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Report – MUCC 現体制最後の日本武道館ライヴ<惡-The brightness world>(SATOち)

MUCC SATOち脱退前最後の日本武道館
解放感に満ちた10ヵ月ぶりの有観客ライヴ

MUCCが、昨年12月27日に10ヵ月ぶりとなる有観客ライヴ<惡-The brightness world>を東京・日本武道館にて開催。そのレポートをお届けしよう。

新型コロナウイルスの影響で従来の形式でライヴを行うことが困難になった2020年初頭から、サウンドと演出面にこだわった無観客ライヴの開催にいち早く取り組み、回を重ねるごとにクオリティに磨きをかけてきたMUCC。会場+放送/配信の2形式で届ける今回の武道館公演は、担当エンジニアを分け、大会場とオンライン配信の環境に対応する最善のサウンドを追求したとのこと。会場の座席は1つおきに間隔が空けられ、観客の声出しやモッシュも禁止とするなど、感染対策も徹底しての開催となった。

▲10ヵ月ぶりとなる有観客ライヴを行ったMUCC。
写真左から、YUKKE(b)、SATOち(d)、逹瑯(vo)、吉田トオル(ゲスト/key)、ミヤ(g)。

ステージ背面側の北ブロックも含め、客席を360°開放した武道館の会場が暗転すると、メンバーが登場。まずは、2020年6月にリリースされた新作『惡』より、「惡–JUSTICE-」、「CRACK」、「神風 Over Drive」の3曲が立て続けに披露。観客の入った会場でのライヴは久々ということもあり、曲間のMCでは、逹瑯(vo)が「楽しいな! 落ち着け、俺(笑)!」と、興奮を隠せない様子で自分に言い聞かせていたのも印象的。その重低音の利いたバンド・サウンドとアグレッシヴなパフォーマンスには“らしさ”が溢れ、解放感に満ちた演奏が、よりバンドを勢いづけていく。

ドラムのSATOちもまた、「神風 Over Drive」などの疾走感溢れる楽曲で、推進力のあるプレイを繰り広げ、バンドを鼓舞。ダークな雰囲気でどっしりとしたテンポの「アイリス」や「SANDMAN」では一打入魂のバック・ビートを力強く鳴らし、ストリングスも登場するバラード曲「積想」では、ジャジーなアプローチも交えて繊細なドラミングを聴かせるなど、変幻自在のプレイで楽曲を支える。この日使用したドラムは、OCDP(Orange County Drums & Percussion)のメイプル・キットで、1バス2タム1フロア・タムというセッティング。武道館という大会場全体に轟くヌケの良いドラム・サウンドの存在感にも、バンド演奏の核を担う頼もしさがあった。

ライヴ本編では、前作『壊れたピアノとリビングデッド』でMUCCに期間限定加入した吉田トオル(key)をはじめとするゲスト・ミュージシャンも多数出演し、「目眩 feat.葉月」ではレコーディングにも参加した葉月[lynch.]がシャウトで加勢。14名のストリングスと共に届けた壮大なバラード「スピカ」では、各楽器の音色が幾重にも重なる圧巻の音世界が会場を包み込んだ。

また今回のライヴでは発声が禁止されたオーディエンスに向けて、バンドでは鈴つきバンドや光るタンバリンなどのグッズを事前に販売。この他、小型のパーカッションを中心とした自前の鳴り物の持ち込みも許可されており、コール&レスポンスの場面でも、でんでん太鼓や鈴など、来場客の鳴らす楽器の多彩なサウンドや光が、ライヴの盛り上がりの一助となっていた。アンコールで再登場したメンバーも、無観客ライヴと比べて「(音で反応がもらえるから)喋りがいがある」と喜ぶ。

MUCCの活動にはこうしたアイディアが溢れ、コンスタントなリリースやイベントを実施しながら、今後も当然この4人のメンバーで歩みを続けていくものと思われていた。そんな最中、屋台骨を担うSATOちが脱退するという知らせが届いたのは、この公演を控えた12月2日のこと。

明るく場を和ませる“天然”なキャラクターが愛される一方で、ひたむきにドラムと向き合い練習を重ね、ダークな世界観を根幹としつつもバラエティ豊かなMUCCの音楽に対応してきたSATOち。そんな彼が脱退、さらにはドラマーとしての活動も引退するという突然の発表がもたらした衝撃は大きい。

件の発表以来、SATOちはこの日のアンコールで初めて口を開いたのだが、逹瑯に「いろんな発表があったからこっちもドキドキしちゃうよね」と話を振られた彼は、「(ステージ背後の客席から)背中を見られてると、恥ずかしい」と一言。さらに「(背後の客席を)背中で感じてる。真正面の人は……顔で感じてる」と、脱退には触れることなく、いつもながらの天然さがうかがえるMCで会場の笑いを誘った。

4人揃って武道館でライヴをするのは、この日が最後。アンコールで演奏された「名も無き夢」では、SATOちが立ち上がり、力強くドラム・セットを叩いてオーディエンスの手拍子とコール&レスポンスし、ミヤが「笑顔でSATOちを成仏させてやろうぜ!」と煽る場面が印象的だった。その後、再び葉月を呼び込んで披露した2ビート主体のライヴ定番曲「蘭鋳」で、会場も大いに盛り上がりを見せた。

