃ったところで挨拶代わりに放たれたのは、“らしさ”溢れる切れ味抜群のハード・チューン「Unleash!!!!!」。ドラムのAKANEがツイン・ペダルを踏み込み、弾みのあるビートを鳴らして担う屋台骨の上には、複雑にウネるMISAのベース、KANAMIと小鳩ミクのかき鳴らすツイン・ギター、そしてSAIKI&小鳩による2色のヴォーカルが乗る。それぞれがアグレッシヴに展開する重厚なバンド・サウンドと、華のあるパフォーマンスで一気にオーディエンスを惹きつけていく。

    ▲AKANE(d)

    SAIKIの「来たぞガーデンシアター! 騒げ!」という第一声と共に「Play」が続くと、AKANEはレッド・スパークルのフィニッシュが鮮やかな愛器=TAMAのSTAR DRUMを駆使し、ショート・ソロを含む節々で腕を高く振り上げながらパワフルに演奏。随所に散りばめられたインパクトあるツーバス・フレーズもまた、バンドを勢いづける一端を担っている。

    4曲目にプレイされた「BLACK HOLE」は疾走感溢れるスリリングなナンバーで、以前ドラマガWebで行ったインタビューで、AKANEが「レベル別に提案したドラム・フレーズの中で、“地獄級”が採用された」とも語っていた曲。1バス、2タム、1フロア・タムというシンプルな構成のキットを縦横無尽に叩きながら、その激しさとは裏腹の笑顔を見せているのも印象深い。

    MCを挟み、小鳩が「ご主人様とお嬢様(BAND-MAIDファンの呼称)の準備はできたっぽー? ようこそBAND-MAIDのお給仕へ!」とあらためて会場に呼びかけたところで「DOMINATION」と共に本編が再開すると、テクニカルな速弾きで会場を魅了するKANAMIがドラム台へと上り、AKANEと息を合わせながら楽しげに演奏する一場面も。さらに、「H-G-K」や「the non-fiction days」、タイプの異なるツイン・ヴォーカルの掛け合いが美しい「I’ll」など、メロディアスかつ攻撃力のある楽曲が立て続けに繰り出されていく。

    中でも特筆しておきたいのがインスト曲「onset」で、AKANEのヘヴィなドラミングにKANAMIが軽やかなタッピングで織りなすメロディアスなギター・フレーズ、そしてピック弾きとスラップを自在にこなすMISAのクールかつ大胆なベース・パフォーマンスなどなど、個々の技術が光る演奏は聴き応え抜群。そのプレイに対する称賛が、会場の一際大きな歓声と拍手に表れていた。

    小鳩のシングル・ヴォーカルで「サヨナキドリ」を届けたあとは、二度目のMCタイム。演奏中こそ威風堂々のパフォーマンスで魅せる5人だが、MCでは一転してゆるやかなムードに。SAIKIが「10周年、楽しいですか?」と会場のご主人様&お嬢様と尋ねる横で、バナナを食べながら再びステージに現れたAKANEも煽りを試みたり、KANAMIが独特の天真爛漫さでメンバーを巻き込んだりと、それぞれが自由奔放に振る舞う。この日は一時的な声出しOKということで、小鳩が“おまじないタイム”でオーディエンスとのコール&レスポンスを行うと、「Sense」、「火花」、「Corallium」とスリリングなナンバーが畳み掛けられた。

    NEXT⇨歓声に包まれた新年一発目のお給仕 後半戦!