Wアンコールも行われ、「家路」、「優しい歌」、「ハイデ」に続いて最後に演奏されたのは、SATOちの脱退を受けてミヤが作曲し、メンバー全員で作詞を行ったという、ブライトなナンバー「明星」。これまでの歩みと別れ、希望を象徴する歌詞と、疾走感溢れる彼らの演奏には、この日一番の熱量と、今後に対する前向きな思いが込められているように感じられた。こうして、3時間に及ぶ公演は幕を下ろしたのだった。

▲ライヴ当日、初公開された「明星」MV

開演前こそ、会場の雰囲気からは脱退の発表への戸惑いや、制限のあるライヴに対する独特の緊張も伝わってきたものの、いざライヴが始まると、 “らしさ”溢れるバンド・サウンドに、会場の熱量や一体感も一気に高まっていくのを感じた。久しぶりにオーディエンスの前でライヴを披露したメンバーが心から楽しそうに演奏する姿も印象的で、音楽を生で体感できる喜びを味わえた一夜だった。

ライヴ終了後には、現体制では最後となるホール・ツアーも発表! 詳細は下記をチェックしてほしい。

MUCC、現体制最後となるホール・ツアー10公演が発表
ファイナルは地元・茨城での2DAYS!

《MUCC TOUR 202X 惡-The brightness world》
※SATOちは本ツアーをもってMUCCを脱退

2021年2月28日(日) 福岡サンパレス
2021年3月7日(日)  仙台サンプラザホール
2021年3月25日(木) 愛知県芸術劇場大ホール
2021年3月27日(土) 大阪オリックス劇場
2021年4月3日(土)  新潟テルサ
2021年4月15日(木) LINE CUBE SHIBUYA
2021年4月29日(木・祝) 中野サンプラザホール
2021年5月1日(土) よこすか芸術劇場
2021年5月5日(水・祝)ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール(茨城県立県民文化センター)
2021年5月6日(木) ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール(茨城県立県民文化センター)


【チケット料金】全席指定 ¥9,600(税込)
※未就学児入場不可  ※営利目的の転売禁止

【朱ゥノ吐VIP会員先行チケット受付】
2021年1月7日(木)12:00~1月12日(火)16:00
※2021年1月4日(月)23:59までにVIP会員入金手続き(決済まで)を完了した方が先行受付の対象となります。

【一般発売日】2021年2月14日(日)

2020年12月27日 日本武道館 「惡-The brightness world」アーカイブ配信中!

【配信サイト】
<ニコニコ生放送> https://live2.nicovideo.jp/watch/lv329393483 ※MAVERICK DC GROUPニコニコチャンネル有料登録会員、および新規有料チャンネル入会者は視聴チケットを3,500円(税込)で購入可能

<イープラス Streaming+> https://eplus.jp/mucc20201227/st/
<LiveFrom EVENTS> https://livefrom.events/mucc
※海外向けチケット購入サイトとなります
【受付期間】 2021年1月3日(日)20:00まで
【チケット料金】視聴チケット ¥4,500(税込)

〜Release Information〜
■ベスト・アルバム『明星』発売!
 ※リリース日等詳細未定

■LIVE Blu-ray&DVD「~Fight against COVID-19 #3~『惡-THE BROKEN RESUSCITATION』」発売中

<朱ゥノ吐VIP会員限定 完全生産限定盤(Blu-ray)3枚組> 
品番:MSHN-087 価格:¥10,000+tax +送料

[朱ゥノ吐VIP会員限定 完全生産限定盤 特典]
・メンバーソロカメラDISC2枚(石岡盤/水戸盤) 
 DISC2石岡盤[ミヤ追従アングル・YUKKE追従アングル]
 DISC3水戸盤[逹瑯追従アングル・SATOち追従アングル]

・8P LIVE PHOTO BOOKLET
・ドキュメント映像収録

<通常盤(Blu-ray)> 品番: MSHN-088 価格:¥6,000+tax
<通常盤(DVD)> 品番:MSHN-089 価格:¥5,000+tax

「Fight against COVID-19 #3~『惡-THE BROKEN RESUSCITATION』」
トレーラー映像はこちら  

-収録曲-
1.惡-JUSTICE- 2.CRACK 3.海月 4.アイリス 5.TIMER 6.Friday the 13th 7.カナリア 8.月の夜 9.月の砂丘 10.流星 11.アルファ 12.目眩feat.葉月 13.World’s End 14. My WORLD 15.蘭鋳 w/葉月 16.ハイデ 17.TONIGHT

■LIVE Blu-ray&DVD「~Fight against COVID-19 #2~『惡-THE BROKEN RESUSCITATION』」発売中
<初回限定盤(Blu-ray)> 品番:MSHN-084 価格:¥8,000+tax
<通常盤(Blu-ray)> 1枚組 品番:MSHN-085 価格:¥6,000+tax
<通常盤(DVD)> 1枚組 品番:MSHN-086 価格:¥5,000+tax

MUCC Official
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